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眺めて

作者: タマネギ

薩摩芋の茎が

伸びていたので、

何本か切って、

周りに刺していった。


新聞紙を重ねて、

直射日光を防ぐ。

来週には根が出て

いることだろう。


薩摩芋の苗は、

ゆっくり増やす。

時間差で増やすと

時間差で収穫できる。


それがちょうどいい。

一度に食べられない。

そう思えるまで、

何年かかかった。


豊作にしようと、

わざわざ苗を買い、

一度に植えては

一度に収穫した。


仕事の合間なので、

長くはできず、

一度に収穫すると

後が大変になる。


作業が中途半端に

なってしまって、

庭に土のついた芋が

転がることになる。


いる分だけ収穫、

あげる分だけ収穫、

それを目掛ける。

欲張らないことだ。



日曜日の午後。

汗でズボンまで

ボトボトになった。

畑は屈伸スポーツ。


晴れたら晴れたで

夕立ちが欲しい。

西日の中にいると、

水とお湯が恋しくて。


温泉にやって来た。

のんびり湯に入る。

夕焼けとか、烏とか、

雲とかを、眺めて。


話しかけていた。

元気でいるか。

俺は元気でいるぞ。

会える分だけ会う。


無理して会わない。

人と人の出会い方も、

欲張らない方が

いいに決まっている。


自然に任せて

収穫ができたなら、

食べてゆけたなら、

老いてゆけたなら。


会える分だけ

出会ってゆけたなら、

これほど楽しみな

明日はないのだろう。


もしも人が必要なだけ

地球から収穫していたら、

暑すぎる夏もなかったと

いうことか。

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