アルコール依存症
強い渇望の中、眠りから覚めた。
意識が朦朧としている。
目の前には、頑丈な金網の後ろにある蛍光灯が薄く光っていた。その後に追って鼻がツンとするほどのアンモニア臭が立ち込めている。
ここは、どこなんだろう
とにかく何か飲みたい
ベッドから起き上がろうとした時、自分の上に掛かっていたブランケットであろう何かが静電気でバチバチと音を立てた。
起き上がると大きなドアがすぐ目の前にそびえ立つようにある。
ドアの横には、30センチ四方ほどの小さい窓があり、煌々と部屋の中へ光を運んでいる。
外からは、幻聴とも感じられるくらいの小さな声が聞こえてきた。
男?女?
数人いることは、たしかだ。
ドアノブがない大きなドアであろう壁は、押しても開かない。
スライド式か?
だが、横にスライドしようとするが全く動かないのだ。
部屋の外に誰かがいることは、間違いない。
恐る恐るドアをノックする。
コンコン
全くといって外に音が届いている気がしない。
扉が分厚いのが拳から伝わってくるのが分かった。
ドンドン
今度は、力いっぱい扉をノックする。
遠くの方から足音が部屋に向かって、大きくなって近づいてくるのが分かった。
やった!誰か気づいてくれた!
ガチャ
やっとこの大きくて頑丈な扉が開き、外の明かりが一気に部屋に差し込んできた。
目の前にいたのは、腕っぷしの強そうな大柄の女性の看護師だった。
「なんですか?」
気怠そうに僕に言った。
自分が何でここにいるのか、ここは何処なのかを聞くのが普通だろうが、喉が乾いていてそれどころではない。
「な、何か飲み物をください!」
その女性看護師は、また気怠そうに
「持ってくるので少し待っててください」
そう言って、去って行ったのだ。
しばらくして水が運ばれてきた。
僕は、それを一気に飲み干し、潤いを取り戻すと看護師