僕はここの子供じゃない!
僕の名前は、、、?
・・・・・・思い出せないよ。
何一つ、何も思い出せない、、、!!!
*
僕が気が付いた時には、、、誰だか分からない男の人が僕が目を覚ますまで
傍に居てくれたんだ、、、!
『大丈夫か? 心配したんだぞ! きみの名前は何て言うんだ、、、?』
『・・・名前? 僕の、、、。』
『覚えてないのか、、、?』
『・・・ううん。』
『そうか、取りあえずは目を覚ましたんだ! 体を休める為にも!
ここに、好きなだけいなさい! きみの記憶も徐々に思い出すだろう。』
『・・・・・・』
▼
僕は、どうやら、、、?
【記憶喪失】になっているらしい...。
僕を見つけてくれた男性は、、、?
『日野 和雄』38歳、独身で漁師の仕事をしている。
僕は海で、何処からか流されてココに辿り着いたみたいだ、、、!
僕以外の人は、誰も他にいなかったと言っていた、、、!
*
この事は、ニュースにもなり新聞の記事やいろんなところで僕の情報提供
もしてもらったが、何一つ手掛かりがない、、、!
▽
・・・そして虚しく、あれから1年が経とうとしていた...。
僕は、結局、、、。
僕を助けてくれた男性、和雄に面倒を見てもらう事となったんだよ。
僕の名前は、、、和雄がこう言った事から決まったんだ、、、!
『なんだか? きみは、ひょろっとしているから、、、【ひょろ】と
これから呼ぶよ! いいな! ひょろ。』
『・・・ひょろ、うーん、それでいいよ和雄!』
『よし! これからは、和雄とひょろだ! よろしくな、ひょろ!』
『うん!』
▼
和雄は、漁師で頑固おやじだ! 自分の決めた事は曲げない、、、!
僕と和雄は、毎日のようにぶつかり合った、、、!
『おい! ひょろ、これをしろと言っといただろう!』
『そんなの! 和雄がやればいいだろ!』
『なんだと! 俺が黙ってら? ひょろ! お前は俺にそんな事を言うのか!』
『いつも、そうだろう! 和雄は僕に怒ってばっかじゃん!』
『ひょろが、俺の言う事を聞かないからだろう!』
『和雄は、いつもいつも、強引なんだよ! もっと優しく言えないのか!』
『・・・はぁ!? 何をそんな生意気な事を言いやがる!!!』
『もういいよ! 和雄には、僕の気持ちなんか! 分かんないんだ!!!』
『ひょろ~待て! 話は終わってないだろう、、、!』
*
そもそも和雄は、、、?
結婚も子供もいないから、子供である! 僕の扱いが分からないんだよ!
自分の言いなりにならないと、、、?
急に怒り出すし!
訳の分からない事を、僕に押し付けてきたり! 面倒くさいんだ!
・・・でも。
僕が、熱を出しただけでも大慌てで、僕の為にあちこちに行って
どの薬が僕に効くのか、、、?
探しまくってくれたり、ずっと熱が下がるまで傍に居てくれたり。
僕が、ココに来た頃は、、、?
迷子になって、家に帰れなくなると、、、?
島の人たちに協力してもらって、必死になって僕を探してくれたり。
本当は、情に厚い人なんだよ!!!
僕にとっては、、、『本当のお父さん』みたいで。
だから、、、たまに思う。
僕は、本当のお父さんやお母さんともこうやって、、、?
親子喧嘩をしたり仲良く話したりしたかったのかなって、、、。
僕は、名前も年齢も家族の事も何もかも思い出せないけど、、、?
たまに、ほんの少しだけ記憶を取り戻す事があるんだ、、、!
その僕の思い出した記憶の中で、、、どうやら僕は現在14歳と分かった!
中学1年生の時の記憶が蘇ったからだ、、、!
だからここでは、学校で中学2年生の授業を今は受けている。
*
僕はここの子供じゃない、、、!
だけど、、、?
記憶を思い出せない以上は、、、ココが僕の家だ!
和雄は僕のお父さん。
たった一人、信頼できる男性なんだ!!!
僕は、この島でココの島の人たちとずっと生きていく。
・・・そう、僕は心に決めたんだよ、、、!!!
最後までお読みいただきありがとうございます。