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ハヤシ違い
学生たちが居住する下宿にて、林少年はマンガのように壁にぴたりとはりつき身を隠して盗み聞きをしている。
壁の向こうには意中のお相手。
先ほど
「わたしやっぱりハヤシが好きだわー」
と言った、意中のお相手だ。
また「安心感あるしー」とも続けている。
この下宿は管理人さんが『不良者お断り』を掲げているだけあって、人柄も安心感のある危なげない人ばかりだ。
林少年は(林って下宿で俺だけだし、もしかするといややっぱり!?)なんて舞い上がった。
林少年は意中のお相手の姿を拝まずに踵を返し、告白はどんなドラマを演出しようかと頭を捻り出した。
意中のお相手が食べるハヤシライスに気づかないまま。




