第四十二話 空席
ルトヴィアスとビアンカがもし惹かれあったとしても、正妃として冷静に対応してみせる。
そんな、戦火に飛び込む騎士のような覚悟で昼食会に挑んだアデラインだったが、当のビアンカは、昼食会の席にいなかった。
皇国の事務官の中には言葉に不案内である人もいるため、通訳官は全員出席するはずであるのに、椅子がひとつ空席のままだ。食事がはじまり、あちこちで談笑が聞こえ始めたが、ビアンカは姿をあらわさない。
「…でアデライン様はどう思われます?」
「え?あ…はい。私もその話は伺いましたが…」
向かいに座る皇国の大使補佐官と話をしながらも、アデラインはビアンカのことが気になって仕方がなかった。
――…どうしたのかしら…。
ルトヴィアスとビアンカを引き合わせずにすみそうであることは、正直ほっとしている。勝手に嫉妬して対抗意識を燃やしている後ろめたさもあり、ビアンカと顔を合わせるのは正直気まずかった。
けれどビアンカが慣れない土地に来て体調でも崩したのではないかと考えると、アデラインの中で徐々に心配がつのる。
「アデライン」
「え?」
隣に座るルトヴィアスが、アデラインの耳元で囁いた。
「お前のお友達はどうした?」
会場にいる通訳官とおぼしき人物は男性ばかりだ。昨日、アデラインが話した人物像にあてはまる女性がいないことに、ルトヴィアスは気付いたらしい。
「わからないわ。てっきりこの昼食会に来るものだと思っていたのに…」
「そうか…体調でも崩したのかもしれないな」
ルトヴィアスもアデラインと同じ考えに至ったようだ。その横顔に、アデラインは引っ掛かりを感じて、眉を寄せる。
「…会いたい?」
「…え?」
戸惑うように訊き返してきたルトヴィアスに、アデラインはもう一度訊ねた。
「会いたいの?」
「……」
ルトヴィアスは、驚いたような顔で固まっている。
ビアンカに、そんなに会ってみたいのだろうか。
確かに、昨夜アデラインが語ったビアンカへの賛辞は、ビアンカへの興味を湧き立たせるものだっただろう。美しい若い女性と聞いて、男としては気になるのは仕方ないかもしれない。けれどそんな様子を見せられては、アデラインだって気分が悪い。妃が妬むまいと努力しているのだから、夫も配慮するべきではないのか。
非難の目でルトヴィアスを睨み付けると、彼は気圧されていたようだったが、すぐに楽しげに口の端を上げた。
「妬いてるな?」
今度、驚いて固まったのはアデラインの方だった。
「…え?」
「俺がその通訳官を口説くとでも思ってるんだろ?」
「そ、そんな…ちが…」
違くはないのだが、認めては負けな気がして、アデラインは顔を真っ赤に染めて否定した。けれど、アデラインが焦れば焦るほど、ルトヴィアスは嬉しそうだ。何故こんなに嬉しそうなのか、アデラインはわからなくて苛立った。
「妬くな。俺の妃はお前一人だ」
「や、妬いてなんかいません!!」
ガタン、とアデラインは勢いよく立ち上がった。
途端に、あたりの目線がアデラインに集中する。
「あ…」
「ぷっ…」
隣で俯くルトヴィアスの肩が細かく揺れていた。笑いを堪えているのは一目瞭然だ。
心の内で、ルトヴィアスをなじりながら、アデラインは客人達ににこやかに笑いかけた。
「あー…えっと。こちらの焼き菓子は…おかわりは『焼いていない』ので……なくなる前に…お食べください…」
「……っぶは!」
ルトヴィアスが盛大に吹き出す。
片手で俯いた顔を覆い、震えながら必死に笑いを押さえている。頭からずり落ちた猫が、肩に慌ててしがみついている幻が見えた。
品行方正な王子様の大爆笑に、周囲はなんとも言えない不思議そうな顔だ。
――…ルトの大馬鹿―――っ!
拍子抜けするほど、昼食会は平和そのものだった。
「アデライン」
「…」
「アデライン?」
「…」
追いかけてくる靴音と、名前を呼ぶ声を無視して、アデラインは大理石の廊下を進む。
「まだ怒ってるんですか?」
ルトヴィアスに後ろから顔を覗きこまれ、アデラインは顔を紅潮させてわめいた。
「…っ怒ってます!」
そして、ルトヴィアスとの距離を稼ごうと、猛然と歩きだした。にもかかわらず、彼は余裕でアデラインの背後にぴったりくっついてくるのだ。
「謝りますから、そろそろ機嫌を直してください」
謝罪の声は、楽しくてたまらないと言外に語っていた。アデラインはそれが気にくわない。ルトヴィアスに追い付かれないように、更に倍速で足を動かした。
「アデライン」
そんな甘い声で名前を呼んでも無駄だ。噛み殺しきれない笑いを、咳き込むことで誤魔化していると、アデラインはわかっている。
昼食会から、ルトヴィアスはそれはそれは上機嫌で、ずっとこんな様子だ。
何がそんなに楽しいのかと、アデラインは苛々と唇を噛んだ。
――…私一人を笑い者にして!
今朝もそうだった。
朝食をとるまえに、ルトヴィアスはアデラインの首のあたりをジロジロ眺め、そして突然指でなぞった。びっくりして飛びのいたアデラインを、ルトヴィアスは声をあげて笑ったのだ。『ゴミがついてたんだ』と言っていたが、怪しい所だ。きっとアデラインを玩具にして遊んでいるに違いない。
早足で追いかけっこをするアデラインとルトヴィアスのやり取りに、すれ違う人々は皆驚いた顔で振り返った。彼らにとってのルトヴィアスは、品行方正な物静かな青年で、婚約者とじゃれて遊ぶような子供じみたことはしないのだろう。
「アデライン」
「…」
「アデライン」
「…」
「シヴァのところに行きませんか?」
「…っ」
アデラインは立ち止まって振り向くと、ルトヴィアスを睨み付けた。
――…シヴァをだせば、私が機嫌をなおすと思っているんだから。
穏やかな微笑みを浮かべながら、ルトヴィアスの目は楽しげに光っていた。完全にアデラインの足元をみている。それがまた腹が立つ。腹は立つが…。
「…乗せてくれる?」
ぼそ、とアデラインは言った。初めてシヴァに乗って以来、時間を見つけて空の遠駆けを楽しんでいるアデラインとルトヴィアスだが、最近公務が忙しくて随分とご無沙汰なのだ。
あの風を切る爽快感。ルトヴィアスの提案は、アデラインにとって抗いがたい誘惑だった。
ルトヴィアスはにっこり笑うと、胸に手をあてて、恭しく頭を下げる。
「お嬢様のご希望とあらば、喜んで」
ルトヴィアスの金の髪が、さらりと光を反射する。
――…悔しい…。
どれだけ腹をたてようと、ルトヴィアスには勝てるはずがない。こんなに美しい人を相手に、いつまでも怒っていられるわけがないのだから。
差し出された美術品のような手に、アデラインは憮然としながらも、自らの手を重ねた。
その時…。
「殿下!」
「オーリオ?」
書類を手に、オーリオが追いかけてきた。
「どうかしましたか?」
「朝の件に関しまして、至急ご確認いただきたいことが…」
オーリオが、アデラインをちらりと見てから、目をそらす。それに気づいたルトヴィアスは、アデラインから数歩距離をとり、背を向けてオーリオとヒソヒソと何事かを囁き合った。
――…私が聞いてはいけない話かしら?
政務については、そもそも聞いたところで殆ど理解できないのだが。
オーリオから渡された書類を受けとったルトヴィアスが、それに目を落とす。そして、いくらもしないうちに、彼の表情が曇った。
「…まさか…」
ルトヴィアスが、唸るように呟く。その反応を見て、オーリオは何かしらを確信したらしい。
「やはり、そうですか?」
「…まずは確認を。別人であれば、下手に動くとこちらが恥をかきます」
「どういたします?」
ルトヴィアスは、すぐ答えなかった。何事にも判断が早い彼にしては珍しく、どう処理すべきか迷っている。
――…リルハーゼルの件で、何か難しいことが起きたのかも…。
「あの、ルト」
アデラインは一歩進み出た。
「私自室にもどります。だから…」
残念だが、仕方ない。遠駆けはまたの機会にしよう。しかし、ルトヴィアスは頷かなかった。
「…いえ、すぐに行きますから、先に厩舎にいっていてください」
「…でも…」
「待っていてください」
念をおすような強い口調に、アデラインは戸惑いながらも頷いた。
「…はい」
膝を軽く折り頭を下げて、アデラインは厩舎へと廊下を歩いた。
「何かあったんでしょうか?」
後ろをついてくるデオが、首を傾げる。
「わからないけど…リルハーゼルの件で何かあったのかもしれないわね…」
それ以外の問題の可能性は、アデラインには思い付かない。
――…でも、そういえば…毒の件はどうなったのかしら…。
毒味係をつけてから、ルトヴィアスの食事に毒が盛られたという話は聞いていない。アデラインが王宮にいる時は、大抵ルトヴィアスと一緒に食事をとるが、ルトヴィアスは普通に食事をしているように見える。犯人は捕まったのだろうか。いや、それならルトヴィアスからアデラインに一言あるはずだ。
――…式までに捕まえると言っていたけど…。
どうなったのか尋ねたいが、それをすれば急かしていると思われてしまうかもしれないし、最近の彼の多忙さを知っているので、それは出来ない。
――…考えても仕方がないわ。
ルトヴィアスが、待っていろというのだから、自分はそうすればいいのだと、アデラインは気を取り直した。
「ところで、明日の弓技会は貴方も出るんですって?」
肩越しに、アデラインはライルに話しかけた。ライルはいつものように表情を動かさない。
「はい。第三部隊の代表で」
「こいつ、柄にもなく緊張してるんですよ」
デオがにやにやと笑う。
「そうなの?」
いつも冷静なライルでも緊張することがあるのかと、アデラインは驚いた。
「お嬢様の騎士として恥ずかしくないように頑張ります」
生真面目なライルらしい言葉に、アデラインとデオは顔を見合わせて笑った。
「そんなこと気にしなくていいのに…でも応援するわね」
回廊に出る階段を下ると、前方に庭を眺める人影が見えた。
すっきりとした長身に、爽やかな青いドレス。遠目にも、その人物が美しいであろうことがわかる。
――…あれは…。
「ビアンカ様?」
ビアンカは驚いたようにこちらを向く。
「お嬢様…」
アデラインは足を早めて、彼女に近づいた。
「こんなところでどうされたんです?」
厩舎へと続く回廊は、騎士以外にはあまり使われない。さらに言えば、騎士達も庭から直接厩舎へ行くことが多いので、あまり人通りは多くないのだ。アデラインは今来た道を、ちらりと振り返った。
――…よかった…。
タイミングが悪ければ、ルトヴィアスとビアンカを引き合わせてしまうところだった。この期に及んで、出来ることなら二人を会わせたくないとアデラインは願っている。自分でも不思議なほど、二人を引き合わせるのが怖い。
ビアンカは膝を軽く折って頭を下げた。
「お嬢様におかれましてはご機嫌麗しく」
「ありがとうございます。…あの…昼食会にいらっしゃらなかったので…心配しました。お体の具合でも…?」
アデラインが尋ねると、ビアンカは笑って首を振った。
「いいえ。体調は万全です。ただ…ちょっと所用がありまして…」
ビアンカが言葉を濁したことで、アデラインはピンときた。ビアンカは、きっと恋人と会っていたのだ。
――…そうだったわ。ビアンカ様には恋人がいるんだった。
それを思いだし、アデラインの心は急速に軽くなった。
いくらビアンカが美しかろうと、恋人がいる女性を側室にのぞむようなことをルトヴィアスは絶対にしない。
――…何を心配していたのかしら。
勝手に嫉妬までして、ビアンカには申し訳ないことをした。反省しながらも、アデラインの中で興味が頭をもたげる。
「ビアンカ様の恋人はどんな方なんですか?」
「え?」
ビアンカの肩が跳ねた。
彼女の恋人なのだから、きっと素晴らしい男性だろう。
「ルードサクシードの言葉を教えてくれたお知り合いは、本当は恋人なのではと思っていたんです。昼食会にいらっしゃらなかったのは、その方にお会いになっていたからなんでしょう?」
「い、いえ…あの…」
ビアンカは明らかに動揺していた。口元にあてた手が、小さく震えている。
「あの、お嬢様は…何か…何か聞いてらっしゃるんですか?」
「え?何かって…?」
ビアンカの質問の意味がわからない。誰に、何を聞いているというのだろう。
アデラインの戸惑いを察したようで、ビアンカは慌てて笑った。
「あ、いえ、申し訳ありません。変なことを訊いて…そんなはずないのに…」
落ち着くためなのか、ビアンカは一度深く息を吐いた。
「……お嬢様のお察しのとおりです。ある方にお会いしたくて、でも会ってはいません。会えないんです。…その方は、もう私の恋人ではありませんから」
「え…」
寂しげに、ビアンカは微笑んだ。
「ひどいことをしてしまって…会わせる顔がないんです。本当は謝りたいんですが、きっと話も聞いてくれないでしょう。頑なな人なので。…だから遠くから元気な姿を見るだけでもできないかと…」
目を伏せたビアンカに、アデラインの胸が痛くなる。ビアンカは、かつての恋人をまだ想っているのだ。
「私に…私に何かできることはありませんか?」
アデラインの申し出に、ビアンカは目を丸くした。
「え?」
「ビアンカ様は…まだお気持ちがのこってらっしゃるのでは?もし相手の方が王宮に仕える者なら、多少ですが私は顔がききますから、ゆっくりお話ができるように席を設けることもできます」
「……」
ビアンカは言葉もなく、呆然というふうに立ち尽くしている。その様子に、アデラインは不安になった。差し出がましいことを言っただろうか。ビアンカにとっては迷惑だったかもしれない。
「ビアンカ様?……あの?」
「……お嬢様を見ていると…わかる気が…してきます」
「え?」
「私が…どんなに愚かだったか…」
ビアンカは俯いた。黒髪が流れて、彼女の表情を隠してしまう。
――…泣いてる?
何と声をかけたらいいのだろう。
「ビアンカ様…」
「…申し訳ありません」
目元を拭って、顔を上げたビアンカはもう笑っていた。
「お嬢様と殿下は仲がおよろしいようですね。政略結婚とは思えませんわ」
「え?」
「好きあっていらっしゃるのでしょう?」
「…あ、あの…?」
何故、ビアンカはそう思うのだろう。確かにアデラインはルトヴィアスに恋しているが、ルトヴィアスに会ったことがビアンカはないはずなのに、どうして好きあっているなどと彼女は考えたのか。アデラインが首を傾げると、ビアンカは自らの耳のすぐ下あたりを指差して言った。
「首筋に痕が」
「…あと?」
アデラインはビアンカが示す首筋を手で辿った。
――…あとって何の………。
そういえば朝方、ミレーは『まぁまぁまぁ』を連呼した。そしてアデラインの髪を結う手をとめて、白粉で首筋を…。
「……あ」
落雷のように、アデラインは思い出した。昨夜、ルトヴィアスがそこへ口づけを落としたことを。
瞬時に体が沸き、アデラインの顔は林檎色に染まった。
「こ、これは…っ違うんです!」
否定して、けれど否定しては不貞を疑われるのではと、慌てて否定を否定する。
「いえ!違うわけではないのですが…っあ、あの…っ!」
頭の中は大混乱だ。もはや今、自分が何を否定しているのかもわからない。そんなアデラインの様子に、ビアンカはくすくすと、楽しそうに肩を揺らした。
「大丈夫です。白粉でうまく隠してありますから至近距離でよく見なければ気づきませんよ」
「…っそ、そう、です、か…」
カツン、と靴音がして、アデラインは顔を向ける。
石畳の回廊に、ルトヴィアスがいた。
「ルト!」
もっと時間がかかると思ったのに、オーリオとの話はもういいのだろうか。
「……ルト?」
アデラインの呼び掛けに、ルトヴィアスは答えない。様子がおかしい。 表情が硬い、というより、感情の一切が、顔から削ぎ落ちている。猫さえも、その頭上には見当たらなかった。
――…目が…。
氷のように、冷たい。
何故、そんな目をしているのだ。そんな目で、一体誰を見て――…。
「……初にお目にかかります。ルトヴィアス王子殿下」
ビアンカの声に、アデラインは彼女を振り向く。左手は胸に、右手はドレスの裾に添えて、膝を深く折り、ビアンカは深く深く、頭を下げた。
地上に降り立った白鳥を思わせる、優美で完璧な最敬礼だ。
「皇国より参りました通訳官のビアンカ・エムハンブラと申します。この度、立太子および御婚礼と慶事が重なりますこと、心よりお祝い申し上げます」
「……言祝ぎを嬉しく思います」
ルトヴィアスの声が微かに震えた気がして、アデラインは彼を見た。けれど先程の冷たい目はどこにも見当たらず、立派な毛並みを誇るように、猫が悠然と微笑んでいる。すべては、アデラインの見間違いだったのだろうか。
「君が言っていた友人になった通訳官というのは、彼女のことですか?アデライン」
「え?あ…ええ。そうなの」
「なるほど、確かに美しい方ですね。君が気に入るのも無理はない。ビアンカ嬢、アデラインと親しくしてくれたこと、感謝します」
ビアンカは、頭を下げたまま答えた。
「身にあまるお言葉でございます」
何とも言えない奇妙な違和感を、アデラインは感じていた。まるで下手なお芝居を観ているような気がする。けれど、ビアンカのとった態度は初対面の王族に対する礼儀として申し分ないし、ルトヴィアスの方も、いつものことながら完璧な猫かぶりだ。ここがおかしいと、指をさして指摘出来るようなことはどこにもない。
――…気の、せい?
冷たい目でビアンカを見ていた気がしたのは、初対面の人間に対するルトヴィアスの警戒心のせいだったのか。
「それでは、私は失礼いたします。ご挨拶が叶い光栄でございました」
ビアンカは頭を下げたまま数歩後ずさり、くるりと背を向けると、振り返ることなく回廊を行ってしまった。
仰いだルトヴィアスの横顔は、じっとビアンカの背を見送っていた。
――…何を考えてるの?
心が揺れた。この不安は何だろう。そうだ。あれほどルトヴィアスとビアンカを会わせてはいけないと思っていたのに、結局、二人は出会ってしまった。かといって、何か起こったわけでもなかったが、それが逆に妙な気がする。
「…あの…ルト?」
ルトヴィアスが、こちらを向く。
「どうしました?」
ルトヴィアスは、にこやかに笑っている。猫はかぶっているが、優しさが滲む眼差しにアデラインは何も訊けなくなってしまう。今何か尋ねたら、そしてそれに対するルトヴィアスの答えを聞いたら、アデラインとルトヴィアスの関係が変化してしまう気がする。その変化が、二人の関係にとって良い変化なのか、それとも致命的なのか、アデラインにはまったくわからない。
そもそも、何をどう尋ねればいいのだろうか。
「…ううん…何でも…」
アデラインは俯いた。
もし彼の目の中に、自分以外の誰かが映っているのを見つけてしまったら…。
それが怖くて、その日アデラインはルトヴィアスと目をあわせることが出来なかった。
2018.7.4 キャラクター名を間違えていたので訂正しました。(ご指摘ありがとございました。)(きっと彼は後々ルードサクシード初のレンタルDVDショップの創設者に…なんて(爆))
2018.7.6 キャラ名まだ間違えていたので訂正しました。(ご指摘ありがとうございました)
アデラインのセリフを変更しました。(ご指摘ありがとうございました)




