200文字小説集 vol.2 桜の花より…(200文字小説) 作者: 日下部良介 掲載日:2018/03/29 まだ辺りは薄暗い。 彼女のために早朝から花見の場所取りに来た。 大きな桜の木の下にシートを広げた。 仰向けに寝転がる。散り始めた桜の花びらが舞う。 「眠い…」 辺りの賑やかさに目が覚める。 「おはよう」 目を開けると彼女の顔。待ち合わせ時間はとうに過ぎていた。 「起こしてくれればよかったのに」 「気持ち良さそうに眠っていたから」 桜は殆ど散っていた。 「桜、残念だった…」 「いいの。ずっとあなたの寝顔を見ていられたから」