〜二限目②
前作で、生命の起源とはDNAを元にたんぱく質を作る=「たんぱく質合成系ができた時」との説明で終わりました。ではなにがもとでDNAができたのか?
恍惚先生は、地球上に存在した有機堆積物の中で、偶然の重なりからできあがったもの、という説を推しているらしいです。
いわゆる「RNAワールド」推しということらしいです。
「地球外から飛来した」なんて説もあるらしいですね。隕石に付着した DNAが……もしくは宇宙線の影響を受けて……などアメコミのファンタスティック・フォーを思わせる説。妄想の捗る設定で、ど素人的には一推しです。
でも恍惚先生は、地球上の有機物溜まりで偶然RNAができ、原始のたんぱく質ができた。という地味な説を推しているようです。
原始の海とか、原始スープなどと言われているようですが、恍惚先生的には、もっとドロリッチなイメージのようです(←勝手な予測変換がドロリッチ、こんな文字書いた事ないのに)
地球外から飛来とか、学問的にやりようがないのでしょうか? 妄想は捗るのになぁ。
ここら辺でまた空転する恍ピューターが何かの解を吐き出しました。
①Oが抜けた状態と、いつもRNAは共存している。
②生命とは、糖が設計図で代謝活動(タンパク質合成系を中心に、核酸の合成、細胞膜である脂質合成)
おっと、いきなりの場外乱闘。今度はど素人がフリーズする番ですが、表面的にはしたり顔で、
「なるほど〜」
と頷いておきます。我が意を得たりと、恍惚先生も満足気。
あれか? 糖でできたDNAとRNAはいつも一緒で、様々な合成を行なっている? 何故ここでぶっこんできたかは不明ですが、恍惚先生が脂質最強論者であることは何となくわかりました。
脂質=細胞膜が生命の定義に関わる根幹だという事は理解しました。でも細胞膜もDNAを元に出来てるんじゃないの? と聞くと、恍惚先生はど素人の意外な発見に、
「せやで」
と答えました。そうなると自然に湧き出る疑問「じゃあDNAが先か? 細胞膜が先か?」
との質問に、恍惚先生はノータイムで
「よういわん」とご返答されました。
これぞまさに「卵が先か? 鶏が先か?」って大疑問じゃないの? 鋭い質問したんちゃう?
膜があってはじめてDNAみたいな選択的取り込みが行われるから。膜が先に出来たのか? でもその膜はDNAを設計図に出来上がるから……
原始の堆積物溜まりで何がしかの偶然が起こったのでしょうか? 「これぞ奇跡」とファンタジー脳のど素人は簡単に考えてしまいますが、それを細見するのが科学なんでしょうね。先生は「よういわん」で済ませましたが、認知症患者なので、許してあげて下さい。
ここで話は生命の自然選択について……DNAが少しづつ違う物を作るから環境に適したものが残るという話が飛び出ました。DNAは一種類(例:バクテリア)ですが、世代を追って親とは違う物に変異していくとのこと。
話はどんどん飛びます、覚悟してください。恍ピューターも俄然張り切っている証拠です。
RNAを元にDNA(複雑)ができている。その要素であるデ・オキシを人工的にすることはできる?
→酵素タンパクが働いて、特定の場所のohをhにする事は可能。
酵素とは、特殊な化学変化を起こさせるもの。ある部分を攻撃→ 変化させる。(例:酢豚のパイナップルは豚肉を柔らかくする=パイナップル酵素の働き)
酵素反応=触媒反応というらしい。ごく一部、特定の酸素を取り除く作用があるものもある。
RNAをDNAにする酵素は発見されてる? の質問に「されてると思う」と答えました。
DNA設計図からどうやってタンパク質を作るのか?
イメージ=タンパク質合成系は細胞の中で行われている化学反応。細胞核の中に固まってあるDNAが自己複製してDNAなりRNAをつくる。そして細胞核は分裂して増える。
細胞の中身は大部分が水、その次にタンパク質、核酸が少し、膜は脂質。
分子=原子でできた構造体の話←ごめんなさい、ど素人だから、時々理科レベルの知識が同列に出てきます。
大分箇条書きですっ飛ばしてきました。もう少し、もう少しだけ列記モードについてきて下さい。私も限界です。
・「じゃあ何時頃が生命の起源なのか?」
地球ができて45億年として、40~35憶年ぐらい前に生命が発生したのではないか? とのこと。発見された物から推測されるらしい。
ずいぶん幅があるね、もっと絞り込めないの? と聞くと「へへっ」と笑って「分からん」と答えていました。
そこ! そこが研究のポイントちゃうんかい! と喉まで出かかったツッコミを嚥下して、
「そうか〜、五億年の誤差ってダイナミックやなぁ」
と言葉を絞り出すと、
「せやろ」
と得意気でした。まあ嬉しそうだから良し。
【まとめ】
有機堆積物にたまたまRNAみたいなものができて、酵素反応で酸素が抜けて、DNAができた。安定する事で、情報を蓄えることができた。
今の地球上に居る全生物の有機物を集めた量を考えると、原初の地球にも有機堆積物は大量にあったと考えられる。(炭素化合物)
イメージはグランドキャニオンいっぱいに溜まっている感じ? と聞くとぞんざいに「せや」と答えが返ってきた。恍惚先生疲れた?
いろんな化学反応がある中で、ごく稀にRNAやDNAに近い物が出来上がる。よく似た分子は集まり易い→選択的に集まって生命となったか?
酵素はDNAに基づいて作られたタンパク質であり、酵素が無かったらDNAが出来ず、DNAが無かったら酵素ができない。
また出てきた鶏卵論争。なんやDNAと酵素と細胞膜の三角関係。いやもっといろんな要素が複雑に絡み合っているに違いない。
擬似DNAによってできた擬似酵素によって酸素が取り除かれたRNAがDNAに変化していった。(化学進化)擬似細胞膜ができて、その中で本物っぽいDNAが出来てきた。
前回の例えでいうと、細胞膜の中で、徐々に八千草薫と五月みどりに分かれていった訳ですわ。八千草薫も芸者役とかやってたけど、今じゃ老後にして百年後の庭造りをするビオトープとかにハマってらっしゃるようですし。有象無象がハッキリと性質を分けていく訳ですわ。悪女かまきりとビオトープに。
そうする中で、生まれたのが〝生命〟←やっと出た!
遅いわ。勿体ぶるなよ生命。お前の話やぞ。
タンパク質合成系が確立されて、生命が生まれ、進化した。←なんか小難しい単語にも慣れてきましたね。
そうして生まれた生命が、生物進化=DNAの自己複製の過程のブレによって、外界に評価されて、増えるかどうか? を繰り返したとかなんとか言ってますが、ど素人にはもう限界がちかいです。
遺伝情報が蓄えることができるのはDNAのおかげ。RNAにはもろい特徴を生かしたメッセンジャー、トランスファー。DNAがタンパク質を作る時の中間物質として、壊れやすい方が都合が良い。
とまあ、駆け足で聞き取りを分析しましたが、よく分かっていない人間が、認知症患者から聞き取るとこんなもんですわ。
多分アラがいっぱいあると思いますが、私には洗い出しなどできません。と言うわけで、五月みどりのDVDコレクションを見ないといけないので、二時限目はここまで。
キ〜ン、コ〜ン、カ〜ン、コ〜ン
〜休み時間〜
ここまで父に会いたいと思う事があったでしょうか? 一限目を投稿してから、早く父に会って疑問点を解消したいと思うようになり、休日を待って実家に押しかけました。
この情動こそが、今回の試みが成功している証です。認知症の親父と、無関心な息子が、より自然な形で交わる方法の確立。
科学的な読み物としては致命的な、科学ド素人と認知症患者の組み合わせですが、介護の一方法としては、かなり良い線いってると思います。
自分の趣味と介護の一体化、少しの工夫で最大の効力を引き出し、誰も損しない。自分に合った方法が見つかったような気がします。
とはいえ、勉強というものは最初の段階をすぎたあたりから途端に敷居が高くなるもの。
そして父親の認知症も時間経過とともに悪化することは必至。話数が進むごとにハードルは高くなると思いますが、そこはそれ、できなくなればできないなりの方法を模索していきたいと思います……と、綺麗にまとめたいところですが、上級編の感想がありましたね。
以下上級編、ど素人にはまだ早い内容のため、私は不介入で、恍惚先生の解説を直に列記します。
生化学とは?物質の内容に詳しく関係している、化学組成を言及、一個の生物としての機能を研究。
生物学とは?生態系とかも含めた分野。
耐熱性ポリメラーゼ→
ポリメラーゼ(ラーゼ:酵素反応)によってポリマー化する。つまり低分子を高分子にする事。
酵素(=タンパク質)は熱を加えると壊れるが、耐熱性のものがある。
バクテリアは高熱にしたら死滅するが、耐熱菌の酵素は温度を上げても壊れない、
(例)卵茹でたら白身固まり不透明になる。卵のタンパク質が潰れてひっつき、固くなる。透明時は、個々のタンパク質が単独であったから(球状に)柔らかい。
モノマーが繋がってポリマーとなる(ポリ:連なりの意)
(例=ポリエチレン:エチレンが繋がっているという事)
高分子とは繋がっている分子(例:DNAの螺旋の繋がり)
PCRの発明→
ポリメラーゼ・チェーン・リアクション
酵素でポリマーを作る(ポリメラーゼ)連続的に反応を進める。
誘爆的に化学反応が起こる様子。
DNAシーケンサー→
シーケンサー:シークエンス(配列)を決める
DNAサンプルを入れ、塩基配列を酵素で切断し、一つ一つの構成を観察する。
切断の反対は重合反応→高分子の結合反応、タンパク質は体内でしてくれる。
(例)人間が魚を食べる→消化酵素が分解、人間のタンパク質に合成していく→その固まりが細胞であり、人間。
人間のタンパク質を作るには、人間のDNAがいる。それが設計図という意味。人間を人間たらしめているのは、DNAである。
クローン羊はDNAが一緒、染色体(数種のDNAとタンパク質製)も一緒だから、同じ羊ができる。
現在短いDNAなら人工的に重合させることができる。遺伝病の治療の一部には既に治験または施術されている。
RNAワールド→RNA ワールドとは原始地球上に存在したと仮定されるRNA からなる自己複製系のこと。また、これがかつて存在し、現生生物へと進化したという仮説を RNA ワールド仮説と呼ぶ。これに対し、まずアミノ酸ができ、重合してポリペプチド、さらにタンパク質が作り出され、これが触媒として働いて生命を作り出したという仮説をプロテインワールド仮説という
リボザイム→酵素の働きをするRNA(リボ+エンザイム)
書ききった〜! 開放感!!
ど素人完全に置いてけぼり。何だよワールドってDIOか? URYYYYYY! 許さんぞJOJO! 私の酵素で切断してめちゃくちゃに重合してくれるわぁぁ!……←ストレスの為せるワザ。
おそるべし科学、おそるべし読者、おそるべし恍惚先生。しかしっ! 人間讃歌は「勇気」の讃歌ッ!! 人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!! 恍惚先生とど素人の奇妙な授業は、脳の萎縮とともに、人智を超えた神の領域に踏み込むのだ!
恐れるな人よ! 変なテンションでもこれだけは言える。ご静読ありがとうございました〜!!
二限目駆け足すぎた〜。