でもまぁデブばっかりじゃ人口密度すごそう
天井があけはなたれたスタジアムには、赤い丸マスを中央に、タコの足のように伸び、いくつも繋がり、交じり合うマスが描かれていた。 青に赤、黄と緑といった、鮮やかなものであった。 それを珍しがってか、叫び盛り上がる観客たち。 席の余りを見つけることがバカバカしくなるほどの数である。 彼らの声はスタジアム外にどれほどやかましく轟いていることか。
今日は晴天である。 雨の気配は1つとしてない。
海斗は、怒声にも聞こえる観客たちの声をどこか遠くで聞きながら、向こうの空を見ていた。 参加者はゴリゴリのマッチョや、なんらかの軍隊に入っていることが容易に想像できる者が多かった。 中にはカップルや学生友達のようなペアが見えたが、それでもかなり浮いて見える。 相方を犬のようにリードにつなぎ、目隠しをさせている自分は、いったいどれほど浮いて見えるのか──海斗は絶えず空を見ながら疑問に思った。
みんな、普通に歩いて入場していたのに、まるでSMプレイをするかのように入場をきめこんだ自分らを見て、観客たちが上げていた声の色が若干変わったように聞こえた。 アスモは、その小さな変化をも快感に覚えるのか、ひたすらに息を荒げさせていた。
ドン、ドン、と数発花火があがった。
海斗は意識をスタジアムに戻した。 気づけば、中央のマスに男性が立っていた。 黄色い、派手なスーツを着て、口にマイクをつけ手で空をあおいだ。
「お待たせいたしましたー! ついに、この『総合ゲームスタジアム』が完成いたしました!」
総合ゲームスタジアム?──海斗は片眉をあげた。
「テレビゲームやボードゲームなどの大会を開くために、10を超えるゲーム会社が投資し、完成されたこのスタジアム……! 皆さまも楽しみにされていたことでしょう!
そして第一回目となる大会は、エンジョイボーディング社からプレゼンされた巨大ボードゲームで行われます!」
そんなものが計画されていたのかと、海斗は口をつりあげ「へー」と声を漏らした。 なるほど、そのこれからのゲーム大会を盛り上げ、続けていくために、最初は誰でも参加できるようなボードゲームが選ばれたということか。 それで賞金をチラつかせれば人も集まるだろうと。
そして継がれた男性の説明は、海斗の思ったことからそう遠くない内容だった。 やはり最初は誰でも参加できるゲームが良いと決まったのだという。
男性は説明を終えると、出場者をぐるりと見た。
「今回はいろんなペアが出場を決意してくれたご様子! 優勝する黄満々に見えるガタイがグッドな男性ペアに、カップルに見えるお二人! そしてー……」
海斗とアスモの方を向くと、少し止まった。
「えぇーとですね、ここをどっかのホテルと勘違いしてるのでしょうか。 とてもデンジャラスなカップルが出場しております」
海斗は赤面した。
「勘違いするわきゃねェだろタコが」
小声で言うと、直後、アスモの艶やかな吐息が聞こえてきた。
「ホテルと勘違い……公共の場でSMプレイ……ひ、ひひ」
また海斗は、遠くの空へと意識を向けようとしたが、司会の男が会場スタッフの女に、「それでは一風変わったペアというわけで、今回の意気込みを聞いてみましょう!」と、インタビューするように促した。 女はにこやかに、「どうですか」とマイクを海斗の口元に近づけた。
海斗は眉をひそめ、目をかっぴらいた。
「こんなのホテルでもやりません、勝つための方法です」
男はにこやかに、
「なるほど〜、つまりはやる気満々だということですね! わかりましたありがとうございます」
と、また違う参加者に目をやった。
女が離れ、海斗は表情を少しだけ崩し、細いため息をついた。 おそらく気づいているだろう──自分が誰であるかなんて。 変なペアとして選ばれたようだったが、人間の魔王が参加しているところを見せ、観客たちの熱気を高める為でもあるのだろう。 テレビでも放送されているようだ。 海斗は上空でまわっているヘリのような、されどもやかましくない乗り物を見る。
しかしバルが言っていたことは本当だったのだと痛感させられる。 中央街では、誰が歩いているなんて気にしない。 その誰かがわかったとて、ちょっかいをかけてくる一般人などほぼいない……なんせ、誰も面倒ごとに首突っ込みたいと思ってないですから。 とは、寝る前のバルの言葉だ。 いま、あいつはなにをしているのだろうか。 手をつけずにおいてきてしまった今日の分の仕事の肩代わりとかやってくれているのだろうか。
「他の方々も、やる気あふるる面構えであります! ガタイの良い男性が散見される中、中年の男性や、女の子ペアも……おぉっと中にはあんな珍しいペアもいるぞぉっ!」
男が伸ばす手の先を、海斗は流し目で見た。
「あの一国の姫も参加しているではありませんかぁぁぁっ!」
思わず二度見した。 1度目は、普通の銀髪の女と、赤い短髪の女のペアじゃないかと、一瞬で興味がずれ落ちた。 だがその興味が驚きへと形を変え、頭を弾かせ女2人を見させたのだ。
まごうことなき、バルとシウニーである。 こちらが時計でいえば12時、あちらが3時の位置ゆえに、細かい表情は見えないが。
すると海斗がやられたように、スタッフの女が2人に近づいていった。 「どんな意気込みですか?」との女の言葉に、バカに冷静そうないつものバルの声が会場に響いた。
「えぇーまぁそうですね。 今回100万をとって国の資金に使いたいと思います。 そのためにだいぶマゾな国の騎士を連れてきたので」
海斗はシウニーを初めて可哀想に思った。 マゾなんかではないのにここに連れてこられて……嫌そうな、されども表情には出せず、ぎこちない顔をしている彼女が目に浮かぶようだった。
観客の笑い声が聞こえたところで、男は手で空をあおいで進行した。
「ならばこちらも全力でお応えしなければならないでしょう! いまからルールを説明いたします!」
海斗に女が近づき、両手でつかむくらいのサイコロが手渡されたように、残りのペアにも与えられた。 全ての面を手元で転がしてみても、それは普通のサイコロであった。
男の声が会場にまた響き始めた。
「そしてそれは簡単! すごろくのようにサイコロを振り、出た数分だけマスの上を進んでいってください。 しかし! すごろくとは違う点が1つ! それは……ターンが存在しないと言う点」
海斗は片眉をさげた。
「すごろくは普通、参加者が一回ずつサイコロを振り、一周したらまた最初の人がサイコロを振る……というのが基本的なルールとなっておりますが、これはちがいます。 みなさん目の前のマスをご覧ください」
海斗は目の前にある、青いマスに視線を落とした。 そこには、「ビンタマシンで一回ぶたれる」と書いてある。
司会者が言うにはこうだ。 踏んだマスに書いてある、ドM狂喜乱舞不可避の「イタズラ」呼ばれる苦痛を受ければ、すぐにサイコロを振っても良いのだと。 そしてそのいたずらのキツさは、「青→緑→黄→赤」というマスの色順に上がっていくのだと。 途中分岐点などもあるらしく、なかなかゴールマスにはたどり着けないらしい。 そしてそのイタズラを受けたか否かは、先ほどサイコロを渡してくれた女性が各ペアを監視し、判断してくれるのだという。
「途中棄権はもちろんアリ! これはキツイと思ったらすぐにそばの女性スタッフに申しつけください!」
そして、視界はピストルを上空にあげ、
「それではいいですか?」
という声に参加者も、観客も直後、静まりかえった。 発砲された直後に、静寂の水面からゴボボッと泡が吹き上がってくるように歓声が吹き荒れ、参加者たちは我先にとサイコロを振り始めた。
海斗が振ったサイコロは、3の目を出した。 いくぞ、と言う掛け声に、アスモは変わらず赤面して四足歩行した。
マスの色は緑。 「ビンタマシンで3回打たれる」とのことだった。 しかしマシンなどどこにもないと、海斗はいぶかしんだ。 すると正方形の穴がマス外にひらき、にょいっと、鉄の棒がはえてきた。 扇風機を横にしたように、羽代わりとなる、手袋をした模型の手がついていた。
なるほど、と思った海斗は、マシンの前に座るようアスモにうながした。
「え? ここ、ですか? ここに座っていたら、気持ちいいの飛んでくるんですか?」
「飛んでくる飛んでくる、気持ちいいかは知らないけど飛んでくる飛んでくる」
目隠しをしていた明日もはいまいちよくわからないのだろう。
すると、「ほんとですかぁ〜」と、緩やかに息を吐くが如く吐いた言葉の末尾をちょんぎるように、ビンタマシンはフル一回転してアスモの頬をひっぱたいてみせたのだ。
海斗はぎょっとした。 アスモの髪が、強風に散る桜の花びらのように舞ったから。 しばらく明日もは黙った。 大丈夫なのか、やはりドMでも厳しい痛みだったのではないかと心配した。
「よ……良いですねぇ〜これはぁ〜♡」
が、その心配はいらなかった。 彼女の頬は、ぶたれて腫れたせいなのか、興奮したせいなのかわからないが、紅くなっていた。
海斗は眉をひそめながら、口元をゆるませていた。
いける……これならば、いける。 M、だなんて特性を持たぬこちらからすれば引くほどの痛みを孕んだ音が炸裂していたが、それすらも気持ちいいと言う。 周りをちらとみてみると、屈強な男が小さく悲鳴をあげていた。 そのくらいの痛みなのに、アスモは喜んでいる。
監視する女の「OK」のサインに、海斗はサイコロを振った。 4だった。
進んでみると、黄色のマスに、「スマッシュマシンに、一回みぞおちをパンチされる」と書いてあった。
2つ目のマスにして、海斗はとまどった。 これを女の子にやらせていいのかと。
しかしアスモはやる気満々のようで、「お次はなんですか」と吐息交じりで聞いてくる。 伝える口が、一瞬躊躇した。
「そうなんですかぁ♡ はやく私をそこに導いてくださいまし♡」
伸ばしてきた手を、海斗は頬に汗を一粒たらしてとり、マシンの前に座らせた。 そしてそのマシンの威力といったらエゲツない。 一瞬で消え去る息を飲む悲鳴とともに、アスモは小さく飛び崩れたのだ。
海斗は駆け寄り、「大丈夫か!?」と彼女の頬に手をそえた。 細くあけられた口からは、すきま風のような息がもれていた。 その途切れ途切れに、言葉が紡がれた。
「きもひ……ひひ、です……♡ 暗闇の、視界の、先から突然、くる、みぞおちへの、痛み……これは……たまらなひっ……♡」
かわりないようだった。 あれだけの打撃をくらい、なおも彼女は彼女らしさを損なっていないようであった。 海斗の胸中に、勝利、という言葉がくっきりと浮かび上がる。
しかし素直に喜べないのも事実である。 女性を無慈悲に「使って」いるという観客からの視線、そうかもしれないという心境……その他、表現できぬ感情がそびえたつ。 それを越えようとは思えなかった。
次のサイコロを振る。 3、と出た先のマスには、青で、「4つマスを進める」と書いてあり、海斗の笑顔が咲いた。 こんなマスもあるのだと、これで他のペアよりも頭一つ抜きんでることができると。
しかし4つ先のマスが赤色で、ビンタマシン10回と書いてあって、呆然とした。
「あ、安心させてこれかよ……」
ちょうどその頃、3の目を出したバルは、青の、ビンタマシンに一回ぶたれるマスに足を止めていた。
「ちょっ、姫、これまじで痛いんです! もう少し待ってください! インターバルをください! そうじゃないと私壊れちゃう!」
バルは涙を浮かべるシウニーの背中にまわっていた。 ぎゅうぎゅうと押してくるバルに、シウニーは叫びあげる。 彼女らは姫とその護衛をつとめる騎士という関係だ。 本来ならば「お前がいけや」との乱暴な物言いの1つや2つ言い放ちたいところではあるが、そうもいくまい。 なんたってシウニーはいついかなるときでも姫を守る存在なのだから。 半ば強制的に「参加しますよ」と言われても、断る立場ではないわけである。
そのあともマシンに押し付けられるようにされ、マシンは反応し、一回転した。 猛烈である。 シウニーは自分の首だけ飛んで行ったかのような感覚に襲われた。
泣き出してしまいそうであった。 帰ってしまおうかとなんども思った。 しかしそのあいだにも、バルはサイコロを振った。 次のマスは黄色で、ビンタマシン5回なのだという。 シウニーは心で泣いた。
「さぁ、どうぞ」
バルは無表情に言った。 これはもうイタズラというか拷問であると、強く思った。
「ま……待って……本当に姫、待って……まじで痛いんです……ほんとに──」
「そうですか」
激痛でも頬張っているのか、だからこの頬は若干痛みで腫れ、膨らんでいるのかと感じた。 しかし姫の頬にビンタを味わってもらうことはできぬ、と、決心の時間を要求した。 が、その直後、シウニーはあっけにとられることとなる。
なんとバルがマシンの前に正座し、顔を差しだしてみせた。 そして往復ビンタをくらったのだ。
シウニーは、バルの髪が縦横無尽に舞うのがスローモーションに見えた。
「ひ、姫っ……!」
駆け寄ろうとすると、「別に構うな」と言わんばかりに軽く手をあげ、立ちあがった。 そのあと、サイコロを振るバルの背中をただ見つめるだけとなっていた。
「また3ですって。 行きましょう」
「なんで、姫……」
歩き出そうとしたバルは立ち止まり、振り返った。
「別にシウニー、あなた1人に全てまかせますだなんて……言った覚えはありませんよ」
その頬は赤くそまっていた。 しかし表情は普段のそれから崩れておらず、振り向き治って進んでいった。
シウニーは自分の頬を軽くなでた。 自分がすべての痛みを背負わなければならぬとばかり感じていた彼女は、少しだけ、その苦しさが背中を伝い落ちていくのを感じた。 がんばろう、そう思えた瞬間でもあった。
そして次のマスは黄色く、みぞおちパンチ一回だった。
「さぁ、どうぞ」
シウニーは腹痛を抱いた。
海斗アスモペアは、分岐点とにらめっこしていた。 なんてたって、左に進めば別に普通なのだが、右になってしまえば明らかにマスの数が増え、黄や赤などのデンジャラスゾーンも増量している道を歩かなければならないようになるのだ。 そんな道はごめんこうむる。 イタズラを受けるのはアスモだからといって、連続でデンジャラスイタズラを受けさせるほどのS思考は持ちあわせていない。
左へは奇数面、右へは偶数面がでれば進むことになると、矢印看板の下半身に書いてある。
「……どちらに出ても、大丈夫ですよ……?」
「そうは言ってもよ……」
「私ならば耐えられますし……」
「そうは言ってもよ……」
「私の願いは右一択ですが♡」
「お前誰がみぞおちに10回パンチくらわせられるか弱い女が見たいんだよ。 ここは割と健全な小説サイトなんだよ」
勝つためにはアスモのやる気を起こさせるのが一番であろう。 そのためには、自分から見ればイバラの道に見える花道を通らせるべきなのだろう。 少なくともこんなところで止まっていてはいけないはずだ。 しかし、良心の呵責というのか、ドMには与えてはいけぬ同情の色が、心の隅で沸騰していた。
するとそんな中、ある2人の男ペアもこの分岐点にさしかかってきた。 小さく会釈をした海斗に、2人も小さく頭を下げた。
1人は白髪で、片方は黒髪であった。 なんだか海斗は、それに既視感を感じた。 しかしどちらもサングラスとマスクを、まるで防具のように装着しているため、話しかけにくかった。
でもやっぱり不審に思った。 分岐別のマスの確認や、サイコロを振るか振るまいかなど、言葉を交えて相談すればいいのにジェスチャーのみで意思表示をしているのだ。 しかも、白髪のほうの服には、乳白色の下地に、赤い甲骨文字のような模様がきざまれているし。
「お前サライだろ」
2人のジェスチャーが一瞬ばかり止まった。 また始められたジェスチャーが、なんだか噛み合ってないような、数が慌ただしいほどに増えている気がする。 明らか焦っている。
「お前トリタカだろ。 久しぶりだな、なんで参加してんの?」
そう言っても、まったく反応がない。 なぜだろうと海斗は思いつつも、もう一度サライの名を呼んだ。 するとなんということか、名を言い切るすんでで、とリタカとみられる男が海斗の口を鷲掴みふさいでみせた。
なんだと目をふくらませた海斗に、サングラスをずらして視線を返した。 とても鋭く、猛禽類に餌として見られているようだった。
「名前を呼ぶんじゃねェよ。 こっちはお忍びで来てんだタコ」
顔が近寄って、そんなことを言われた。
海斗は片眉をおろした。
2人がサライとトリタカであることには間違いなかった。 されどトリタカが言うには、ここにはお忍びで来ているとのことで、あまり国の頂点の参加を知って欲しくはないのである。 参加理由としては、国の資金集めだということだ。 かの戦いでこうむった損害を少しでも早く取り返すためなのだという。
なるほど、と海斗は両眉をあげ、トリタカの手をはらった。
「でもウチのダメインヒロイン、姫だけどなんの変装もしてないんだけど」
「それはほんとに頭おかしいと思う」
2人がバルの方へと目をやると、サライが口をあけた。
「でさ、海斗はなんで参加したの?」
海斗はサッとサライを見た。 確かに、というトリタカの視線を頬に感じながら。
なんと言おうか。 彼らの場合は国の資金集めのためである。 とても立派な動機だ。 集め方は笑われるかもしれないが、一国の王にしては持って余るほどの行動力を有しているのは間違いない。
自分の動機はお小遣い稼ぎのためである。 集め方もバカだし動機もバカである。 持つべき知能が一国の王にしてはあまりにも少なすぎである。 しかも「頭おかしい」と評されたバルでさえも動機は資金集めだと言っているのに、こんな参加理由が言えようか。
「俺も、国の資金集めのためだよ」
バルと同じにしとけと、脳みそは判決を下した。 海斗は、できるだけ表情を崩さないように発言した。
そしてそれは功を成したようで、「あぁ〜そっかぁ。 みんな大変なんだね〜」とサライは笑んだ。
「でもこっちは負ける気ないからね」
競う者が現れたら、こんなに変な大会でも先へ進みたいと思うものなのか──海斗は口元をゆるませた。
「俺らだって」
こっちはお小遣い稼ぎ、あちらは国の資金集め。 自分はとても悪いことをしているのではないかと、不安に思う気持ちが心のすみにあった。 しかしサライの言葉はそれを消した。 こちらの真の理由を知らないにしても、なんだか対等な立場に立てた気がしたのだ。
続いているマスに目を向ける。 この2人とはほぼ同時に進んでいくことになるのだろう。 分岐点はあれど大きく外れる道はない。
そして海斗とサライはサイコロを振った。 どちらのサイコロも、彼らのやる気に応えるように、偶数の目を出してみせた。
3人の男と1人の女の、悲鳴と歓声があわさった雄叫びが会場にめいっぱい広がった。




