YESマン
YESマンは何処にでもいて、皆を見守っているのだ
「はぁ・・・どうしよう・・・」
僕、川越太郎は悩んでいた
独り暮らしを初めて一年、僕はその一年の間に家族という物の大切さを知った
僕は上京し独り暮らしをするまで家族の必要性がよくわかっていなかった
「母親なんて飯作って洗濯するだけだろ!疲れた疲れたいってんじゃねーよ!」
「あんたね太郎、家事ってあんたが思ってる程楽じゃないのよ
そんなんじゃ独り暮らししてから大変だよ?」
今思えば僕は何て恵まれていたのだろう
家事をしてくれる人、帰りを迎えてくれる人・・・
母親は元気にしているだろうか・・・
今僕は金を使いきりアパートの自室で途方にくれている
「困ったな・・・300円しかねぇよ・・・これじゃ2日ももたねぇ・・・」
上京して職につき、アパートも借りていたが、金を使いきってしまったのだ
「これじゃ今月の家賃はらえねぇよ・・・
PS21なんて買わなきゃよかった!
後先考えない僕のバカ!バカ!
「YESYESYESYES!」
その時、天井から何かが降ってきた
「な、なんだぁ!?」
「YESYES!」
身長二メートルはあるだろうか
タイツを頭に被ったナイスな体つきをしたマッチョメンは華麗に着地し、僕に向かってサムズアップを決めた
「YES!」
「ご、強盗!?変態!?
変態!?
け、警察!警察!」
マッチョメンはケータイで電話をかけようとした僕の手を握った
「YES!YESYES!」
「うわあああぁあ!何だよYESって!
この変態がぁ!
不法侵入だぞ!ぷらいべーとだぞぉ!」
僕は空いた手でその鋼の様な肉体を殴るが、ビクともしない
「YESYES!」
「・・・YES?」
何だろう、この気持ちは
僕が今まで悩んでいた事ってとてもちっぽけじゃないか!
「YESYES!YEーーーS!」
「い、YEーーーS!」
「YESYESYES!」
「YESYESYES!」
するとそのマッチョメンは頷き、畳をすり抜けて消えた
「ありがとう変態!僕が悩んでいた事なんて世界に比べればとても小さな事なんだ!」
YES!と言っている気がした
ありがとうYESマン!勇気をありがとうYESマン!
「YESYESYES!」