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調べ物をするときはインターネットより本でしょ

儀式を終えた俺は国王の部屋へと呼ばれた。

豪華なイスに座った国王は俺とリルルを見て言った。

「ふむ・・。リルルよ、これから優馬とともに過ごすのだ。」

『えぇぇ!?』

「はぁぁ!?」

国王の衝撃発言に俺とリルルは驚きの声を上げ、お互いに顔を見合わせる。

そりゃまぁリルルとひとつ屋根の下とか最高だよ。うんうん。

さすが国王だな。

『お、お待ちください国王様!なぜ私がこのような変態男と共に過ごさねばならないのですか!?国王様の命令といえど聞き捨てなりません!』

「そこまで言わなくてもよぉ・・。リ、リルル・・そんなに俺と過ごすのが嫌なのかよ・・さすがのおれでも傷つくぞ。」

『うるさいっ!嫌なものは嫌なのよ!』

そんな俺とリルルのやり取りを見ていた国王は笑い始めた。

「はっはっは! ・・あぁこんなに愉快な者たちをみたのは初めてじゃ。最近は自国が崩壊する夢を見ながら浅い眠りについていたからな・・。」

そして少し悲しげにほほ笑む王。

じいさんにも悩みがあったんだな・・。

リルルは下を向いている。

その表情から何を考えているのか分からないが・・・。

『いいわ。国王様の命令でもあるし、仕方ないからあんたと一緒に過ごしてあげるわよ。』

「っえ・・・? 今なんて?」

呆気にとられた俺の耳をリルルが引っ張った。

『は、はぁっ!?2回もいうわけないじゃない!しっかり聞いてなさいよね!』

「うぐぁ!リルル痛い痛い!!」

・・・とまぁ半ば強引に? リルルと俺は行動を共にすることになった。

まずは街の地形を覚えるため、書物庫へと向かう俺とリルルであった。


書物庫は城の3階にあるらしい。

長い階段を上っていく。

魔法を使って調べることもできたのだが城の中の散策にもなるため、わざわざ書物庫へといくのだ。

「なぁリルル。」

俺の前を歩くリルルに声をかける。

『なに?』

「ずっと思ってたんだけどさ、異次元パラレルワールド現実アースランドの間に時差とかってあるのか?」

時差、これはアニメによくあるパターンで異次元で過ごした一日は現実でいう1時間とかそういうのだ。

リルルは振り返ることなく答える。

『ないわよ。』

「え・・ないの?」

『ええ、こっちで過ごした1時間もあっちで過ごした1時間も変わりは無いわ。そのままよ、わかりやすくていいでしょ?』

「まぁそうだけどさぁ・・。」

なんか複雑になった俺でした。



「ふむ・・これか?」

俺は「バラディック王国のすべて」と書かれた本を手に取った。

王宮の3階にあった書物庫はめちゃくちゃ広かった。

そして古い。

置かれている本のほとんどにほこりがかぶっている。

リルルと手分けして10分ほど探していたところそれらしいものを見つけたのだ。

ペラペラと本をめくると国の見取り図が描かれたページが出てきた。

「おぉ!リルルー、あったぞ~!」

リルルははしごを使い、高い本棚を見ていたが俺の声に気付くと降りてきた。

「あ、落ちないように気をつけろよ?」

『わ・・わかってるわよ!』

俺が忠告を入れると不機嫌そうにリルルはそっぽを向いた。

わかってると言っていたがはしごにかけているその足は震えている。

「おい・・本当に大丈夫か?」

心配になって声をかける。

『最近使ってないから慣れて無いだけよ・・こんなもの・・!!?きゃぁぁ!!』

ついにリルルを支えていた古いはしごの足は崩れて倒れた。

「リ、リルルっ!!!」

無我夢中で俺は走り出した。

決して早くはないが・・せめて落下する前に着いていてくれ・・!!


ちょうどリルルが落ちたのは10メートルほどの高さがあるはしごからだ。

「っ・・くそ・・!!このままじゃ・・」

間に合わない!!

と思った俺は一かばちかで飛び込んだ。

「おおおおお!!!!」

ズシャーーッ

俺の体が床を滑る音がする。

摩擦で肌が擦れて痛いがそんなことはきにならなかった。

リルルとの距離・・30メートル・・20メートル・・10・・5・・0!!!

落下と同時に俺はリルルの下敷きになる。

ガシャン!!

と金属音がしてはしごが完全に倒れた。

「くぅっ・・。」

『つぅ・・・。』

そのまま二人は時間にして10秒ほど停止した。

「っだ、大丈夫か・・?」

もぞもぞと体を起こすとリルルも起きあがった。

『な、なんとかね・・。』

そして俺の思考はショートした。

目の前にはいつもの強気なリルルが少しおびえた表情をしている。

そして今の体制は床ド・・

『なっ、な・・!!早くどきなさいよぉぉぉ!!!』

ばちこんっ!

「ぐはぁっ!!」

俺がスケベだったからだろうか、それとも危険を察知したリルルの自己防衛本能が働いたのか。

どっちにしろ俺はリルルのビンタによって吹き飛ばされた。

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