表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

レッツゴー異次元

「あぁぁぁ~・・。」

俺は教室の自分の席につき、大きなため息をついた。

あの後結局2時間遅れで学校に行ったのだ。

今は3限目の数学が始まったところ。

遅れた言い訳は病院行ってたって嘘をついた。

罪悪感があるが・・まぁ仕方ない、いきなり少女がやってきて勇者になったなんて言えないし・・。

そんな俺の事情も知らないリルルはくるくると教室を見まわして言う。

『へぇ~・・ここが学校なのね。異世界パラレルワールドの学校と全然違う・・。』

ここでおさらいだが、異次元からやってきた者の姿は勇者以外の人間には見えない。

そのため、水色の髪の美少女が教室にいてもみんないつも通りだ。

「学校・・あったのか? そっちの世界でも。」

俺はなるべく小声で言う。

周りには独り言に聞こえるからな・・。

『まぁね。こう見えても私、魔導学校のエリート生徒だったんだから!』

数学の授業なんかそっちのけで俺はリルルから異世界パラレルワールドの話を聞いていた。

あちらの世界でも小学校までは現実世界アースランドと同じようにあるのだが、異次元パラレルワールドには”職業選択の自由”がないという。

王国崩壊の予言により軍事化は一層高まったので戦闘能力の高い者は男女問わず強制的に軍隊に入れられる・・。リルルもその中の一人らしい。

「そっか・・魔導学校って何について学ぶとこなんだ?」

『まずは剣術を習うわ。』

リルルは腰の刀に手を添える。

「へぇ、剣術は得意なの?」

『ふふんっ、私の剣術は語るより実際に見た方が早いわ!』

得意げに鼻を鳴らすリルル。

まぁ二番隊隊長だって言うしな、きっと凄腕の持ち主なんだろう。

スーッと音がして・・リルルは刀を抜いた。

その刃は綺麗な銀色で家にある包丁なんかと比べ物にならない。

「おぉ~・・。」

初めて見るマジもんの刀に俺は無意識に感嘆の声を上げていた。

『綺麗でしょ?私のこの刀は王国一番の鍛冶屋が鍛えた最高級品よ♪』

自慢の刀を披露してリルルはご機嫌なようだ。

・・俺と最初に会った時とは正反対だよ。


プルルルルーッ・・プルルルルーッ。

突然リルルの方から着信音が聞こえた。

リルルはポケットに手を入れて・・出てきたのは・・。

『はいもしもし、こちらリルルです。』

ほ、ほんとに携帯電話だったのかいぃぃぃぃ!!

『はい、あぁ・・こちらで確保は完了しましたが? ・・はい、わかりました。 では。』

ピッ

異次元でもケータイはあるのな・・。

しかもばっちりスマホじゃん((苦笑

刀を納め、リルルは言う。

『よし優馬、異次元に行くわよ。』

「え、えぇ!?」

俺は思わず立ち上がった。

っていうか今、初めて名前で呼ばれたんだけど!!

先生とクラスメイトの目がこちらに向く。

『異論わ認めないわ。国王の命令は絶対・・。』

リルルは俺の手をつかむ、そして窓へと歩く。

「あっ、おい!?」

先生の俺を呼ぶ声は聞こえるようで聞こえない。

まてよまてまて、リルルさんよぉ・・。

ここは3階ーッ・・!!?

その瞬間俺の体はフワっと浮いた。

なんともいえない浮遊感に襲われる。

「あ・・・ああああああァァァァーッ!!!」

そして下へと急降下。

リルルは目をつむり、何かを唱え始めた。

『光と闇を繋ぐ刻の扉よ・・汝、我の呼び声に答えん!!』

そしたら・・・俺とリルルの姿は光の中に吸い込まれていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ