少女との出会い
あぁ・・眠い。
今、俺は非常に眠い。
なんでかって?
ははっ、昨日も働いてたからだよ。 ・・・インターネットの中で。
俺はそこらのデブいだけのオタクとは違い中肉中背の高校二年生だ。
ゲーム、アニメ、マンガその他諸々はもちろん大好きだがちゃんと学校に行ってはいるから引きこもりではない。
しかし学力、スポーツ、容姿共に平凡すぎるため彼女いない歴=年齢である。
まぁ将来はそのへんの会社にてきとーに入って趣味に没頭したいと思ってるかな。
俺は半分寝ている頭で考える。
ほんの3時間前までやってたRPGの主人公のようなカッコいい勇者様になれたらなぁ・・。と
正常な頭だったら『いやいや、さすがに現実と2次元の区別くらいできるわ!』
って振り払うんだろうけど、今の俺の頭にはそれがずっと離れなかった。
例えばそこの曲がり角からね、異国から来た超絶可愛い女の子が出てくるとかね? しかも俺の学校に転校して・・
「うおっ!? 危ないじゃねぇか! どこ見て歩いてんだクソガキ!」
・・・出てきたのは良い年したハゲオヤジ。
危ないのはあなたの頭ですよクソジジイ。俺の妄想をぶっ壊すんじゃねぇよ。
それかね、学校の保険医が綺麗なお姉さんとかね?
・・あぁダメだ。そんなものは男子生徒が創り上げた儚い夢でうちの学校のはベテランのおばちゃんだよ。
じゃあこんなのは?
空からね、2次元から出てきた女の子が落ちてく・・。
ピチャッ
俺の頭に落ちたのは・・鳥の糞・・かよ・・。
ここで俺の脳内は爆発したように熱くなった。
「ふざけるなよ・・?なんでこんなに・・俺の現実はつまんねぇんだぁぁぁ!?」
気付いたら俺は路上の真ん中で叫んでいた。
傍からみたら痛い少年だろうな。
誰も歩いていなかったのがせめてもの救いだ。
「はぁ・・はぁ・・。」
久しぶりにこんなに声をあげたな・・。
高一の冬に宝物にしていたミルミルミルモちゃんの限定版フィギュアを兄貴に壊されたとき以来だと思う。
叫んだところで何も変わらない。
寂しい現実だと俺は地面に膝をついた。
もう悲しくて泣きそうだわ俺。
その時だった。
失望する俺の前の景色が歪んだ。
ぐにゃりと絵具の色が混ざり合うようにゆっくりとそれは広がっていく。
「う、うわぁ!? な・・なんなんだよ・・。」
ついに俺の頭もキャパオーバーになっておかしくなったのかと思った。
その波紋はちょうど人が一人通れるくらいの大きさになるとまばゆい白い光を放った。
「っ・・!!?」
もっていた鞄を顔を前に持っていき目を閉じる。
そして声が聞こえた。
それは女性の声・・!?
『きゃぁぁぁーっ!!ちょっ!どいてどいてぇ~!!』
えっ・・何・・?
俺が鞄を下げて目の前を見るとそこにはどこから現れたのか・・水色の長い髪をした女が居た。
あれ・・これって現実?