私ノ名前
はじめまして、かのやまです。
更新スピードは激しく遅いですが、頑張りたいと思っておりますので宜しくお願いします。
私の名前はちょっと可笑しいと思う。何が可笑しいのかって言えば…名字と名前のバランスが変、というか全体的に変。
『藍染 雪白』藍色なのか白いのかはっきりして貰いたいというのが本心。
「雪白、雪白!ちょっと聞きなさいよっ‼︎」
ヤバい。ぼーっとし過ぎたみたいだ。
「何ですか、智恵子さん」
話しかけてきたのは茶髪を肩で切り揃えた髪型が妙に似合いすぎて『ちび○子ちゃん』なんてあだ名がついた私の母。血は繋がってないけど。
「うふふ!和正さんに怒られちゃうから、一応お前にも教えておいてあげるわ」
「簡潔にお願いします」
「簡単になんて言えないわ。ステキな事だもの」
あ、これ話読めたわ。
これで本格的に私の居場所がこの家から無くなるワケだ。前々から予測出来てたことだから別にどーでもいいけどさ。
「なんと…あたしのお腹の中に赤ちゃん出来たの!」
「そうですか、おめでとうございます」
当たった。
「喜ばないの?和正さんには申し訳ないけれど、やっぱりお前はそこらへん失敗作なのね」
…本当くだらない。
彼女は私に夕飯の準備を言いつけるとエステサロンへと出かけて行った。
私を産んだ母が死んだのが6年前、私が11歳だったとき。
和正さん、こと父が再婚したのが4年前。
ある日いきなり父が連れてきた女性は、私をみるなり顔を顰めて舌打ちしていた。その時に智恵子さんが私を嫌っているのを知って……悲しくは無かったけれど、私の中で何かが急速で冷めていった。
どうやら冷めていったのは、本来冷めてはいけないものだったらしい。父の幸せを願って再婚を受け入れたけど新たな母はカラカラに乾いた私が気に入らなかった。
ー正直、どうでもいいんだけど。
でもこうもなってくると実母はこうなる事を予測してたんじゃないかと思う。どうやら私の名前は『白雪姫』からとったらしい。ーそれで今のこの状況、ドンピシャってやつじゃない。
まぁ、こんな感じで私はこの名前が好きではない。