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僕のネトゲ体験物語  作者: しふぉんけーき
7/11

決闘当日

当日の朝は普段通りの時間に起きた。思いのほか緊張していないみたいである。朝食を済ませた後、約束の時間まで何をするか考える。昨日ゲームを終わりにする前に、zeroから明日は19時までにはログインするように言われていた。決闘2時間前だ。作戦会議があるらしい。作戦の説明を今日までしなかったのは、みんなに準備に集中してほしかったからだそうだ。しっかりしたリーダーである。 僕は約束の時間までゲームにインするつもりはない。昨日、一日中プレイしていたせいで暫くはネトゲから離れたかった。なので、勉強をすることにした。学生たるもの勉強をするべきだ。まあ、宿題だけどね。

宿題を終わらせ、昼食を食べた後は散歩をしようと思ったのだが、雨が降り始めたのでパソコンでアニメを観ることにした。可愛らしい女の子達が歌って、踊っている。とても癒されている自分がそこにはいた。最近はアニメのキャラクターにときめくようになってきていた。これは恋なのだろうか。その疑問に答えることはまだできない。もっとアニメを観ようと思った。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、早くも19時になってしまった。少しだけドキドキしてくる。緊張からか楽しみからか。たぶん緊張してるのだろう。ログインをし、昨日別れた場所へ行く。現地にはすでにみんな揃っていた。

「みんな早いね。たわしも早いな。」

時間通りなので別に遅れた訳ではないが、もう少し早く来ても良かったかなと思う。ちなみに、昨日の事件から僕は人帝をたわしと呼んでいる。

「じゃあ、全員揃ったし作戦を伝えるから。」

zeroがそう言った後、僕たちは30分ほど作戦内容を聞かされた。その途中でシエールとSIRIASUにはzeroからアイテムが配布された。戦闘での重要アイテムだそうだ。作戦終了後はすることもないのでチャットで話をしているだけだったが、僕は緊張で落ち着かなかった。たぶん、他のみんなもそうだろう。正直、作戦もうまくいくか不安だ。ちなみに今の5人のレベルは20で、装備も20Lv装備を揃えることができた。20Lv装備といっても種類は豊富だが、その中でもできるだけ良い装備を揃えた。

20時45分にはエリアから〈闘技場〉を選んでワープした。広大なドーム状のフィールドで、エリアA~Zまでに分かれている。決闘の様子は決闘掲示板を通して誰でも閲覧が可能だ。掲示板はゲームのいたるところに設置されており、閲覧したいエリアを選択することによってその戦闘を観戦することができる。また、決闘専用のチャットもあり、これは闘技場で決闘をしているプレイヤー同士のチャットとなる。よって、観戦をしているプレイヤーは発言することはできないが、戦闘と一緒に会話も閲覧することは可能だ。

〈闘技場〉にはすでに相手が到着していた。僕たちはエリアAで戦闘をすることとなっているので、そこに入る。ここからは決闘専用チャットでの会話となる。リーダーのzeroが礼儀として挨拶をする。

「ああああああああああああ…………………あああ!!!!!」

早速荒らしてしまった。挨拶は元気な声でこんばんはだよ!小学校で習わなかったのか。僕の秘策である命乞いは消え失せた気がした。すると、この様子を閲覧しているであろうプレイヤー達からも全体チャットを通して声が挙がる。もちろん迷惑行為対策ギルドを応援する声やこちら側を批判するものだ。チャットは物凄いスピードで流れていく。いったいどのくらいのプレイヤーが今日の決闘を観戦しに来ているのだろうか。思考を切り替え、画面を見つめ直す。敵は3人。職業はマジシャンとファイター、そしてプリーストだ。これはこちら側の職業に合わせてくれたらしい。さっきの作戦会議でzeroに教えてもらった。しかし、レベルは想像していたのよりもいくらか高い。

まず、[白椿] 相手PTのリーダーでありLv50のマジシャン。ただ、全身が白のネコアバターなのでなんだか可愛らしい。

次に、[strength] Lv45のファイター。見た目は屈強な戦士で大きな斧を持っている。あの斧が彼の武器だろう。

最後に、[cute] Lv45のプリースト。特に目につく武器は無いが、白を基調としている青いラインのはいったローブをまとっている。

「では、戦闘の準備をしましょう。」

白椿さん。zeroの荒らしは無視ですか。

「分かった。」

さすがにzeroも余計なことはもうしない。時刻はすでに20時59分となっている。お互いにフィールドに向かい合う形になる。戦闘では画面が切り替わるのでこの動作は無意味だが、雰囲気だ。

「準備はいいか?」

zeroが確認をとる。きっと白椿さんから戦闘の申請があったのだろう。それを許可すれば戦闘が始まる。みんなも大丈夫と言う。(ちなみに、決闘はプレイヤー同士なので勝敗に時間がかかる場合もある。それを考慮して[時間選択]という機能がある。戦闘時間をあらかじめ5分間/10分間/15分間と設定でき、設定時間を過ぎても決着がつかない場合は引き分けとなる。今回は最長の15分を相手が指定してきた。)時刻が21:00に代わるのを静かに待つ。そして約束の時は来た。全体チャットでの歓声が一斉に挙がる。その瞬間、画面が戦闘画面へと変わった。画面右側には僕たち5人。向かって左側に白椿さん達がいる。戦闘が始まると、設定した時間が画面中心の一番上に表示される。15:00からのスタートだ。勝敗はあれが00:00になる前につくだろう。その時フィールドに立っているのがこちら側であることを祈りながら、僕達は戦闘を開始した。

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