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月絵先輩にプールに誘われた。


「日曜日、一条の持ってる屋外プールに行くのよ。朝比奈さんとユキも来ない?」

「自家用屋外プールですか?ゴージャスですね。」

「離れのテラスの一角にあるこじんまりしたプールらしいけど。」


こじんまり?本当にこじんまりか?誕生日プレゼントと言えば10万オーバーが最低ラインな一条先輩のこじんまりは信用できないな。


「一条先輩の『こじんまり』って信用ならないですね。」

「そうよね。」

「でも一条先輩、月絵先輩と二人っきりでプールで過ごしたかったんじゃないですか?」


雪夜君が一条先輩は月絵先輩に気があるような事言ってたし。自分の好きな人と二人っきりでプールに入りたいものなんじゃなかろうか。私も出来れば雪夜君と二人っきりになりたかったし?一昨日のプールの事を思い出して憂鬱になった。雅さんとあゆみさんに雪夜君独占されてたんだよなあ。


「私は付き合ってもいない男と二人っきりでプールはちょっと…レジャープールなら良いけど、自宅でしょ?身の危険を感じるというかなんというか。そこで朝比奈さんとユキを誘ってみたんだけど。ユキなら万が一の場合は一条なんてぶちのめせると思うし。」

「桃花ちゃんは?」

「『なんでそんなダブルデートの場所に一人で乗り込まなきゃいけないの?それってイジメ?』って言ってたわ。」


あらら。雨竜先輩と一緒に行けばいいのに。


「一条先輩と雪夜君が良いって言ったら私も行きますよ。」

「勿論いいって言うわよ。じゃあ決まりね。日曜、10時に迎えの車が朝比奈さんの自宅に行くからそれに乗って。」

「はい。分かりました。手土産とかどうしましょう?」

「何やっても『うちは○○ブランドの物を使っている』とかほざくからいらないわよ。」

「あはは…」


ふふふ~ん♪雪夜君とプール!!しかも今度は雅さんとあゆみさん抜きで。金の力は偉大なり!同伴者が月絵先輩と一条先輩なら楽しめそう!

私は浮かれて妹にその話をした。そしたら「私が今年2着買った水着の、着てない方の1着譲ってあげようか?結構可愛いよ。私は1着持ってるし来年は新作買うし。雪夜君も違う水着着てったら『お?』と思うんじゃない?多分お姉ちゃんにも似合うよ。」と言ってくれたので有り難く頂くことにした。もちろんお金は払った。ちょっと多めに払ったら妹は気を良くしたらしく、「当日のヘアメイクは任せて!」と言ってきた。こんな短い髪でもヘアメイクとかできるの?妹は自信ありげだった。



当日妹は私の髪をカチューシャ風編み込みにしてサイドにこぼれた髪や後ろの髪をくるくる鏝で巻いた。なんだかいつもよりちょっと柔らかい印象でこれも良いかもと思った。一条家にお邪魔するという事でちょっと上品なオフホワイトと紺のバイカラープリーツワンピを着た。荷物を用意して9時55分に家の前に出る。9時58分になると家の前に車が止まった。ここいらではちょっと見ない高級車だ。中から壮年の男性が下りてきた。


「朝比奈結衣様でございますか?」

「はい。」

「誠様の命により、お迎えにあがりました、斎藤と申します。お支度がお済みでしたらすぐに出発できますが…」

「はい。準備できてます。」


斎藤さんは後部座席の扉を開けてくれた。

私はふかふかの後部座席に掛けた。

一条先輩のお宅は高級住宅地に存在する。高級車が5台入る車庫に、広い庭と大きな母屋。やや小規模な離れからなるお宅だ。そこかしこにふんだんに緑と水が使われている。車は止まり、私はお手伝いさんの新井さんと言う中年のおばさんについて行った。ガチメイドか。離れに案内される。

月絵先輩と雪夜君はもう来ていた。


「結衣、髪型変わってる。すごい可愛い。」

「ホントだわ。朝比奈さん素敵よー。」


二人に褒められる。


「有難うございます。自分じゃこんな事出来なくって…妹の作品です。」

「へー…カワイイ…」

「ユキ、鼻の下のびすぎ!これから水着姿になったらどれくらい伸びるんだか。」

「水着姿はこの前じっくり堪能したよ。」


今日は違う水着持ってきてるんだけどね。


「ああ、揃ったか。朝比奈、久しぶりだな。今日は少しイメージが違うんだな?」


一条先輩だった。まあ、今日は髪型変えてるし眼鏡じゃないからね。


「お久しぶりです、一条先輩。一条先輩、約束が違うじゃないですか。」

「何がだ?」

「ト・モ・ダ・チになるんじゃなかったんですか?」

「ま、まあそれはだな、いろいろ事情があってだな…」

「何の話?」


月絵先輩が怪訝な顔をする。


「い、いや、何でもないぞ。さあ更衣室で着替えてくれ。貴重品はロッカーの中に入れておけ、此処には誰も盗るような者はいないがな。」


一条先輩が慌ててごまかした。

更衣室は男女に分かれていた。

今回私が妹から譲ってもらった水着はミントグリーンに小さいピンクのローズ柄が沢山入っている水着だ。胸はティアードフリルの三角ビキニ。腰の両サイドに細い蝶々結びが付いている。何となく全体の紐が細くてバストを覆う部分も露出が多い。ポロリしそうでちょっと怖いなー…月絵先輩を見ると胸元にフリンジのついた黒のビキニだった。腰のサイドが紐で超セクシー!あっぶねー!前回着た水着着て来てたら絶世の美女月絵先輩と被るところだった。月絵先輩ナイスバディ。ボンキュッボン。流石桃花ちゃんのお姉さん。


「ふふっ。やっぱり朝比奈さんの水着姿可愛いわ。」

「月絵先輩こそ色っぽいです。」

「ありがと。でもここでこれを…」


月絵先輩はデニムのショートパンツを履いてしまった。


「ええっ!なんでですか!?」

「まだ全部見せる気はないってことよ。」


月絵先輩ガード固い…やっぱイイ女はそれくらいガード固いもんなのかな。月絵先輩は髪を三つ編みにして頭の上でお団子にした。



更衣室の前で男性陣と合流した。


「結衣、水着が変わってる…」


雪夜君が呟いた。


「変かな?妹から買ったんだけど。」

「凄くカワイイ…前のも可愛かったけど。可愛いのに、清楚なのに…色っぽい…」


やった!好評!雪夜君から色っぽいって言われた!雪夜君はうっとりした目で私を見ている。あんまりうっとり見られると恥ずかしいけど。


「ユキやっぱり鼻の下伸ばしてる。」

「自分でも今『伸びた!』と思ったね。」


雪夜君は笑っている。

雪夜君はこの前プールで見た水着。一条先輩は青と白とオレンジと黒の横縞だったが、私はそれがブランド物だと知っている。


「月絵はなんなんだ?そのショートパンツ。」

「私的TPOで判断しました。」

「なんだそれは?脱げ。」

「帰るわよ?」

「…脱がなくて良い。」


一条先輩しっかり尻に敷かれてるな。一条先輩にプールへ誘われる。

一条家のプールは15m×5m深さ1,2mのプールで半屋外といった感じだった。横は吹き抜けになっているが天井にはドーム状の硝子が張られている。夜のプールを演出する水中照明もあるそうだ。プールサイドには4脚の斜めに角度のついたビーチチェアーがあった。

4人で日焼け止めを塗った。

雪夜君は私の、私は雪夜君の背中に日焼け止めを塗った。くぅぅぅうううう!この雪夜君に日焼け止めを塗るっていうシチュエーション!最高に憧れてた!水曜日のレジャープールではあゆみさんに取られちゃったけど、今日は私が雪夜君独占だもんね!月絵先輩と一条先輩も日焼け止めの塗り合いをしていた。一条先輩の鼻の下は明らかに伸びていた。

4人で写真撮影をした。後で写真は頂けるそうだ。


「好きに遊んでいいぞ。」


一条先輩が言ってくれたので早速雪夜君とプールに入って遊ぶ。2人で1個の浮き輪に掴まってぷかぷか。気持ち良い~。時々雪夜君が足で漕いでくれる。月絵先輩は15mを泳いで行ったり来たりしている。ガチで泳いでるな。

4人でビーチバレーも楽しんだ。試合形式のバレーじゃなくて円陣バレー。2時間くらい遊んで昼食だ。高級フレンチがコースで出てきたよ。前菜、スープ、魚料理、肉料理、デザート、パン、コーヒー。牛フィレ肉のロースト茸ソースがけとかめっちゃ旨いけど。旨いけどプールサイドで食うメニューか!?コレ!?一条先輩の神経は分からん。

午後も泳いだ。月絵先輩はビーチチェアーに凭れかかってまったりしている。隣で一条先輩が口説いてるようだ。

薄く化粧をしてるので顔が水につかないように泳ぐ。私は運動全般が得意ではない。つまるところ泳ぎもそんなに得意じゃない訳で…ちょっと泳いだら疲れて水中歩行になってしまった。

雪夜君はガチ泳ぎ。15mを行ったり来たり。いいなあ…

羨ましげに見ていたら雪夜君がこっちに来た。


「結衣、乗る?」

「乗るって?」

「オレの背中に。乗せて泳いであげるよ。」

「…うん。」


ちょっと照れたが雪夜君の肩につかまって背中に乗った。うわっ…背中逞しい…身体の厚みが…直接肌が触れ合う部分ももちろんあって、私はどぎまぎだ。

雪夜君はぐんぐん泳いでくれた。水流が気持ちいい。しかも私の顔に水がかからないように配慮してくれてる。6往復くらいしてくれた。


「楽しかった。ありがと。」

「いえいえ。」


雪夜君はにっこり笑った。

お手伝いさんがドリンクを持ってやってきた。


「ヴァージン・チチでございます。」


雪夜君と一緒にドリンクを飲む。


「美味しいね。これ何の味?」

「ヴァージン・チチはパイナップルジュースとココナッツミルクをシェイクしたドリンクだよ。アルコール版チチにはウォッカが入ってるよ。」

「へー。」


ノンアルコールならサマー・デライトとかも良いと思うけど。この家だったら注文したら本当に出てきそうだ。一条家怖い。

それからまた雪夜君と浮き輪でぷかぷか。

雪夜君とお話して楽しんだ。漫画の最新刊の事とか、最近気になってる映画とか、私の誕生日の事とか。


「裏手に周るとジャグジーもあるぞ。」


と一条先輩が言うので有り難く入らせてもらう事にした。円形のジャグジーだった。極楽極楽。途中で月絵先輩と一条先輩も来た。4人でジャグジーに入る。超まったり。一条先輩は月絵先輩を熱心に口説いている。好きな食べ物は?とか欲しい物は?とか。月絵先輩が好きな食べ物100円ハンバーガー、欲しい物特になしと言う度一条先輩は落胆している。食事作ってるから知ってるけど月絵先輩本当はグルメだしね。100円ハンバーガーは嘘だと思うよ。それに夕食の準備してる時「○○ブランドのバッグが欲しいー!!」って叫んでるのも聞いた。一条先輩は月絵先輩の野望を全て叶えてくれるだろうに月絵先輩ってばクーデレなんだよね。一条先輩、頑張ってデレを待って。

私は二人のやり取りを聞きながら隣の雪夜君に凭れかかってみた。ドキドキだ。一条先輩のプライベート空間という事で少し気が大きくなってるのかもしれない。雪夜君が私の腰を抱き込んだ。あうっ…

雪夜君も気が大きくなってるのかもしれない。夏は人を大胆にさせるよ。私は雪夜君にごろごろ甘えた。


「気持ちいいねえ、雪夜君。」

「ふふっ。結衣蕩けそうな顔してる。」


慌てて顔を引き締めた。


「可愛かったのに…」


だらしない顔見せられません。


「今度来る時は母屋の風呂にでも入りに来てくれ。ちゃんと男女別になってる。サウナもあるし、オイルマッサージが受けられるぞ。」

「そうねえ。いいけどオイルマッサージは勿論一条とは別室よね?」

「…う、うむ。」


うわーコイツあわよくばオイルマッサージ中の月絵先輩を盗み見るつもりだったな。破廉恥な!

私は一条先輩に白い目を向けた。


「お、おほん…今日は楽しんでもらえたか?」

「はい。すっごく楽しかったです。」

「オレも楽しかったです。有難うございます。」

「私もまあまあ楽しめたわ。」

「3人とも良ければまた来てくれ。連絡をくれれば使いを出す。」


リッチな思いをしたい時は月絵先輩を誘って一条家に行こうっと。


どんだけイチャイチャやねん。

雅さんあゆみさん要素がないだけでこのありさまです。


一条先輩へたれ。俺様要素はドコイッタ?今は恋の奴隷です。

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