優しき葉音に、想い乗せ。
掲載日:2013/09/06
秋雨前線。
雨が秋を連れてきた。
葉っぱを濡らして、音を奏でて。
そんな風に、耳を澄まして。
僕は窓から狭い狭い、灰色の空を眺めた。
少し鼻を刺激するような、アスファルトの。
まだ夏が残ったような、湿気のような。
そんな匂いと一緒に、秋を迎えて。
僕は、窓辺に向日葵を。
一本だけ飾ったんだ。
狭い、窓から見える。
こんな街も、空も、いっそ。
窓枠なんて無くしてしまえば広くて、大きい
だけど好きだ、こんな狭い。
窓から見えた世界だって。
街も、空も、どこまでも続く。
窓枠に閉じ込めた。
世界で、きっと。
写真のように、フレームに収まっても。
景色は色を変えて。
風は匂いを変えて。
音は気持ちを変えて。
いつだって、一つの景色は。
どこにもないんだ、なんて。
また、僕は花を咲かせてみるんだ。
僕に出来ることを、出来るだけのことを。
今この、ありふれた瞬間に。
溢れさせるために。
ほら、また太陽も、月も。
寄り添ってるんだ。
どんな時だって、景色はそこにあって。
どんな事だって、自分はそこに居て。
ただ、少しだけ、ほんのりと。
葉音に、想い乗せて、僕はまた窓辺に佇む。




