2弾 安心! 安全! 静寂! Eチームの休日!!
「こちらは、Eチームの報告書です」
黄色と茶色を混ぜた感じの色に長い髪の女性が目の前の人物に話しかけた。
周りは、パソコンとにらみ合いをして座っている人がたくさんいる。その中で、目の前の人は木で出来た机の上に書類を見ていた。
「ご苦労様リーラ少尉、口頭で頼む」
服には数多くの勲章が飾られおり、さながら勲章の博物館並だった。その人が渋みのある声で目の前の女性――リーラ・シュミットに訊ねた。
「了解しました。今回、物資集積場の襲撃は成功、そこに立てこもっていた数十名を捕獲。その後バックアップと監視をしていたBチームが事後処理した結果、死傷者45人、死者1人です」
「そうか、死者が1人か」
手を組んで考え込む。
「はい、それもBチームが誤って射殺してしまったものなので、Eチームは関わっていません」
リーラの情報によれば、M82を使用して狙撃をしたのにかかわらず死者がいなかった。
物見台にいた兵2人も、打撲、骨折の重傷ですんでしまっている。まさに芸当。
「それでは、Eチームには次の任務を行ってもらおう」
「わかりました」
目の前の人物――この部隊の隊長である少将が数枚の紙の束を渡してきた。
「……」
リーラは一通り目を通す。
「了解です。早速Eチームに伝えに行きます」
場所変わって、とある倉庫
「中尉、次の任務はなんなんですか?」
軍曹――マコト・フォンダが中尉に向かって話しかけた。マコトは黒と茶色を混ぜた感じで髪を後ろでまとめてポニーテールの姿。
「何なんだろうね~」
中尉はアロハシャツを着ながら体がすっぽり収まるイスに寝転びながら麦わら帽子を顔にかぶせていた。
「それよりも中尉、なぜアロハシャツ?」
伍長が銃をいじっていたのを中断して話に交じる。
「山田君、それは、倉庫の中でハワイ気分が味わえるからだよ」
「だから、山田じゃないです。前奉 清敷っていう名前があります」
伍長の本名前奉 清敷。通称、山田。名前を呼ぶのが面倒くさかったらしく中尉が「山田でいいね」の一言で決定した。
「だから、山田じゃん」
伍長――山田?がマコトに言われていた。
「軍曹までまったく、そんな風だから、ム、ぐほっ!」
マコトが山田?に向かってレンジを投げて、それが胴体の中心にクリーンヒット。
「なにかいったかな?」
「っ、な、なにもい、いってません。もう、山田でいいです」
「山田でいいよね?」
マコトの右手はなぜだが腰にホルダーにあるコルトガメントのグリップ部分をなでている。
「はい、山田です。山田。全力で山田をやらせてもらいます」
最後の言葉で、山田?は全力で頭を下げた。
「まったく、3人とも暇ですね」
A4サイズほどのノートパソコンを手に持ったまま曹長がきた。前髪が七三分けで、後ろは下で束ねている髪型。曹長――斧原 玲。
「ひまじゃん、ところでアキちゃんは何してるの~~」
中尉は麦わら帽子を取ってサングラスをはめた格好で手をひらひらさせた。
「サーフィンしてるんですよ」
「あら~、ついにアキちゃんも、そっち系……二次元にはしったか」
「サーフィンって」
「サーフィンしてる自分をCGでつくってるんでしょ?」
「なんで、そんなことを……というより、アキちゃんはやめてください」
玲が呆れた顔でとりあえず訂正をしてみる。
「アキちゃんはアキちゃんでしょ。それにマコトちゃんに、山田。かんぺき」
「絶対に突っ込まない。絶対に突っ込まない。山田と突っ込まないぞ」
山田?が拳をプルプルさせながら我慢をする。
「やまだ~~ やまだ~~」
マコトが何回も耳元で言うと、山田?は我慢できなくなり
「うがぁーーーーーーー、なんで地の文まで山田?なんだよーーーーーー!!」
整備中だったM16を振り回す。
「それは……地の文で本名を書くのが面倒なだけでしょ。だって山田って言いやすいじゃん」
「中尉までーーー、くっそ~~~もっと軍曹の胸に関して言えやーーーーー!!」
プチッン
「プリン?」
「中尉は、そこで言わない」
「いや~、癖で」
中尉と玲は倉庫の端っこへと避難を開始した。玲はノートパソコンを抱えて、中尉は椅子ごと移動した。
「アキちゃん、一応これを」
「ありがとうございます」
人がひとり隠れれるぐらいの防弾盾を玲に渡した。中尉は椅子の横にはめれるようになっているので、計4個の防弾盾を設置した。
「この防弾盾、結構高いんだよな~」
「仕方ありません。命には代えられないですから」
「まぁ、また請求書、書くだけか」
2人の反応をよそに、いま戦いが始まろうとした。
「それでは、実況はこの私、解説はアキちゃんにお願いしましょう」
「解説ですか……」
「さて、始まりましたが、今までマコトちゃんの全勝記録が更新されていますが、今回はどうなんでしょうか、玲さん」
「はぁーー、付きあわないといけないですよね……はい、わかりました」
玲はあきらめて素直に試合?を見ることにする。
「きょうこそ、その小さい胸に勝つぞ!」
「ふふふ~、拙者の胸部を愚弄するとは……いい度胸だ」
山田?とマコトは7メートルの距離を取って2人の動きを止めた。
「なんでマコトちゃん、怒ると侍言葉になるんだろうね~」
「なぞですね。というより、マコトちゃんって発音、マコッンットちゃんみたいな感じで、言いにくそうですね」
「アキちゃん、始まるよ」
発音についてはあっさりと無視をした。
『山田? VS マコト レディファイト!!』
「おらー、必殺レンジ投げ!」
山田?がレンジを数本手に持って同時に投げる。
「見える。見えるぞ!」
マコトは全て避けて、プラスドライバーを2本を山田?に向けて投擲。
「おっと、マコトちゃんは容赦ない」
「あれって、当たったら死にますよね……」
「ちょ、ちょっと」
山田?は慌ててよけて、整備中だったM16でプラスドライバーを一本叩き落とす。
「銃を使うとは、いい度胸」
コルトガメントを右手に持って、セーフティーを外す。
「えっと、銃使ってないよね!? 撃ってくるの??」
「お~と、両者銃撃戦に移行」
「絶対に伍長は銃を使ってないですよね?」
「死にさらせーーー」
コルトガメントをシングルアクションで撃つ。ようするに精密射撃。
「いきなり!!」
M16をマコトの方に投げ飛ばす。銃弾がM16と当たって、M16にひびが入る。
「せっかく、整備中だったのに……」
机を横に倒して、盾の代わりにした。
「胸がないからって、怒るな!」
「伍長もどうして、あんなこと言うんでしょうね」
「仕方ない、あいつの宿命だ」
「遺書は書いたかの、それではこの世とのお別れをしよう」
M14をマコトは取り出してきて、フルオートにする。
「えっと、それは……」
さすがの山田?も血の気が引いてしまう。
「マコトちゃんの十八番M14来ましたーー」
「放っておいていいですか? 倉庫に穴が開きますよ」
「大丈夫でしょ、請求書、書けば」
「死ねーーーーー」
M14のフルオート射撃、20発が撃ち込まれる。
「うわぁーーーー」
山田?は走って逃げまとう。
マコトはM14のリロードをほぼ瞬間で行って、すぐさま射撃を再開。
「ハチの巣にしてあげる!」
「けっこうでーーーすーーーーー」
「中尉、いったいどこからM14の弾倉が出てくるのでしょう」
「どこからだろうね~~」
2人してお茶をズズゥーーとすすっていた。
「反撃だ!」
逃げまとっていた山田?はやけになって手榴弾を投げた。
爆発して、破片が巻き散る。
マコトは机とロッカーの隙間に潜り込んでなんとかよける。
「さすが軍曹、胸がないから、簡単に入れますね~~」
山田?が勝てると思い。ここぞとばかしに罵声を浴びせた。
「山田って、なんでああいうこというんだろうね」
「伍長ですから」
破片が突き刺さっている防弾盾の前で、呑気に羊羹を食べていた。
「ふっふっふふ~~~~、あら~、楽しませてくれるのね~~」
ロッカーの扉を開けて、中からM72 LAM――対戦車ロケットを取り出してきて構えた。
「……ロケットは、なしだよね?」
「やばい曹長、一時撤退するぞ」
「了解です。中尉」
2人は駆け足で倉庫の外へと走って逃げる。
「死ねーーーーー」
マコトはM72 LAMを発射、続いて別のを持ってきて、連続で撃ちこんだ。
「くぁzwsくぇdrftgyふじこlp!!!!」
山田?の言葉にならない叫びが聞こえた。倉庫の壁の一部が崩壊して崩れる。
「ちょっと、どうなってるの!!」
ここで入口から現れたのは、黄色と茶色を混ぜた感じの色に長い髪の女性――リーラだった。
「ジョン! どういうこと!!」
「いや~、あのな~、また請求書、頼む」
中尉の本名は、ジョン・ドゥ、ようするに名無しのジョン。いかにも偽名ですと言っているようなものだ。だからみんなは名前で呼ばずに中尉と呼んでいる。リーラだけはジョンと呼んでいた。
リーラはEチームの子守り――監視と任務の以来を行っている
「いったい、いくらかかると思ってるの……」
目頭を押さえながらため息をついた。
「それはおいといて、なんだ?」
「おいておかないでよ。まぁ、いまさらだし、貴方たちに任務よ」
なれたことなのですぐに切り替えて任務の知らせを言った。
「にんむ!」
「任務ですか」
マコトと玲が反応した。
「に……ん、む」
山田?は瓦礫の中から、アフロヘアーで出てくる。
「貴方たちには飛行場を襲撃して、戦闘機その他もろもろをつかえなくして」
リーラが1枚の紙を見せた。
Eチームの出番がきた。