第三十七話
調子が出てきた!
ヒャッハァ!
「簡単でしたって、あなた正気ですか?!」
「正気です。いたって正気ですとも。はい」
いきなり頭の心配をされるとは思わなかった。
「す、すみません・・・」
「とにかく、これで僕は一週間あなたの執事です。よろしくお願いします」
「お、おねがいします・・・」
「困ったことがあったらいつでも言って下さい!」
「じゃあ、あの・・・」
「はい?」
「話し相手になってくれませんか?」
「?良いですけど」
疑問の答えはすぐに出た。
このお嬢様、なんと友達がいないらしい。
「私は小学生の頃から友達という関係に憧れていました。私に近づいて来るのは妙な下心を持った人ばかりでした」
なるほど。大会社の令嬢というのも大変なんだな。
「かといって、同年代の子達は私のことを敬遠していました」
「多分この容姿と大企業の娘という立場がそうさせたんでしょう」
「だから私はがんばったんです。たくさん勉強して、良い成績を取れば皆認めてくれるって」
「でも、そうじゃなかった。皆ますます遠ざかっていった」
なんていうか・・・壮絶だね。
「だから私は友達が欲しかった」
・・・なんか前にも同じことがあった気がする。
あれは・・・そうだ!藤堂姉妹の時と同じだ!
あのときはたしか・・・。
「なるほど・・・じゃあ、僕が友達になりましょう!」
「え?!」
「なんですか?僕じゃ不満ですか?」
「いえ、そうではなく・・・あの、私のこと、見限ったりしませんか?」
「大丈夫ですよ。僕はあなたを見捨てない」
「ヒック…エグッ」
いきなり泣き出してしまうお嬢様。
「ちょっ?!落ち着いてください!」
「ありがとう・・・ありがとうございます!」




