第三十二話
話が終わった後、僕達は衣装部屋の前に来ていた。
なんでも
「一週間何もしないのは困るから、娘の相手とついでに雑用でもやっていてくれ」
だそうだ。
依頼を受けたのに何もしないのは気まずいから、正直助かった。
ただ、流石に制服を汚すわけにはいかないので作業服を借りに来ているのだ。
入り口にいるメイドさんに声をかけ、中へ入る。
中にある服だったらどれでも好きなものを着て良いそうだ。
中の様子を見た感想が一つだけ。
さて、どうしよう。
服が凄く沢山ある。
それも上等なものばかりだ。
流石に限度があると思うんだけど?
絶句する僕の隣でテキトー先生は目を輝かせていた。
なんだろう。嫌な予感がする。
「小山君!これを着てみてください!」
手渡されたのは(なぜか)メイド服。
先生・・・そんな趣味だったんですね。
「いや、勘違いしないでください!写真を売り飛ばすだけですから!」
その方がたちが悪いです!
「着てください」
嫌です!
「埒があきませんね・・・。それっ!」
掛け声を掛けるも何も起こらない。
「?何かしました?」
「ええ。もう変わっています」
変わってる?何が?
「しかし似合いますね」
まさか・・・!
「なっ!いつの間に!」
僕の服装は、先ほどテキトー先生の手の中に合ったメイド服になっている。
慌てて隠すも時既に遅し。
「写真は貰いましたよ?」
ちゃっかりカメラで撮っていたようだ。
「はぁ・・・。もういいです。でもあの二人にだけは見せないでくださいよ?」
「あの二人とは?」
「藤堂姉妹です」
「なぜ?」
なぜって、前に僕が女装したときに悪ふざけが過ぎて、化粧までやっちゃったんですよ。
「ほうほう。それで?」
僕は見てないので知りませんけど、あの二人、しばらくショックで寝込んじゃったんですよね。
「いえ。知ってます」
知ってんのかよ!じゃあ何で聞いた?!
「面白そうだったので」
・・・もうこの人には何を言っても駄目な気がする。
あ、一つ質問があります。あの二人から感想、聞きました?
「ええ。なんでも‘女としてもう立ち直れない‘と思ったそうです」
そんなに?!あまりに似合わなすぎて吐き気でも催したのかと・・・。
「そんなことはないですよ?普通の男性が見たら理性が吹っ飛びますね」
またまた。冗談はよしてください。確かに女顔ですけどそこまでじゃ無い・・・と信じたい。
「冗談じゃありませんよ。とてもよく似合ってます」
似合ってても嬉しくない。
「二度とやりません」
「ええ。もういいです。写真は手に入ったので」
忘れてた!そのカメラ渡せ!
そろそろ話のほうもグダグダになってきました。
・・・どうしよ?




