第二十一話
一時間立って木刀の改造が終わった。
「よし、できたぞ!!」
しかしその改造を間近で見ていた僕は複雑な気分だった。
そりゃ作業してる最中に「あ、やべっ」とか、「やっちまった」とか頻繁に聞こえてくれば心配にもなるよ。
まあ、成功したようだから気にしないことにする。
それよりどれくらい変わったかだ。
その場で軽く振って見る。
元々の体で出せる速度と大体同じだ。
「問題ないか?」
「はい。大丈夫そうです」
「そうか」
これで体育祭でも闘うことができる。
あの二人に守られるのは本当に勘弁願いたい。
ファンクラブ以前に後でどんな対価を支払わされるか分かった物じゃないからだ。
木刀を部屋に置いて、ブラブラ出歩いていると鈴谷に会った。
「あれ?小山の妹さん?」
この反応、どっかで見たことあるな。
「はい。始めまして。小山楓と言います。鈴谷さんですね?お兄ちゃんから話は聞いてます」
「始めまして。小山の言うとおり、俺は鈴谷巧だ」
知ってます。
「いや~、鈴木の言うとおり小山にそっくりだ」
いや、だから本人ですって。
ん?鈴木?
・・・マズイ、マズイぞ!
この姿で鈴木に見つかったらまたしつこく付き纏ってくるに違いない。
「それじゃあ、アタシは用があるので失礼します」
一刻も早くこの場を離脱しなければ!
「楓ちゃ~ん!」
遅かったか!!
咄嗟に鈴谷の後ろに隠れる。
「ん?鈴木?」
「鈴谷クン!小山君の妹さんを見なかったか?!今此処にいたように見えたんだけど!」
ボソッ(やり過ごして下さい!)
鈴谷君も流石に今の鈴木はヤバイと思ったのか、嘘をついてくれた。
「いや?見ないけど?」
「そうですか・・・。ありがとうございました」
そう言ってまた「楓ちゃ~ん」と叫んで走って行った。
「・・・行ったぞ」
「ありがとうございます」
「ああ。気をつけろよ?ああなった鈴木はきっと止まらないからな」
「はい」
体育祭までに生き残れるか心配になってきた。




