第十九話
思い立ってすぐに僕は近藤先生を探しに廊下へ出る。
いる場所はたぶん・・・喫煙コーナーだ。
真っ直ぐに喫煙コーナーを目指して歩く。
いた。やっぱり煙草を咥えている。
「近藤先生~」
声を掛けるが
「・・・誰?」
当然の反応ですね、ハイ。
~事情説明中~
「なるほど、お前は姿こそ変わってるが小山なんだな?」
「はい。そうです」
「よし。大体把握した」
大体ですか。
「で、お前は木刀を軽くしたいと」
「はい」
「じゃあ、俺の部屋へ行って工具を取ってこなきゃな」
「手伝いましょうか?」
「ああ。助かる」
歩きながら僕は前から疑問に思っていた事を聞いてみる。
「近藤先生ってなんでこの学校に来たんですか?」
「あ?なんでだ?」
「いや、元傭兵だと聞いたので」
そう、近藤先生は元傭兵なのだ。
それがなんで学校で教師やってるのか不思議でしょうがない。
「そうだな。何から話せばいいか・・・」
そう言って悩み始める近藤先生。
「まず俺はフリーの傭兵だった。金で雇われて人を殺す最低の職業だ」
「俺は傭兵を十五から八年間やってた」
十五って・・・僕と同い年じゃないですか!
「だが四年前に今の理事長にあってな。その時にこう言われたんだよ」
『君、ぼくの所で働かないかい?』
「当然俺はこう聞いたよ。『何で俺なんだ?』ってな。そしたらなんて返ってきたと思う?」
『君が一番面白そうだったから』
「その一言で俺は此処に来ることを決めた。幸い武器の扱いには慣れてたからな。技術科に入れたよ」
「何で技術科?」
「毎年行事のたびに大騒動になるから、それを鎮圧するためだ」
行事の度にって、文化祭でも同じことすんの?!
「いや、文化祭は少し違う。まあ一回やってみればわかるさ」
どうしよう。今から凄く不安になってきた。
十分以上歩き続けてようやく部屋の前まで来た。
「よし。お前はここで少し待ってろ」
「何でですか?」
「中を見りゃ分かる」
そう言ってドアを開ける
「うわ・・」
凄く・・・汚いです・・・。
「な?」
「ハイ」
「俺が入り口のゴミを片付けるから、工具を探すのを手伝ってくれ」
いや、まずは掃除では?
「そんなことしてる場合じゃないだろ」
ごもっともです。
「それじゃ、行くぞ」
それだけ言って、僕たちは秘境(ゴミ山)に突入していった