ご飯を炊く vs 米を炊く
ふと思うことがあって、しばらく頭をひねって考えてみた。
「ご飯を炊く」と「米を炊く」はどちらが言葉として正確であろうか?どっちも使われるけど、ウ~ンどっちだろうなあ。なんて難しいこと考えるから、ひねった頭がねじれにねじれて元に戻らなくなってしまった。いまこれを書くのにも文字を入力しにくくて困る。
近ごろ昔の日記を掘り起こして、それをネタにあるものを書いているのだが、その日記のなかに「米を炊いた」と書いてあったのだ。それから少し日付を下ると「ご飯を炊く」という文もあった。それで、アレアレこれはどっちが正しいのかしら、なんてどうでもいいことが気になった。
そんなのどっちでもいいよと言われそうだし、実際私にとってもどっちでもいい。別にそれで正しい方を決めて、違う用法を使っている者に天誅しようなどと考えてはいない。なんなら壇蜜さんあたりが「米よ」と主張するのなら私も喜んで米派となろう。佐山聡氏に「ご飯だって言ったよね」と詰められれば抜きの蹴りを食らう前にご飯でございますと従うだろう。
まあそれはさておき言葉の問題である。ここは格助詞「を」に注目せねばなるまい。ひらがなのなかでは少しアウトロー感のあるやつだ。そのため仲間が「わ」と「ん」しかいない。この点同じく少数精鋭組のや行とはライバル関係であろう。
そんな「を」だが、名詞や代名詞など体言のあとに接続される。体言は動作の対象で、うんぬんかんぬん。いやそんな難しいこと書こうとしたって私は専門家じゃないのでね、ちょっとわかりませんわ。カッコつけてもダメなのだ。ただこれまでいろいろ読んだり書いたりしてきたなかで身につけた感覚として、「を」の上にはすでに出来上がっている、完成品が来るんじゃないかと思っている。
「家を建てる」その家ってのはまだ出来ていないけど、それでも完成品の「家」が上に据えられる。
「穴を掘る」その「穴」はこれから掘っていきましょう。
その流れに従えば「米を炊く」よりも「ご飯を炊く」の方が合ってるような気がする。「ご飯」の方がより完成品だからね。
これは「ご飯」を「パン」に置き換えてみると分かりやすい。「パンを焼く」という言い回し。これは朝食にトースターで食パンを焼くという意味じゃなくて、パン作りの段階の話ね。「パンを焼く」でパンを作ることを意味するのだけど、「小麦粉を焼く」とは言わないでしょう?
あ、でも「パン生地を焼く」とは言うか。これにあたるのは「米を水に浸したものを炊く」かな。原料をちょっと加工しないといけないからね。あーめんどくさい。
厳密に捉えようとすると私の頭脳のスペックでは逆に枝道へそれてしまうのでここらで元に戻そう。米かご飯か、それが問題だ。やはりここまで私なりに考えてみて、「ご飯を炊く」の方がしっくりくるように感じる。でもなあ「米を炊く」も悪くないんだよなあ。
こんな時は人々の知恵を借りようとGoogleさんで検索をしてみた。「米を炊く ご飯を炊く 正しいのは」文章で検索しない古くからのネットユーザーの様式に則った検索ワードである。するとGoogleのAIくんが米からご飯になるのだから「米を炊いてご飯にする」が最も的確だと教えてくれた。いや、そういうことじゃねえんだわ。
その下にはYahoo知恵袋の記事。“「米を炊く」 or 「ご飯を炊く」・・・正しいのはどっち?という問題で揉めました” だそうだ。よかった、同じことで悩む人がいるんだ。たぶん壇蜜さんと佐山聡氏が討論でもしていたんだろう。
そのベストアンサーにはここまで私が考えてきたようなことが書いてある。「ステーキを焼く」かあ、なるほどなるほど、言いますね。肉を焼いてできあがるのはステーキだけじゃなくいろいろある。「米を炊く」だとできあがるのは白飯じゃなくパエリアかもしれない、と。たしかに。できあがるものが確定しているのなら、それを明確にするためにも「ご飯を炊く」が正確かもしれない。
われわれ日本人は「米を炊く」その先にあるのは「ご飯」とすぐわかる。これは考えるまでもない。だから「米を炊く」「ご飯を炊く」どちらを読んでも思い浮かぶのは炊きたてアツアツの白ご飯。結果は同じなのだ。だからどっちでもいいんだけど、他人に正確に伝えようと思うなら「ご飯を炊く」。パエリアのときはちゃんと「パエリアを炊く」としましょうよって感じかな。
ま、どっちでもいいですよ。私は壇蜜さんのお好みの方に従います。なので壇蜜さん、是非コメントで教えてください。
思いついてサラッと書いてそのまま出してみる。「これも、技術のうち」そうですよね、佐山先生。




