表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

第三話 お母さんのためのウェルネスプログラム

頭痛がする。

じわじわと、締め付けられるような。


頭痛薬を飲む。

毎日、8時間ごと。


スマホに、通知。


「お母さんのためのウェルネスプログラム、始めませんか」


ウェルネス――よりよく生きるための、なにか。

母親の健康も、こどものために大事。

きっと、他のみんなも参加するだろう。


あおいは、『参加』ボタンを押した。

タスクの下に、『ウェルネスプログラム』が追加された。


健康的な食事、大丈夫。

適度な運動、大丈夫。

メンタルの評価、大丈夫。


全部、緑。

大丈夫。


土曜日、午後。

アプリで、面談の時間。


画面の向こうで。

担当者が、穏やかに笑っている。


「お困りのことはありませんか」


最近、少し、疲れている、かも。

頭痛とか。

でも、――話したら、長くなりそう。


あおいは、笑顔を浮かべた。


「大丈夫です」


担当者が、笑顔で頷いた。

大丈夫。

これで、評価は、ふつう。


帰り道、スーパーに寄る。


カートを押しながら、残りのタスクを考えた。

お昼、面談をしたから『交流』が未達成だ。

早く帰って、終わらせないと。


なのに、献立が決まらない。

目についた、ネギトロを手に取った。


夕食の時間、夫が不思議そうに呟いた。


「あれ…またネギトロ?」

「割引で、つい、買っちゃった…ごめん」


曖昧に笑うと、夫は「好物だから、大丈夫」と笑った。


「疲れてる時は、無理しないでね」

「…ありがとう」



夜。

できていなかった『交流』を行う。

いつもと、違う人たちがいた。


手を、口から離した。


今日も、全部、緑になった。

画面を消して、目を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ