表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインの代わりに魔王討伐しちゃったわ  作者: ChaCha


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/81

“できた”と感じた瞬間

魔法訓練(赤ちゃん版)をはじめて数週間。

私は

指を動かす → 空気が震える → びっくりして泣く

ということを繰り返していた。


けれど、その日は違った。


季節は春。庭には花が満開。


母マユリンヌが精霊魔法を使う度、

光の粒が舞う。

それを見るたび、胸の奥がざわざわしていた。


(私にも……できる?

 あれ、できたら私は……

 この世界の人間になれる気がする……)


赤ちゃんのくせに考えすぎ?

その通り。でももう止まらなかった。


指を伸ばす。


ふるえが走る。

何度も失敗してきた感覚。

けれど──


なぜか今日は怖くなかった。


深呼吸はできなかったけど

心が静かになった。


その時。


『──きこえてるよ。』


小さな声がした。

光の粒が、ゆっくり私の指先に集まった。


風がふわりと吹いた。


母が驚いた顔で私を見る。

父は一瞬だけ、息をのむ。


「……今のは……」

「リディアが、やりましたね。」


小さな花がひとつだけ咲いていた。


偶然じゃない。

彼らは、はっきりと見ていた。

私が、精霊魔法を使った瞬間を。


まだ赤ちゃんだけど


握った小さな手の中には

確かに

温かい光が残っていた。


『あなた、見えるのね』

『また遊びにくるわ』


小さな声がして、花びらが揺れた。


私の胸が、ふわっと膨らんだ。



ああ……

これは──


始まりの魔法。

私の、新しい人生が動き出した日だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ