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痴漢から助けた美少女が推しのアイドルだった【短編版】

作者: 高月夢叶

前から書きたかった小説です連載版も考えています

東京某所。電車内のアナウンスで『次は秋葉原〜』と次の停車駅を知らせる車内アナウンスが流れる。そんな中、吊革に捕まり、満員電車に揺られている。俺、佐藤さとう歩結あゆむは社畜として働く、少しお疲れなサラリーマンだ。現在、26の童貞だ。


日々の仕事のストレスから毎晩、酒を呷り、お気に入りのアイドル動画を観る。

【放課後シスターズ】三人組姉妹系アイドルグループで国民的アイドルではないけど、そこそこ売れていて人気もある。長女でお姉さんキャラの真凛まりん。しっかり者で皆のお姉さん。次女でおバカなおふざけキャラの唯花ゆいか。真凛と唯花は双子の姉妹で後から未来みくが加入して三人組アイドルとなった。そして、末っ子キャラでシャイな恥ずかしがり屋の未来の三人に魅了された。


男性ファンのことを「お兄ちゃん」女性ファンのことを「お姉ちゃん」と呼ぶ。


彼女はいない。以前は居たが、去年のクリスマスの夜に浮気されてそのまま別れた。

信じて居たのにまさかこんなところで裏切られるなんて思っていなかった。それからアイドルを追うようになり、【放課後シスターズ】の叶羽かのう未来みくちゃんに出会った。毎晩I TUBEをの動画を観る日々、気付けば脇腹に肉が付いてきて見事なまでのオッサン体型になってしまった。(メタボじゃない!)そうして孤独な日々を送ることとなり、彼女を必要としなくなった。俺には、未来たんが居ればいいんだと痛感した。


そんな俺の目の前で、頭にキャップを目深に被った黒髪ロングが艶やかな見た目が中学生くらいの女の子が目をきつく瞑り、今にも泣き出しそうな顔でプルプルと震えていた。体調でも悪いのかな?と

心配して見ていたら、よく見ると、後に立つ、20代前半のくらいの男が彼女の臀部でんぶをサワサワと触っていた。そのお尻の感触を堪能するように執拗しつように触られる女の子の目には涙が浮かんでいた。


きっと、怖くて声を上げられないんだろうと悟り、俺は、そんな彼女を見て見ぬふりなんかできないとけ決心し、その瞬間、俺は、男の手を掴み、「次の駅で降りてくれますか?」と言っていた。

「ああ!!なんだよいきなり!」とシラを切ろうとする男に俺は、荒ぶる心境ででこう告げる


「お前のやっていたこと見てたぞ。この子がなにも言い出さないからって調子に乗るな!」


男は、それでも、自分の罪を認めようとしないで暴れ出すものだから、合気で男の力を利用して男の攻撃を流して俺は、男の腕を締め上げて身動きを封じた。

学生の頃合気道を習っていて良かった。こんな場面で役に立つとは思っても見なかった。


俺は、次の駅で、男を駅員に突き出して、警察に通報してもらった。

駆けつけてきた警察官に男を引き渡し、事情聴取されてことなきを得た。この時はこのとき助けた彼女の正体を知る由がなかった。


翌日、電撃ニュースが世間を震撼した。昨日の痴漢騒動が大きく報道されたわけじゃない。


なんと、人気アイドルグループの【放課後シスターズ】の末っ子メンバーの叶羽かのう未来みくちゃんがアイドルグループを引退することがツヅッターにて発表されて、

急きょ、引退会見がが開かれた。彼女は現在20歳でアイドルとしてはまだ伸び代がある年齢で卒業なんてまだ先だと思っていた。世間一般では二五〜二六歳くらいが卒業の目安とされているからまだまだ、彼女は、アイドルとして活動していくであろうと思っていたからっ余計にショックでならない。


それに彼女は成人しているがその容姿は中学生と言われても信じてしまうくらいに童顔美少女で、妹系アイドルキャラとして売り出していた需要があるため、売り出していたほどだ。そんな彼女の引退宣言は、ツヅッターから発信されて、ファンの間で波紋を呼んでこうしてビックニュースとして報道番組に盛大に取り上げられていた。


「お騒がせしてしまい申し訳ありません、わたし、叶羽未来は、【放課後シスターズ】を引退します!」


「未来ちゃん、引退の理由を聞かせて貰ってもいいかな?」報道陣が質問する。


そうだ!それが一番気になっていたことだった。いいことを聞いてくれた!


「引退の理由、それは……普通の女の子に戻りたいからです。」


「そうですか、それでは普通の女の子に戻ってやりたいことは?」と問われると、モジモジと恥ずかしそうにし、「それは、普通の女の子のように素敵な恋とかしていずれは幸せな家庭とかを築いてみたいです」

その答えに記者達がざわついた。俺も、内心ではご乱心だった。

「因みに今は好きなな人はいるんですか?」


そう!っここ重要なんだと俺は、固唾を飲んで彼女の答えを待つ。



「好きな人と言うか気になっている人はいます!」


「それはどんな人ですか?」



「はい!すごく素敵な人で実は昨日、電車にで出掛けたた帰りに痴漢されちゃったんですよ。その時に、一人のお兄さんがわたしを痴漢男から助けてくれたんです…そう語る未来たんは頬を赤らめ恋する乙女のようになっていた。


ネット上では、誰だ!未来たんに惚れられてる幸運な男は!?とアイドルを救ったヒーローと称されて話題になっていた。


「昨日、痴漢から助けた女の子って未来たんだったんだ……」

てゆーか、未来たんが好き相手ってって俺じゃね?とこの時は、未来たんと再会して彼女の人生に大きく関わることになるなんて思いもしなかった。


************************


夜、家でくつろいでいると突然、俺のスマホに知らない番号から着信がくる。誰からだ?と思い電話に出ると、

の叶羽未来と名乗る女性からだった。叶羽未来ってあの?なんだ?アイドルの成りすましか?!


「この前は、痴漢から助けてくれて…ありがとうございました。先日のお礼がしたいので、

今度…会えませんか?」


先日の未来たんの引退会見からまさかのこの展開、本当にに未来たん本人なのか?

いや、未来たんはいつも天真爛漫な明るい口調だし、こんな陰キャみたいな喋り方じゃないやっぱり成りすましのスパム電話だろうか?などと流そう警戒してと通話を切ろうとしたところ、

「あなたに折り入ってお話があります。お時間を作って貰えませんか?」とスパムにしては真摯な物言いに、「俺は、平日は仕事があって時間が取れないので、今週の土曜日でしたら時間が作れそうです」と告げる。


「わかりました。わざわざ時間を作ってくれてありがとうございます。」


一二月二十四日は長いようで直ぐに訪れた。当日は、クリスマス・イヴだからって変な意味は無い。

本当に未来たん本人なのか気になって今まで仕事がろくにてにつかなかった。


居酒屋の待ち合わせ会場に着いた俺は、スタッフに、事前に「鈴木で席を取っていることを告げて入ってきて」と言われていたことで、そう告げ通された個室で待っていたのは眼鏡を掛け帽子を被った女の人で、俺の姿を確認すると「来てくれたね初めましてと帽子と眼鏡を取ったその姿は、【放課後シスターズ】の叶羽未来たん本人だった。


俺は、握手会の時のような高揚感がやってくる。

「み、未来たん?!ほ、本物だ!」


こんなことってあるんだ……と驚愕してしまった。


「はい、初めまして!叶羽未来です。本物でびっくりした?」


「そりゃあ、もう驚くよ!この前の電話はスパムだと思ってたくらいですし」


「そうだよね。アイドルがファンに電話とか普通しないよね驚かせてごめんね」


「まあ、もういいですけど」


それよりも目の前に本物の未来たんが居ることが信じられない!これは夢か!?

「それと、これだけは言わないといけないんだ。この前は痴漢から助けてくれてありがとうございました。」


「いえいえ、そんなかしこまらなくても。当然のことをしたまでですから!」

そんな改まってお礼を言われると照れる。


「だってあの時、みんな見て見ぬふりだったのに助けて来れたのは貴方《 アナタ》だけだったから。」

未来たんは顔を赤らめながら、「この前のわたしの引退会見見ましたか?」


「見たよもちろん!推しメンだもん。でも正直、アイドル引退は寂しいしショックだ」


生きる糧を奪われた俺はどうやって生きていったらいいんだ!そもそも、俺が未来たんにハマり出したのも彼女に振られたからで、あれは忘れもしない去年のクリスマスのこと

クリスマスデートの約束を彼女とした俺はドタキャンされて失意の底に落とされ煌びやかなイルミネーションの中を一人寂しく帰路に就いていると見覚えのある女性を見つけた。

というかか彼女が別の男と手を繋いで歩いていた。俺とは一度も手を繋いだことはなかったくせに、なんで!と胸の中に憎悪で満たされもう、リアルな女に恋なんかしないと誓ったクリスマスの夜だった。それからアイドルに興味が移って放課後シスターズに出会い未来たんを推していった。いつしか彼女に浮気された心の痛みは消えて未来たんのことだけを考えるようになった。そんな彼女が今、恋がしたいからアイドルを辞めると言い出した。


彼女も女の子だ恋の一つや二つしたい年頃なんだろう。それが彼女の幸せなら俺に止める権利なんてないだろう。


「恋がしたいからアイドル辞めるんだよね?」


「はい!もうこの気持ちは止められないと思って即行動していました。」


「そうか…その相手は幸せ者だねなんでわざわざ俺を呼んだの俺なら電話口で良かったのに」


「やっぱり、この気持ちは、会って直接言いたいと思って…迷惑でしたか?」


「いや、人目があるし……」


「アイドルとして仕事が恋人なのは分かっているんですが、この気持ちの昂りは抑えられそうにないのでアイドルか恋愛かを天秤に掛けて決めたんです!」

「俺は君の恋を応援するよ。正直、アイドルとしての未来たんを見れないのは残念だけど

それが君の幸せなら俺がそれを阻むことなんて出来ないよ」


彼女が他の男とくっついて、幸せになるのならそれもいいか……


未来たんの幸せそうなライートを見て幸せをお裾分けを貰えればそれで十分だ。


「そうだ!明日の予定は空いてませんか?もしも予定なかったらわたしと会ってくれませんか?」


「明日は、特に予定は無いな」

明日は聖なる夜でクリスマス童貞の俺は今年もアイドル動画を見ながら一人酒でクリボッチな夜を過ごす予定だったからな。でも、クリスマスなんだ、好きな男を誘ったらいいのに

なんで俺なんか?


「じゃあ、決まり!クリスマスデートしてください!」


「そんな元アイドルがそんなこと言ってはダメだろう!今度はパパラッチに遭ってスキャンダルになるぞ!」


「大丈夫だよ!わたしの家はマークされているからまたこの居酒屋で会えないですか?」と上目遣いで言われる。それは反則だろう。こんな嬉しそうにはしゃいでいる未来たんを見れるのは嬉しい。明日は未来たんとクリスマスデート。もう、一生分の運を使い果たしてしまった気分だった。


************************


【放課後シスターズ】の叶羽未来ちゃんが引退会見して、後日、俺のところに未来たんを名乗る女の人から電話がかかってきた。そんな自称未来たんとコンタクトを取ったらなんと未来たん本人だった。痴漢から助けてくれたことについてお礼を言われ、それだけで終わるはずが翌日のクリスマス。未来たんから大事な話があるということでまた会うことになった。なんで、もうお礼は言って貰っているのにこれ以上何を伝えることがあると言うんだ?


そんな疑惑を抱えたまま、以前と同じ居酒屋で会うことになった。ファンとしては嬉しい限りだけど、クリスマスに二人っきりでアイドルに会うのは流石に、ファンの域を超えている気がした。それこそ今度こそ、スキャンダルのネタにされ兼ねない。何故、そんな危ない橋を渡るのか分からなかった。目の前の彼女は眼鏡と帽子でしっかり変装しているが本当に大丈夫なのか?と不安になる。


「今日は来てくれてありがとうございます」と握手会の時のようなフレッシュな笑顔で微笑み掛けてくれてそうか。これは握手会の延長なんだ!普通、アイドルとファンが接触出来るのは握手会だけと限られているから…ってそんな風に考えられる訳なかった。

だって今夜は聖夜でクリスマス恋人たちが、愛を育む夜なんだから!


あるのか?アイドルと恋できる可能性が!でもそんな展開はラノベやマンガの中だけのフィクションだ。夢と現実は混同するな!自分にそう言い聞かせる。


「でも、いいの?ファンと直接会うなんて事務所が許さないんじゃないの?」

普通こういう場には事務所の人も居るものだと思ったけど、彼女一人だけだった。

いいのか?この状況。悪い気がしてきた。


「いえ、事務所には何も言ってないです。わたしの独断です」


「えっ、それはマズくないですか?事務所に言ってたらファンと会うなんて許さないと思うし。」

普通に考えてNGだろう。何を考えているんどろうかこの子は。

「そうですよね…あのお名前聞いてもいいですか?」


「え…なんでこの流れで?」

この子が何考えているか分からない。事務所を通さない独断行動。安易にファンに会おうとする危険行為。一歩間違えたら事件に巻き込まれてしまう可能性だってある。


佐藤さとう歩結あゆむ。一応、名乗るけどなんのつもりなんだ?君の目的は?」


「佐藤さんかー、ありがとうございます」

「未来たんは、どうしてアイドルを辞めようと思ったの?恋愛がしたい他にも何かあるんじゃないのかな?」

そもそも恋愛禁止の制約を呑んでアイドルをやってきたわけだ…それなりの覚悟があったはずだ。その他にやりたいことがあって普通の女の子に戻りたいとはは口実なのかはと思っていた。


「言いたくないなら無理強いはしないよ。プレッシャーだったらごめん。」俺は、そう優しく言う。彼女は、安心したのか軽く息吐くと「佐藤さん…わたし、アイドルを続けていくのに疲れちゃったの」と不満を吐露してきた。



「そうだよね、アイドルって多忙だから疲れてもしまうよね」

テレビで見るアイドルは煌びやかでキラキラしているが実際はシビアなのだろうな。


「そうなんです!アイドルになる前は、キラキラした世界だなと期待に胸を膨らませていたんですけど、いざアイドルになってみると、規約は多いしスケジュールは多忙な割にアイドルグループだから分割給料で薄給《 はっきゅう》だし、プライベートだってファンサービスで配信しないとだしもう大変で…」


「未来さん、大変だったね。よく頑張ってきたよ」


多くの女の子が夢を持ってアイドルを志すが、アイドルの実態は厳しく、当のアイドルは夢なんか見てられない現実だ。俺だって仕事に夢を持って入社しても中身はブラックだった時の仕事に夢を見れなくなった感覚に似ている。


「仕事が辛いなりにやり甲斐の楽しさもあって頑張ってきたけど、楽しいことばかりじゃなくて、体が成長してからは、水着のグラビアの仕事も強要されるようになって、男性ファンから性的な目で見られるのがイヤでイヤで…好きな仕事と引き替えだと果たして幸せなのかなと思って」


「それは、辛いね。」

確かに、未来たんは、20歳にしては童顔で、実年齢より幼く見える。その外見と裏腹に成熟した豊満なバストがファンの間では、ロリ巨乳と称されていて凄まじい人気振りだ。

実際、合法ロリで検索すると高確率で「叶羽未来」とヒットするほどだ。

巨乳は彼女のコンプレックスでもあり武器だと思った。でも言わない。

当の彼女がそうは思ってないのだから。


グラビアもアイドルの仕事と思い割り切れるアイドルは多数いるが未来たんみたいに極端にグラビアを嫌うアイドルるも存在する。無理して続けても未来たんが擦り切れるだけだ。


「俺は、未来たんの意見を尊重するよ。君がしたいようにすればいい」

本当は、アイドルを辞めて欲しくない。だけどそれが未来たんが辛と言うなら彼女の意見を尊重して苦渋の決断を下す。

「ありがとうございます、佐藤さん。そう言ってもらえて嬉しいです」


こうして、推しメンとのクリスマスデートを実現できたことで最後にいい思い出を作ることができた。彼女と会うのも今日で終わりだろう。明日からは別々の人生を歩んでいくんだ。


「あの卒コンにはきて来れますか?わたしの最後の晴れ舞台を見て欲しいです。」


「勿論、行くよ!」

彼女の最後の晴れ舞台だ見に行かないはずが無い。絶対に観に行くからな。!

「よかったー。そこでファンの皆に向けて最後の挨拶をするから、そこでわたしのアイドル活動は終了です。」


「必ず行く、最前列で見るよ!」


「ありがとうございます。楽しみにしていますね!」


そう言って未来たんは満面の笑顔を見せてくれて安心した。


まさか、卒コン当日にあんなことになるなんて思いもしなかった。



































読んでくれてありがとうございました。


長編版も近日投稿します。

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