二話 その0歳児、行動開始
あれから俺は、会話ができるくらいにまでなった。
でも、俺はまだこの世界の文字を知らない。よって行動開始。
俺は、少し前から動けるようになりこの家はある程度把握している。
そして、目的地は書斎だ。
「あら、ジン様どちらに向かわれるのですか?」
彼女はフィリニャである。この家で、働いている猫耳と猫しっぽの獣人の使用人だ。
「ほん、みる」
流石にまだ1歳にも満たない子が流暢に話したら気味が悪いだろう。
だから俺はあえて幼く振舞っている。
「わかりました。さあ、行きましょう」
そう言うと俺は抱きかかえられた。やはり精神面では17歳なので
とても恥ずかしい。
「着きましたよ。ジン様は何をお読みになりますか?勇者の物語、王子と王女の恋物語ほかには、英雄の復讐劇なんてどうでしょう?」
あれ?名前からして子供向けじゃないものが聞こえた気がしたんだけど。 な、なんだかフィリニャの感覚が心配になってきたよ。
「ゆうしゃのものがたり」
「はい。でわ昔々魔物が地上に――――――――――」
読み終えて、一つ気になることができた。もし、今思っていることが本当だと すると
「フィリニャ、まほうってなに?」
「魔法ですか?魔法とは、火を起こしたり、水を出したりなど生活に不可欠のものです。例えばこのお話の中でも出たように魔法で魔物を倒してみんなを守るために使ったりします。」
やはり。これで俺のやりたいことがまた増えた。でも、今は言葉を覚える優先だ。
「フィリニャ、おうじとおうじょのものがたりも」
「はい。あるところに一国の王子と――――――――――」
そして読み終えるてフィリニャに顔を向けて
「フィリニャ、ありがとう」
「はい。また読みたくなったら言ってくださいね」
そう言われた後、集中が切れたのか眠気が襲ってきた。だが、まだ体が幼児ゆえ眠気に勝つことはできず寝てしまった。
「ジンは寝ちゃったみたいだね」
寝ているジンを部屋へ連れていく途中、声をフィリニャにかけた女性。
それは、ジンの母親であった。
「シャリア様。はい今へやに連れて行こうと思いまして」
「ええ。よろしく頼むわね。ほんと幸せそうに寝ていて癒されるわ」
「そうですね。とても可愛らしいです」
そんな二人の会話も終わり
それから、四か月後