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幕開け

あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。


おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯をしに行きました。


おばあさんが川で洗濯をしていると、川上からどんぶらこどんぶらこと大きな桃が流れてきました。


大きな、と言っても、平均的に見て大きな桃ということではなく、人ひとりがすっぽりと入ってしまいそうなほどの大きな桃です。


珍しいこともあるものだと思ったおばあさんは、川岸に置いておいた縄の先を輪っかの形に結んで、その桃に向かってえいと投げました。


縄は見事に桃の先端に引っかかりました。


おばあさんはえっさえっさと桃を手繰り寄せます。


しかし、桃はとても重く、川岸まで寄せるのが精一杯でした。


それでも諦めきれないおばあさんは、手にしていた縄を近くの岩にくくりつけて、家から大きな鉈を持ってきました。


この鉈で桃を小さく切って、家まで持って帰ろうじゃあないか。


おばあさんが両手で鉈を持ち上げて一直線に振り下ろすと、さくっと軽い手応えとともに、桃は真っ二つに割れました。


すると、おばあさんはびっくり仰天。


なんと、小さな赤ん坊を抱いたおじいさんが、桃の中で安らかに眠っていたのです。

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