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『伝説の剣』Dragon Sword Saga 外伝1  作者: かがみ透
第五章 伝説の剣 Ⅲ マスターソードの試練
13/21

光の結晶

改行、表現その他、読みやすく直しました。(2016.9.13)

「はー、よかった。今度は普通っぽいところで」


 ギガロスの身体は、ガラスで出来ているように、透明になっていた。

 辺りには、緑の木々や草花が生い茂り、空は青く、気候も穏やかだ。


「随分、小さいゲートだな」


 ケインは、目の前にある、草花のゲートを、腰を屈めてくぐった。

 変わらず緑が広がっている。色鮮やかな草花も、ヒトの手が加わったように、整えられている。

 ゲートをくぐった時から続く、白く細い道をまっすぐに進み、両脇に咲き誇る花々を見て、思わず笑みがこぼれる。


「俺の作った花とは大違いだな」


 前方には、草花で出来ているのかと思うほど、びっしりと覆われた家が見え、白い道は、その家まで続いていた。


「こんにちはー!」


 呼びかけながら、家の扉を叩いてみる。

 家というには、それは、ケインの背と同じくらいの高さしかなく、幅も、ヒト五、六人分ほどで、人間から見れば小屋であった。

 扉が開くと、中から、彼の半分くらいしかない子供のようなヒトが出て来て、驚いたように彼を見上げていた。


「小人族!?」


 ケインも彼をまじまじと見つめる。

 動物の皮でできた布をすっぽりと被り、ウェストのところで紐を巻いている。

 頭には、似たような皮で出来た、花の飾りのついた三角帽子を被り、ヒトの老人のようであったが、妙に、頭と身体のバランスが悪く見える。体格も、子供というより、まるで大人のヒトを子供の大きさに凝縮したような、そんな印象を受ける。


「なんだね、あんたは?」


 口火を切ったのは、小人の方であった。

 ヒトの声にしては、少し高い声だ。普通の人間の言葉を話せると知ったケインは、ほっと安堵の溜め息を吐いた。


「ケイン・ランドールといいます。実は、こちらにある魔石に用があって来たのですが――」

「魔石じゃと? 知らんな、そんなもの」


 小人が扉を閉めようとしたところに、ケインが足を挟み、真剣な顔で言った。


「待ってください! 透明のクリスタルなんですけど、こちらにあるって聞いたんです!」

「クリスタルは初めから透明なもんじゃ! そんなもん、ここにはないわ!」

「じゃあ、どこにあるのか、教えて頂けませんか?」

「知らん! ワシは知らん!」

「どうしたの、お父さん? 何を騒々しい」


 老人の小人とケインが揉めていると、違う小人の声が、家の奥から聞こえて来る。


 パタパタと軽い足音がすると、今度は、黒い髪を後ろで丸めた中年の女性の顔が現れた。

 その小人の女性はケインを見ると、あっと小さく声を上げたが、怯えるようではなかった。


「旅のお人なの? 良かったら、どうぞ、お入りになってください」


 ケインは、頭を下げて、扉の中へと入っていった。

 木で出来たその家の中では、全てが小作りであった。テーブルや椅子を始め、壁にかけてある絵画も、置物までも。

 造りの小ささを除けば、人間の村人の家と、なんら変わりはない。


「ヒト族が訪ねて来るなんて、初めてですわ。何か、お飲みになります?」


 女の小人は親切な笑みを浮かべた。


「ルーチェ、そんな得体の知れないヤツに、構うんじゃない!」


 年を取っている方の小人が、離れたソファから怒鳴っている。


「お父さんたら、何を言っているの。最長老様のお言葉を忘れてしまったの?」


 のんびりとした口調で、ルーチェは言った。


「我々とヒト族とは、もともと同じ種族であったのだから、ごくたまに訪れるヒト族には、親切にしてあげるものだと、いつもおっしゃっているじゃないですか。まだ私が子供の時に、お父さんの曾々々々お爺さんのところにも、ヒト族が訪ねてきて、親切にもてなしたのだって、言ってたじゃないの」


「そんなこたぁ、わしゃあ知らん!」


 言い張る父親に呆れて溜め息を吐くと、ルーチェは、ケインに、紅茶の入った小さなカップを差し出した。


「ごめんなさいね。お父さんたら、ボケちゃって」

「わしゃあ、まだボケとらんぞ!」


 (わめ)く父親を、呆れたように見つめてから、ルーチェは自分も茶をすすった。


「あの、さっきも言ったように、俺は、ここに、ブライト・クリスタルがあると聞いて、やってきたんですけど、ご存知ありませんか?」


 いくらか不安そうな面持ちで、ケインが切り出す。


「だから、そんなもん知らんと言っているだろうが!」


 また横から老人が口を挟む。


「ちょっと、お父さん、静かにしてちょうだいよ。なんですって? 何のクリスタルですって?」


 ルーチェは、老人を穏やかに制すると、ケインに視線を戻した。


「ブライト・クリスタル、光の結晶です」


 ケインの言葉には、やはり聞き覚えがないのか、少し考えていた彼女は、やがて顔を上げた。


「最長老様のところへ行ってみたらどうかしら? 最長老様は、なんだかとても珍しい石をお持ちだって、聞いたことがあるわ」


 ケインは身を乗り出した。


「その、最長老さんのお宅は、どこに?」




「駄目じゃ! これは、絶対に渡さん!」


 最長老の家では、先の老人よりも更に年老いた、痩せた白髪頭の老人が、暖炉の上に飾ってあった光り輝く石を抱え込み、首を横に振り続けていた。


「お願いです。それを、どうしても譲って欲しいんです」

「駄目と言ったら、駄目なのじゃ!」


(もう、どこが『ヒト族には親切にしろ』だよ。みんなにはそう言っておいて、自分は、ちっとも親切じゃないじゃないか)


 横目で最長老をにらんでから、ケインは、サル族とのやりとりを思い出して、気を取り直した。


「それなら、これと交換ならどうですか?」


 出がけに、村の魔道士のくれた、青い石の魔除(まよ)けのペンダントを首から外し、てのひらに乗せて差し出す。

 老人は、疑わしい目を向けた。


「なんじゃ、それは?」

「これは、魔除けのペンダントです。これを身につけていれば、ちょっとしたモンスターの接近を避けられるのです」


 胡散臭(うさんくさ)そうにペンダントを見つめていた最長老は、ふんと言って、

横を向いてしまった。


「そんなもの、この村では必要ないわ。ここには、モンスターなんぞは現れんのじゃからな」

「それなら、どうすれば譲ってくれるのですか?」


 ケインの必死な表情を見て、最長老は何かを思いつき、にやっと笑った。


「そうじゃのう、明日行われる『ものしり大会』で優勝できれば、その賞品に、これをくれてやってもいいぞ」


 ケインは、拍子抜けしながら、尋ねた。


「『ものしり大会』? なんですか、それは?」

「小人族の、毎年恒例のなぞとき大会じゃ。なぞなぞに答えられて優勝した者は、いつも好きなものがもらえるのじゃ。お前さんも、出てみるがいい」


 しばらく黙っていたケインであったが、


「なぞなぞに答えるだけで魔石がもらえるんだったら、こんなラクなことはないぜ! よーし、明日は、『ものしり大会』に出場して、絶対に優勝してやるぜー!」


 そうして勢い良く振り上げられた拳は、最長老の家の天井を突き抜けてしまい、こっぴどく怒られながら、修理する羽目になってしまった。


 翌日、たくさんの小人族が見守る中、大会に出場する小人たちとケインは、村の広場に集まっていた。小人たちは、皆、準備運動のように、身体のあちこちを伸ばしたりしている。


(ただのなぞとき大会じゃないのか?)


 そう思った彼も、額に長い鉢巻きをしている。

 朝、昨晩泊めてくれたルーチェが、ケインが優勝出来るようにと、鉢巻きを用意し、巻いてくれたのだった。


 なんとなく不可解な思いにかられながら、ケインは、小人たちを眺めていた。

 広場の周りを囲んだ見物客の小人たちは、菓子などを持ち寄り、ぺちゃくちゃ喋りながら、座っている。


「おお、少年、本当に参加しよるのか?」


 ぽんと肩を叩かれてケインが振り返ると、動きやすそうなランニングシャツと

短パン姿の最長老が、白髪頭に鉢巻きをして、にこにこしていたのだった。


「最長老さん!? あんたも出るのか!?」

「ワシは、毎年この『ものしり大会』で優勝しとるのじゃ。どうじゃ、すごいじゃろう!」


 かかかと自慢気に笑う老人に、ケインは尋ねた。


「そんなことよりも、これって、なぞなぞ大会じゃないのか?」

「いかにも、なぞなぞの大会じゃ。だが、ただなぞなぞに答えればいいワケではない」


 ちょうどその時、司会進行役の小人が進み出てきて、ルールを説明した。

 それによると、一対一で制限時間内になぞなぞに答え、回答が分からなかった者は、相手に答えさせないよう邪魔をしてもよいということだった。


「早い話が、格闘なぞ解き大会!」


 少し、ケインは自信が持ててきた。格闘でありさえすれば、並の人間には負けない自信はある。ましてや、相手は、自分の半分ほどの大きさの小人族である。


 なぞなぞの方は多少不安であったが、相手の邪魔をしてもいいということなら、話は別だ。


 木の番号札を渡され、出番まで、近くの木に寄りかかって、じっくり見ることにした。


「第一問です。打ち身などの怪我をした時に、患部に直接当て、湿布薬となる草の

名前はなんでしょう?」


 司会がそう言った途端、中央にいる二人の小人たちは取っ組み合いを始め、立ち上がった方の小人が息を切らせながら叫んだ。


「ゲバボボ草!」


 わあっと観客から歓声が起こった。

 ケインは、顔を引き()らせた。


「そ、そうか! これって、小人族の世界のなぞなぞか!」


 考えてみれば、当然のことである。

 ヒト族のケインには、正解など分かるわけがない。

 これでは、ますます相手が答える前に邪魔をするしかなさそうだと思っていると、同じ問題が出題されることもたびたびあり、違う回答でも拍手が起きている。


 ケインにはわけがわからず、近くにいる小人をつかまえた。


「なあ、傷湿布薬になる草のことを、最初のヤツは『ゲバボボ草』とか言ってたけど、今のヤツは『ミミガガ』って答えて拍手されてたよな? どういうこと? どっちも正解なのか?」


 聞かれた方の小人は、眉間に皺をよせて返した。


「答えなんか、みんなわかるわけはない。適当に答えて、それが面白いければいいんだ」


 呆気に取られたケインは、口を開けたまま、小人の顔を見つめていた。


「ゲバボボとかミミガガって、面白い……?」


 小人族のセンスは、ケインにはどうも理解の出来ないものであった。


 いよいよ、ケインの出番であった。

 相手は、中年の男の小人だ。


「バベット・ボー族のグルンナダケーキに使う粉の名前はなんでしょう」


 聞いたことのない名称ばかりを並べられ、ケインは考えるのを諦め、相手の邪魔をしようと身構えるが、相手も首を傾げている。


「おーっと、制限時間が過ぎてしまいました! 今のは、ちょっと難しかったみたいですねえ。では、次の問題です」


 次の問題も、聞き慣れない言葉ばかりである。

 相手の小人に動く気配が見えないので、ケインは、何でもいいから言ってみようと、おそるおそる前に進み出た。


「……ポポ……」


 一瞬、その場は静まり返り、ケインは、後悔と恥ずかしさのあまり、顔を赤らめていた。


 そんな彼に、司会が振り向いた。


「それは、普通過ぎます」

「えっ? ふ、ふつう……?」


 問題は、次々と出されたが、結局その後も、二人とも答えられず、ケインの『ポポ』が有効とされ、その勝負では、ケインの勝ちということになった。


 そのうち、優勝候補の最長老の出場となった。


「問題です。チュベラバ鉱山で取れる――」


 まだ司会が問題を言い終わっていない時であった。


「ハイパー・ドロップ・キーック!」

「うわああーっ!」


 最長老がいきなり飛び上がり、相手の青年小人を蹴り倒していた。

 途端に、観客たちは立ち上がり、拳を振り回して歓声を上げた。


「……なんてことを……!」


 ケインは唖然としていた。

 彼だけを置き去りにし、歓声は収まることはなかった。


「素晴らしいお答えです!」


 司会までもが拍手を惜しまなかった。最長老は得意気に、仁王立ちになり、辺りを見回していた。


「……いいのか、そんなんで……?」


 つくづく小人族のセンスにはついていけないと感じていたケインだったが、同時に優勝への僅かな希望が湧いてきてもいたのだった。



 いつしか、決勝戦となっていた。

 技の名前を言いながら、相手を戦闘不能――出場不能に追い込めば勝ちとなるらしいことがわかったケインは、クイズの問題には構わず、対戦相手を倒して行った。

 もちろん、たいした怪我を負わせることなく、手加減しながらである。


「とうとうここまでやってき来おったか、ケイン・ランドール。それだけは、褒めてやろう」


 彼の対戦相手となった最長老は、不敵に笑いながら、手を腰に当てた。


「クリスタルを頂くのは、俺だ」


 ケインも腕を組み、挑戦的な笑みを浮かべる。


「決勝戦、第一問です。アガボボトウガラシは――」

「鋼鉄・ナックル・ラリアート!」


 例の如く、司会が問いを言い終わらないうちに、最長老が先手を打った。右手を横に向け、ケインへと駆け出したのだ。

 ケインはそれを軽く飛び上がってよけ、そのまま老人に蹴りを入れようとして、躊躇(ためら)った。


 最長老は、素早く方向を変え、走る。


「地獄のナックル・ボンバー!」


 両手を組み合わせて繰り出された最長老の技を、ケインが片腕で受け止める。


「小人で爺さんのくせに、技にキレがあるし、意外と力もある!」


 今まで以上に気を引き締めたケインは、最長老の腕を掴むと、身体の向きを変え、背負い投げた。


 わあっ! と、観客が騒ぎ立てる。


 最長老は、身軽にも、ひらりと地面に舞い降りたと同時に、ケインに向かい、技を繰り出したのだった。


「ケイン選手、どうしたのでしょうか。一方的に負けています。これでは、今年の優勝も、最長老様となることが予想されます」


 司会の言葉に、思わずケインが振り返る。


「おい、何言ってんだ。俺は最長老の技をちゃんと受けて、返してるじゃないか!」


 最長老の突き出した拳をよけながら、ケインは叫んだ。


「かかか、バカめ! なぞなぞの答えを言わぬからじゃ!」


「答えって……あんただって、ただ技の名前を連発してるだけじゃないか」


「ただの競技会ではないのだぞ。この大会では、時間内に多くを答えた者か、一番ウケた者、相手を倒した者の勝ちなのじゃ! 答えられなければ、ワシを倒すほかあるまい!」


「だけど、倒すったって、相手が小人で、しかも老人じゃあ……」


 不意をつかれたケインの鳩尾(みぞおち)に、最長老の細い拳が入った。

 ケインは、胸の下を押さえてその場に膝をつき、呻いた。


「かかか! どうじゃ! 恐れ入ったか!」


 最長老は両方の手を腰に当て、踏ん反り返って、高笑いをしていた。

 観客たちは、さらなる大きな歓声を、老戦士に向けていた。


「ケイン選手、ダウンか!?」


 司会が、ケインの顔を覗き込む。


「制限時間まで、あと少々です。このまま棄権するなら、例年通り、最長老様の優勝ということになります」


 わああと、再び観客たちの声が起こる。


「……誰が、棄権なんか……するもんか……!」


 ケインが鳩尾を、片方の手で押さえながら、起き上がった。


「ほう、ワシのあの一撃を、まともにくらったというのに、まだ立ち上がれるとはのう」


 最長老は、皺深い顔を、感心したように、ほころばせた。


「じゃが、そろそろ制限時間じゃぞ。どうするつもりじゃ? ほっほっほっ!」


 最長老の瞳が、ずるそうに輝く。


「……じいさん、おちょくるのも、いい加減にしろよ!」


 ケインは、拳を握り締め、両腕を顔の前で交差させた。


「来るか、小僧! ワシを倒してみるか!」


 老戦士も、真剣な表情になり、平手で構えを取った。


 ケインの交差した手がぴたっと止まり、その合間からキッと覗く、彼の瞳はぎらっと輝いた。


「余計なお世話と知りつつも、心に愛と勇気を抱いて――!」


 ケインの拳が降ろされ、片方は天に向かって、すらっと伸び、指差す。


「正義の神の名のもとに、成敗させて頂きます!」


 天を指していた人差し指は、最長老に向けられ、もう片方の手は、腰に添えられる。

 無意識のうちに、彼は、数年前から染み付いた台詞を再現していた。


 瞬間、その場では何の音も発せられてはいなかった。

 誰もが、その場に固まり、動かなかった。


「素晴らしいお答えです!」


 司会者の感心した声が響いたと同時に、観客たちが、どっと笑い出したのだった。


「制限時間になりました。ただ今の勝負、たくさん答えて頂き、しかも一番笑いを取ったケイン選手の勝ちとなります! ケイン選手、優勝でーす!」


「えっ?」


 まだ何もしていないケインは、耳を疑った。

 観客の歓声の中で、我に返り、きょろきょろする。


「最長老様の連勝記録は破られ、新チャンピオンは、ヒト族のケイン選手に決定しましたー!」


 司会の言葉に、まだ呆然と(たたず)んでいる彼に、最長老の皺だらけの手が差し伸べられた。


「よくやった、ヒト族の少年よ。実に、見事であった! あんなおかしなセリフは、ワシには到底思いつかなんだ」


「は? おかしい……?」


 恥ずかしさに顔を赤らめ、どう答えていいものかわからないながらも、ケインは、とりあえず、最長老の手をしっかりと握った。


 歓声は、より一層大きなものとなり、夕方になりかけている空に、響き渡っていった。


「結局、何だったんだ? ……くだらない。くだらなすぎる……!」


 惜しみなく送られている拍手の中で、小人族の歓声も止む気配はない。

 やはり、ケインにとって理解不能であった。




 ギガロスの背には、丸みのある白い石と、ほぼ同じ大きさのクリスタルが、夕日に照らされ、きらきらと美しく輝いている。


「残りのひとつ、黒の魔石ダーク・メテオ目指して行こう、ギガロス!」


 ぎゅうんと、ギガロスがカーブを大きく描き、スピードを上げる。


「次もくだらなかったら、マスターとやらに、絶対文句言ってやる」


 そして、彼は、もう金輪際(こんりんざい)、『レンジャーⅤ(ファイブ)』のセリフは使うまいと、心の奥底へと封印した。


 二つの魔石とケインを乗せたギガロスは、一声鳴くと、彼の指し示す方向へと、一直線に突き進んでいった。


 最後の魔石のありかを求めて――! 


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