彼女、誤魔化す......?
美湖さんが目覚めてからしばらく経過すると、外が夕焼けで赤くなってきた。
「あ、私そろそろ帰りますね」
「じゃあ俺も帰ろうかな」
「えー、泊まっていってよー......。せっかく掃除したんだしー」
燐華さんがあぐらをかいて体をユラユラ揺らしながら言う。
「泊まるっつったって、寝る場所がないじゃないですか」
「んーじゃあせめてご飯だけでも作ってよー」
「もしかしてそれ目的なんじゃ......」
「あ、バレた?」
照れながら頭をかく燐華さん。
「私は明日の準備がありますし......すみません。先に帰らせていただきます」
「うん、じゃあねー」
「美湖さん、さようなら」
美湖さんはペコリと頭を下げると、先に帰った。
「......そういえば燐華さん。もし言うのが嫌だったらいいんですが......」
「ん? なぁーに?」
「......さっき、私なんか弱っちいって言った時、そのー......」
なんであんな悲しそうな顔をしたのか。
そう聞こうとした。
「......あぁ! あれ? いやだって実際弱っちいでしょ? 美湖ちゃんも持ち上げられないし!」
一瞬困ったような顔をした後に、いつも通り笑って回答した。
「......まぁ確かに非力ですね。筋トレでもしたらどうですか?」
「えーやだー」
燐華さんは酒を飲み、寝っ転がってしまった。
そして、しばらくするとそのまま寝てしまった。
「やれやれ......」
俺は立ち上がり、燐華さんをベッドに寝かせる。
布団をかぶして部屋の電気を消し、俺は家の外に出た。
合鍵で部屋の鍵を閉め、マンションから立ち去る。
(......なにがあったんだろう)
過去に何かしらあって一人で抱え込んでしまっているような気もするが、俺はこれ以上聞かないようにすることにした。
燐華さんが心を完全に開き、自ら話すその時まで。