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【完結済】俺の彼女が人として終わっているんだが  作者: Melon
エピローグ 俺の妻は終わっている
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エピローグ

 それから数年後。

 俺たちは大学を卒業した後も、勿論付き合い続けた。

 そして、指輪を買うお金が溜まり、俺は燐華さんにプロポーズした。

 それからまたしばらくして、結婚資金が溜まり、結婚式を挙げることになった。



 結婚式場にて。


「よし!」


 俺は、白いスーツに着替え、最終確認をしていた。

 今日は大切な晴れ舞台の日。

 服装に問題ないか、厳重にチェックしていた。

 途中で式場のスタッフが呼びに来たので、最後にしっかりと確認し、スタッフについて行った。



 会場にて、燐華さんを待つ。

 会場も大きくなく、呼べる人もあまりいなかったが、きっと思い出になるような素晴らしい式となるだろう。


「それでは、新婦の入場です」


 司会がそう言うと、ウエディングドレスを着た燐華さんが入場した。

 白いドレスがとても似合っており、見とれてしまった。


 それから式は進み、ついに誓いのキスをすることになった。

 俺は、緊張しながら燐華さんの顔を見つめる。


 そして、キスをした。

 そのキスは、少し酒臭いかった。

 でも、いい思い出になるキスだった。



 それから、参加者と一緒に食事をすることになった。


「翔。おめでとう」


 父親がそう言う。


「本当おめでとう。嬉しくて、私、泣きそう......!」


「ちょ、母さん。泣かないでくれよ......!」


 俺は、持っていたハンカチで母親の涙を拭う。


「ねぇ、燐華さん。俺も来てよかったんですか?」


「そうだよ。姉ちゃん、友達いっぱいいそうだし......」


「はは、いいんですよ。お世話になりましたし、今日は楽しんでいってください」


 燐華さんは、俺より少し若い男性と、四十代くらいの男性と話していた。

 どうやら、警備のバイトをしてた頃の知り合いらしい。


 お互いある程度話すと、俺と燐華さんは自分の席に戻る。

 それを狙い、美湖さんがやってきた。


「志永さん! 燐華さん! おめでとうございます!」


「ありがとうございます」


「美湖ちゃんありがとね。来てくれて」


「いえいえ! こちらこそ、招待していただきありがとうございます!」


「美湖ちゃんもいい人見つかるといいね」


「はい! 私も志永さんのようないい人を見つけられるように頑張ります!」


 いい人と言われ、少しだけ恥ずかしくなり、照れてしまった。

 そんな俺を、燐華さんは見逃さなかった。


「君の嫁は私だよ......?」


「わ、わかってますよ......!」


「全くもう......!」


 少しふてくされた燐華さんが、とんでもなく可愛かった。


「り、燐華さん! おめでとうございます!」


「おめでとうございます。いやー、大学時代から仲がいいなぁとは思ってましたけど、結婚までしちゃうなんて......」


 大学時代の友人も招待し、来てもらった。

 大学時代の懐かしい話をしつつ、食事を楽しむ。


「ねぇ翔くん......。お酒、飲んでもいい?」


 燐華さんが、テーブルの上の赤ワインのボトルを指差す。


「いいですけど......。吐かないでくださいよ......?」


「大丈夫大丈夫!」


 燐華さんはそう言いながら、ワインボトルを取る。

 俺は、ワインボトルのコルクを抜き、グラスに注ぐ。


 そして、燐華さんは一気飲みする。


「いやぁ、このワイン美味しいねぇ」


 燐華さんは、我慢できなくなったのか、自分でワインを注ぎ、飲み始めた。


「あ、燐華さん! そんなハイペースで飲んだら......」


「大丈夫だって! ほら、ピンピンしてるで......。うっ......!」


 フラグにしかならない前振りの跡に、燐華さんは盛大に吐いた。

 白いウエディングドレスがワインで染まっていく。


「うえーん! ごめーん!」


「もう、仕方ないですね......」


 俺は、笑顔のままもう一枚持っていたハンカチで、吐いたワインを拭いていく。


 周りからは、結婚式でとんでもないことになったと思っただろう。

 だが、俺たち二人からしたら、俺たちらしい最高の結婚式となり、心に深く刻まれた。



おわり

この度は【俺の彼女が人として終わっているんだが】を最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

お楽しみいただけたでしょうか?


さて、タイトルやあらすじから、このようなシナリオだと予想できましたか?

ちなみに私は、このようなシナリオになると予想できませんでした。


当初は、最後までギャグラブコメとして書く予定でした。

ですが、私は気が付いたんです。

恋愛経験がない人間に、ラブコメは書けないのです。

ネタがすぐに尽きるのです。


その結果、私なりに書きやすいラブコメに変化していった作品がこちらとなります。

つまり、不本意の作品となります。

それでも、面白かった、感動したなど思っていただけているのであれば、作家としてこれ以上嬉しいことはありません。



さて、長くなる前に後書きはこのくらにしておきます。

最後に、次回作のお知らせです。


【俺の彼女が妹だということをみんなは知らない】【俺の彼女が人として終わっているんだが】に続く作品は、

【俺の彼女は幻かもしれない】に決定いたしました。


山岳部の田舎に住む中学生の少年が、彼女は、周りの人間は、この世界は本物なのか、偽物なのか。

全てを疑いながらも、彼女との青春を謳歌する作品となります。


前二作とはまた違った作風の作品になるとは思いますが、もし興味があれば読んでいただけると嬉しいです。

ちなみに、投稿開始は2025年の8月か9月を予定しています。



最後に、作品を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

次回作でまた会いましょう。

すぐに会いたいという方は、【怪盗少女ビヨンド】という作品を連載しているので、そちらでお会いしましょう。


また、今後の詳しい活動は活動報告にて行う予定です。


それでは、ありがとうございました。

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