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【完結済】俺の彼女が人として終わっているんだが  作者: Melon
1章 俺の彼女は終わっている
4/47

彼女、掃除する

 今日は燐華さんに家に呼ばれたため、燐華さんが住んでいるマンションに来ていた。

 燐華さんの部屋のインターホーンを押そうとすると、声をかけられた。


「あっ、えっとたしか、志永さん......?」


 振り向くと、見覚えのある女性が立っていた。


「あ、森塚美湖(もりづかみこ)さんですよね」


 燐華さんがこの前助けた森塚美湖さんだった。


「美湖でいいですよ」


「あ、じゃあ美湖さん。今日はなぜここに......?


「実は燐華さんに呼ばれまして......。もしかして、志永さんも燐華さんに呼ばれたんですか?」


「は、はい。突然連絡が連絡が来まして......」


 今日俺が燐華さんの家に来たのは、朝、突然燐華さんから連絡が来たからだ。


「俺もなんですよ。というか美湖さん、燐華さんと連絡先交換していたんですね」


「いえ、なんか気が付いたら登録されてて......」


「そ、そうなんですね......」


 おそらく、燐華さんと美湖さんが飲んでいた時、美湖さんが先に酔い潰れた時に勝手に携帯を触っていたので、その時に勝手に連絡先を登録したのであろう。


「志永くーん。美湖ちゃーん」


 ドアの向こうから燐華さんの声と足音が聞こえてきた。

 ドアからガチャリという音が聞こえると、ドアが開き、燐華さんの顔が出てきた。


「くっさ!」


「うぅ......!」


 異臭と共に。



 俺と美湖さんはあの後すぐさま近所のコンビニでマスクと消臭剤を購入し、消臭剤をまき散らしながら燐華さんの部屋へと突入した。


「燐華さん。用事ってもしかして......」


「うん! 掃除手伝って!」


 燐華さんは掃除機とゴミ袋を俺たちに手渡そうとしてきた。


「ここまで汚いと流石に苦情がね......。えへへ」


 燐華さんは照れながら頭をかいた。

 それに対し俺は呆れつつ頭を抱えていた。


「それで、俺たちに手伝ってほしいと......。美湖さん、嫌だったら帰ってもらっても......」


「いえ! やらせていただきます!」


 美湖さんは燐華さんから掃除機を受け取る。


「私、燐華さんに助けてもらったので恩返しがしたいんです!」


 そう言うと、さっそく掃除機をコンセントに接続し、掃除を始めた。


「じゃ、志永くんも!」


「わかりましたよ......。俺も手伝います......」


 俺は燐華さんからしぶしぶゴミ袋を受け取り、掃除を開始した。



 燐華さんの部屋はとにかく汚かった。


 酒の缶や瓶が散乱しており、食べ終えた弁当の容器もゴミ箱から溢れ、同じように散乱している。

 ベッドの上には服が脱ぎ捨てられている。

 床になんか茶色いシミがある。


 これだけ汚れている部屋なのにも関わらず、虫が見つからなかったのは奇跡だろう。


(......すごいな)


 こんな部屋を目の当たりにしても、文句を発せず黙々と掃除を続ける美湖さんに感心していた。


「いやー美湖ちゃん呼んでよかったよー。どんどん部屋が綺麗になってくー」


 ゴミ袋の入口を抑えながら酒を飲んでいる燐華さんも関心する。


「これくらいお安い御用です!」


「いやーだったらこれからも掃除の際は頼っちゃおっかなー、ははははは」


「いやいや、自分でやってくださいよ......」


「えー。美湖ちゃんやってくれる?」


「いいですよ! その代わり、お願いがあるんですが、聞いてくれますか!?」


「お願い......?」


 燐華さんが聞く。


「私を、燐華さんみたいに強い人にしてくれませんか!」


「強い人?」


「はい! 燐華さんみたいに堂々として人助けをできる強い女性に憧れているんです!」


「......私なんか弱っちいけどな......」


 燐華さんが小声でそう言った。


「え、なんですか?」


「わかった! 掃除のあとに美湖ちゃんに教えてあげるね!」


「はい! お願いします!」


「よーし。じゃあすぐに掃除終わらせよう!」


「早く終わらせたいんだったらゴミ袋持ってるだけじゃなくて、ゴミを拾ってくださいよ......」


 呆れつつ俺はそう言った。


(しかし、先ほどの燐華さん......)


 先ほど、弱っちいと発言した際、一瞬だけど燐華さんの表情が曇っていたように思えた。

 あの一瞬の表情が、俺の頭から離れなかった。

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