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8話 街道(ライリーの里帰りその1)

第8話 ライリーの里帰りその1

 翌日、ブレイド領へ向かうため朝早く出発する。

エミリーさんももう少しゆっくりしても良かったと言ってたけど、次の宿場までの距離と宿の確保する事を考えて早めに出る事にした。


「泊まる予定の宿場町ならば、もう少しゆっくりしても大丈夫だよ」

「確かにそうですが、それでも余裕をもっておきたいと思いまして」

「そうかい。街道はモンスターは出ないとはいえ、物取りがいるから気を付けなよ」

「はい、気を付けます」

「襲ってきたらわたしが返り討ちにします」

「それでも、襲われな方がいいからね。あと、これは食べ物だよ、宿場町までは食事できる所があまりないからね」

「ありがとございます」


 エミリーさんはパンと酢漬けの野菜を持たせてくれた。


「泊めてもらってありがとうございます。帰りにまた立ち寄りますので」

「この御恩はわすれません。また、会いましょう」

「では、いってらっしゃい」

「行ってきます」

「行って参ります」


 エミリーさんと別れを告げて、ライリーの故郷のブレイド領へ向かう。

この国は王国であるが、ブレイド領は国人領主で自治を認められている。

爵位は男爵であるが、王国への忠誠と歴史的に古い家柄なので王国からの信頼も篤い。

冒険者都市や港湾都市、ブレイド領はの辺りは王国の南西の端で王都からかなり距離があるため自治を増されている。

ちなみに冒険者都市や港湾都市があるのはアレル伯爵領となっていて、冒険者都市が中心都市となっている。

冒険者都市は元は軍事施設として建設されたけど、昔は川が国境で最前線の軍事施設だった。

その後、川の南側も王国領土になったが、港湾都市の南地区と北地区の雰囲気が違う宿場と住宅地というだけではなく

歴史的な事もあったとか、エミリーさんが教えてくれた。

エミリーさんは野菜の店の主さんなのに、歴史に詳しいのはすごいな。

どこかの領主か貴族の家に仕えていたのかな。


 それはともかく、僕たちは街道を歩いてブレイド領を目指す。


「ライリーの故郷はどんな所なの?」

「やはり海辺の町で魚が美味しい所です」

「デュランさんもブレイド領出身と言ってたけど、港湾都市と同じ魚が獲れるけど量が少ないと言ってたね」

「はい、港はありますが地形の関係で規模が小さいです。砂浜もありますが、かなり小さいです」

「そうなんだ。でも、海があるのは内陸育ちの僕からしたら羨ましいな」

「海は確かに良いですが、荒れると恐ろしいです。特に冬は毎日のように荒れて、幼いの頃は特に怖かったです」

「ライリーの実家は海が近いの」

「はい、幼子の足でも行けるぐらいの距離です」

「うらやましいな。僕も一緒にいってもいいかな?」

「…はい、構いません」


 実家の話をしたら、また乗り気ではない。

親と仲が悪いのかなって思ったけど、ライリーだったらはっきり帰らないと言うから違うかな。

それとも僕が彼氏と思われるのが嫌だからなのかな?

エミリーさんに彼氏と言われた時、否定してたかけど彼氏でないのは事実だからいいんだけどなんか複雑な気がする。

ライリーは好きだけど、恋愛感情ではなくて仲間として信頼してる…けど、自分でもよくわからない。

考えてみたら、僕は恋愛の事を考えたなかった。


 僕だって男だから女性に対する性欲はちゃんとあるけど、ライリーはもちろん、クロエやソフィアを性的に見た事はない。

ただ、ライリーは酔うと脱ぐし、ソフィアは身長がクロエより小さいけど胸が大きいからついつい気なってしまう。

クロエは…妹みたいだから性的に見ないけど、これはこれおでクロエに失礼かな?

でも、クロエは小動物みたくかわいがりたいって感じだから、やっぱり性的に見えないしクロエも僕を男として見てないと思うな。

そういえば、ライリーは僕をどんな風に見てるのかな。

パーティーの仲間だけど、それ以下でもそれ以上でもないかな。

ただ、僕の事を護りたいって思ってるけど、それは護衛の仕事だからかな。

でも、僕が直接護衛を頼んだわけでないし、護衛だけど距離感が意外と近い気がする。

手を繋いだはしないけど、手を伸ばせばもしかして繋いでくれるのかな?

って何を考えてるんだ僕は。


 ライリーってかわいいと言うよりは綺麗って言う感じかな。

髪は金髪のミディアムショート、目は碧眼で目じりはちょっと垂れているけど、それでいて精悍。

顔はどちらかというと面長だけど、長いと言う訳ではなくて大人っぽい感じ。

顔の輪郭も目鼻立ちもバランスが良くて、大人だけどまだ少し少女みたいな感じがいいなって僕がライリーをじろじろ見てるみたいじゃないか。

どうしよう、なんかライリーを変に意識してきたかもしれないけど、今までこんな事は無かったのに。

そうか、港湾都市で危ない目に会ったから勘違いしてるんだな。

もちろん、パーティーの討伐で危ない目があったけど、他のメンバーもいたから意識しなかったけど

今回は2人で、手を繋いで逃げたから変に意識したに違いない、絆はあるとけど仲間としての絆であって恋愛じゃないよね。

僕は無理やり納得させたけど、やっぱり気になる…。



 先程からブレインがわたしの方を見て、いろいろ表情を変えてます。

何か考えているようですが、ブレインは深く考えると立ち止まる癖があるのでちょっとした考え事でしょう。

ただ、わたしの顔をちらちらとみている感じがします。

ブレインはわたしよりちょっと背が高いのでほんのちょっと見下ろされていますが、目線はわたしの顔を見てるいる様です。

顔に何かついているのか気になりますが、ブレインははっきり言う方なので何もないでしょう。

でも、何度も見られると意識してしまいますが、実はブレインもわたしが気になるのでしょうか?

表情は変わっていないはずですが、イーサンは自分が気づいてないだけで顔に出てると言っていたのでどうでなんしょう。

心の中ではブレインに見られてちょっと嬉しいのですが、深い意味はなてわたしが勝手に思っているだけかもしれません。

それに、わたしは今はブレインの護衛として一緒に居るのです。

浮かれて危険を見逃したら、本末転倒です。

でも、ブレインに見られるとどうしても意識してしまいます…。


 ブレインは痩せていますが、貧弱ではなくて筋肉が意外とついています。

ただ、わたしが冒険者になりたての頃は、今よりももっと細くてて失礼ですが貧弱な身体でした。

それが今では細いながらもしっかりと筋肉がついてて、意外と男性らしい体型です。

顔は年齢より少し幼いと言ってもいいかもしれませんが、笑うと笑顔がかわいい。

わたしはその笑顔が好きなので、ブレインには笑っていて欲しいです。

そうです、わたしは護衛なのだからブレインを護るのです。

街道は比較的安全と言っても、エミリーが言ってた通り盗人が出ます。

急いでいてぶつかったふりをして、お金をすったり、大事な商品が壊れたと言ってお金を取るらしいです。

幸い、今のところは街道を行く人は少なく、わたしがいかにも護衛とわかる姿なので皆避けていきます。

しかし、手練れは少しでも好きがあれば盗んでいくので、警戒は怠りませんがブレインが見てくるので気になってしまいます。



 今日は天気が良く、秋の風が心地よくて順調進んでいるけど、日が高くなってくると秋とは言え歩くと暑くなる。

港湾都市を出てそこそこ経つけど、日の高さから昼のちょっと前言った感じかな。

時間的にそろそろ1回休憩を入れてもいい頃で、おなかも少し空いてきたかな。


「ライリー、そろそろょっと休もうか」

「そうですね、歩いていたら少し空腹になりましたし」

「あそこの木の陰が良さそうだから、あそこで休もう」 

「わかりました」


 街道の脇にある木の下で僕たちは一息ついた。

歩いた後だと、木陰だとちょうといいぐらい。

水で喉を少し潤わせて、エミリーさんが持たせてくれたパンにエミリーさんが作った酢漬けをのせて食べる。

塩気と酸味が歩いた疲れにはちょうどいい味だった。


「おいしかったね」

「ごちそうさまでした」


 食べ終わって少し休むけど、目的の宿場町までは大体半分ぐらいの所まで来たと食べる時にライリーが言ってたな。

今の所は何の問題もなく来てるけど、このまま何事もなくつければいいんだけど。

僕は朝早かったので少しうとうとしてきたけど、こんな所で寝ちゃだめだ。

暖かいと言ってももう秋だし、木陰だとちょっと冷えるから風邪をひくかもしれない。

さらにこんな所で寝てたらお金を盗まれるかもしれないけど、朝早かったからちょっと眠い。

寝てはだめとも思ったものの、気づいたら瞼を閉じていた



 エミリーに持たせてもらったパンを食べると、ブレインが眠そうにしています。

こんな所で寝てはいけないと思いますが、気づいたら眠ってしまいました。

起こした方が良いのですが、気持ちよさそうなので少しこのままにしておきましょう。

ただ、街道沿いのこんな所で眠っているのは危険です。

物が盗まれるのはもちろん、人攫いもいますので。

モンスターに襲われる危険性はほぼないですが、それでも時々モンスターが出る事があります。

しかし、ブレインも気持ちよさそうに眠っています。寝顔も子供のようです。

もし人目が無かったら…いえ、わたしは何を考えているのでしょう。

でも、今は人通りが少ないようなので、今がチャンスかもしれません。


 わたしは人通りが途切れた所を見計らって、わたしは顔をブレインの寝息を感じる距離まで近づける。

あと少し近づけは唇と唇が触れるぐらいの距離。

胸が高鳴りますが、わたしはまだ口づけをした事がありません。

ブレインはした事あるかわかりませんが、時々クロエがふざけて頬にしてるの見た事あります。

クロエみたいな性格ならばちょっとしたおふざけと誤魔化せるのですが、わたしには無理です。

それに、眠っている間にするのはどうでしょう。

やはり、初めてはお互い同意の上雰囲気がある場所で…わたしは何を考えているでしょうか。

でも、口と口でなければ…わたしが色々考えてると


「ライリーが眠っている男を襲うなんて以外だなー」


っと突然声を掛けられましたが、この声は師匠です。


「し、師匠がなぜここに」

「言ったでしょ、わたしもついて行くって」

「そうでしたが…こんな堂々と出てきて良いのですか?」

「それも言ったけど、ダメにだよ」

「それではなぜ…」

「だって、かわいい弟子が男を襲ってる所見たら木になるじゃない、かわいかったおじ…」


 師匠がお嬢様と言いそうになったので慌てて口をふさぐが、師匠はすぐにわたしの手を払う。


「ライリー、なにするんだよー」

「師匠、耳を貸してくだい」

「いいけど…」


 師匠にブレインにわたしが領主の娘という事を話してない事を教えた。


「なんだ、隠してたのね。でも、行けばどうでばれるじゃん」

「そうだとしても、師匠の口からではなく自分で話したいのです」

「そうか、わかった。しかし、ブレイン君はこんな所でよく眠れね。ライリーが襲うとしてたのに」

「襲っていません。あと、ブレインはどこで寝れるのです」

「それじゃ、顔を近づけて何をしてたのかな」

「そ、それは…」


 わたしは答えに窮するますが、師匠はニヤニヤ笑っています。


「いやぁ~、ライリーがこんな事する娘だと思わなかった」

「わたしもそれなりの年齢です…」

「年齢の問題じゃなくて、寝てる男を襲うって事だよ」

「…寝顔を見てたらつい」


師匠に隠し事をしても無駄なので、はっきりと答えたら師匠が耳元で。


「そんなにブレインが君が少なのかな?」


と言われて小さくうなづいたが、師匠はまたニヤニヤ笑った。


「ほうほう、ライリーちゃんはこんなタイプがお好きですか」

「からかわないでください」

「そんなつもりじゃないけど、かわいい弟子に好きな人が出来たと思うね」

「わかりました。ところで師匠はご結婚はまだなのですか?」

「そ、それは…」


 師匠は36歳ですがまだご結婚していないようです。

ただ、師匠は男性より女性が好きらしいのですが。


「だって、女性同士では結婚できないし…。一応、彼女は居るけど…」

「師匠は本当に女性が好きなのですね」

「昔から言ってるけど、本当だって。あ、ライリーはそんな目で見てたいから安心してね」


 この言い方は言い方でわたしに魅力がない様で複雑ですが、かといって弟子に手を出されても困りますが。


「とりあえず、あたしの事はいいから、ライリー、がんばってね。ブレイン君もそろそろお目覚めみたいだし。それじゃ、あたしはまた隠れるからがんばりなよ」

「わかりました」


 師匠は木の上に登り身を隠しますが、身長はわたしより低く見た目も私と変わらないので本当にわたしより

年上なのか時々疑いますが、胸だけは…わたしより大人です…。

それはともかく、師匠がついてきている事をすっかり忘れてましたが、気配を感じ取れないのは流石師匠です。


 何やら話し声がしたような気がしたけど、僕はあのまま寝てしまった。

どれだけ眠っていたかわからないけど、こんな所で寝てしまったのはちょっと危なかった。


「目が覚めましたね。わずかな間眠っていました」

「ごめん、気づいたら寝ちゃって。何か話し声がしたが何かあったの?」

「歩いてた方がこんな所で寝ると危険と言われたので、わたしが護衛しているので大丈夫と話していました」

「そうだったのか、ごめん」

「気にしないくても大丈夫です。では行きましょうか」

「そうだね」


 僕たちは再び歩き出して、宿場町へ向かった歩き出した。

しかし、かすかに聞こえた感じだと女性と話してた気がするけど、気のせいかな。

確か、ルイーズさんがついてきてると言ってたけど、実はルイーズさんだったかも。

ただ、ルイーズさんが簡単に姿を現すかな。あと、隠れにしても木の上しかないけど、あの木は人が昇ったら折れやすいからそれはないか。

たまたま親切な女性が通りかかったに違いないか。

親切な方だったから、せめてお礼はしたかったけど既に先に行ってしまったからだろうからしかたがないか。



 あたしは気づいたら地面の上に横になってたけど、なぜこうなったかのかというと枝が折れたからだ。

そういえば、この木は枝が折れやすい木だったから、登っちゃダメなのをわすれていた。

幸い、二人人が行った後でよかったけど、見られたら師匠の面目が立たないな。

あと、高さはそれほどじゃなかったけど、受け身を取らなかったらちょっとやばかった。

運よく地上に出ている根を避けたから良かったけど、根にあたってたら結構大変だった。

骨は折れてないと思うけど、結構強く打ったから後に響かなければいいな…。

わたしは立ち上がって二人の後を追ったけど、思ったよりも痛みがある・・・大丈夫かな。

お読みいただきありがとうございます。


里帰り編は予定としては3,4話程度です。

今回と次回は道中での話でなります。


ライリーの師匠エミリーは百合キャラで彼女がいます。

未婚キャラとしても良い買ったですが、1人ぐらい百合キャラが居ても良いかと思いまして。

だた、本編ではあまり関係ない設定です。


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@shiizu17

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