1話 砂漠の魔物
第三章は不定期で更新します
「あっつーい!」
どこまでも続きそうな砂漠を強い日差しを浴びながらゆっくりと歩いていた
「シオリ…叫ぶともっと体力を使うよ」
「キュー…」
いつも元気なキューちゃんも力無く鳴くしネオくんはずっと辛そう
今まではずっと周辺に木があったからネオくんの力が使えていたけど今は全く使えないみたい
「みずー」
歩いては水を飲みそして歩く、柔らかい砂でとても足場が悪いからたまに転んでしまう
幸いというか何故か今までずっと魔物が出てこないからなんとかなっていた
「耳とか尻尾に砂が入ってゴワゴワする…うぅ、もうテント張ってお風呂入って良い?」
「昨日もそう言って少ししか進まなかったよね…気持ちは分かるけどもう少しだけ進んどこうよ」
確かにこのままじゃいつまで経っても砂漠を抜けられないね
ゴゴゴゴ
「なんか地面が揺れてない?」
「揺れてるね…」
少しだけどやっぱり揺れてるよこれ!魔物でも出てくるの?
そう思っていると遠くの方で砂が大量に舞い上がっているのが見えた
「何あれ?砂嵐ってやつ?」
もしそうだったら早くここから離れないと巻き込まれちゃう!
「いいやあれは多分あそこで誰かが魔物と戦ってるね…」
「そうなの?大丈夫そう?」
冒険者とかなのかな?こんな砂漠の真ん中に居るなんて冒険者も大変だね
「うーん…獣人族の男が同じく獣人族でシオリより小さな歳の女の子を守りながら戦ってるね。あの魔物は多分サンドワームで2匹いるよ。男だけならなんとかなってそうだけど守りながらでなかなか攻撃出来てないみたい」
確かによく見ると人影が2つある気がするけどネオくん良くあんな遠くの様子が見えるねってそんなこと思ってる場合じゃないよね
助けた方が良いかな?でも私なんかが助けに入ってもあの巨大ミミズみたいな魔物に何か出来るの?
「ネオくん、あの魔物倒せる?」
「1匹ならギリギリいけそうって感じ…かな」
「キューちゃんはいけるよね?」
「キュー!」
もちろんとでも言いたそうに元気よく鳴くキューちゃん
私たちは出来る限り急いで冒険者?さんのところへ駆けつける
「助けに来ました!1匹は任せます!」
「っ!?助かる!」
大声で叫ぶと男の人は一瞬だけチラッと私を見てすぐにミミズとの戦闘を再開した
子どもの私が参戦してきて何も言わなかったのはそれほど切羽詰まった状態だったからなのかとりあえず助かった
「とりあえず先制攻撃!キューちゃんやっちゃえ!」
「キュー!!」
キューちゃんは凄い速度で巨大ミミズに突撃する
「あんまり体力使いたくないから僕は魔法をつかうよ…ウィンドカッター」
ネオくんが手をかざすと巨大ミミズに小さな傷がついた
ネオくん魔法なんて使えたんだ!いいなー
私も何か出来ること…そうだ!あれになら何かミミズの弱点とか書いてあるかも?
私は生物図鑑を召喚してペラペラとめくる
「ふむふむ、ミミズは乾燥に弱いと――ここ砂漠なんだけどあの巨大ミミズ乾燥に弱いの…?」
とりあえず試してみよう!
「キューちゃん!かえんほうしゃー」
「キュー!」
まるでポ○モン見たいな掛け声でキューちゃんに炎を吐かせてミミズを乾燥させてみる
するとミミズは嫌がるように炎から避け始めた
「効いてる効いてるー!キューちゃんどんどんやっちゃえ!」
ミミズの動きが早くてなかなか炎が当たらない
「キュ?キュー?」
ずっと炎を吐いていたキューちゃんの炎が急に出なくなった
「どうしたの?キューちゃん!」
「…多分魔力切れだね」
急に元気が無くなったキューちゃんをネオくんが抱き抱える
キューちゃんの炎って魔力使っていたんだ…それにしてもすぐに魔力切れちゃったけどあの炎って凄い魔力使うのかな?
「キュー…」
ごめんなさいとキューちゃんが謝ってくる
「うー何かまだミミズの弱点って無いかな…?――お酢が効くの?」
また生物図鑑を開いてミミズを調べるとお酢が効くと書いてあった
「ネオくん!これミミズに向かって投げて!」
「了解!」
私はお酢が入った瓶をネオくんに渡すとネオくんはミミズに向かって投げてパリンッと割れた
「――シオリこれ本当に効いてるの?」
「さあ?でもなんか心なしかミミズの様子がおかしい気がするよ?」
本当にお酢が効いているのかは分からないけど私たちのことを襲わなくなって急に砂の中に潜ろうとしていた
「あっ!こいつ逃げる気だよ」
「まあ、倒さなくて良いならそのまま逃しても良いんじゃ無い?」
確かにキューちゃんがダウンしているし無理に倒さなくていいなら逃した方が良いかもね
こうしてミミズが逃げる様子を眺めていたら後ろの方で見ていた獣人族の女の子が私に抱きついてきた
「わわっ!どうしたの?もうミミズは大丈夫だと思うよ」
男の人の方も既にミミズを討伐済みのようで遠くの方から私たちに近づいてきていた
「……」
女の子は何も言わずぎゅっと私に抱きつき続ける
結構走ったし汗もたくさんかいてるからあんまり近付いて欲しくは無いんだけどなぁ…
少し震えていた女の子を離すことは出来なかった
「怖かったんだよね、もう大丈夫だよ」
よしよしと頭を撫でると女の子の震えは止まった…と思う




