2話 ドラゴンさんと初めての料理
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「あっ地図も入ってる!」
紙の世界地図、なのに自分の現在地が記してあり細かく見たいところは拡大できる不思議な地図
「近くの街は…結構遠い…でもこの身体なら全然いけそう!」
「あと身分証?見てみよう!」
名前 未設定
種族 獣人族
性別 女
*体力 10
*魔力 1000
*身体能力 15
*総合戦力 1025
*能力 健康、物資召喚、エヴァンテの加護
*健康…病気、状態異常にならない、疲れにくい
*物資召喚…魔力量に応じて一度見たものをなんでも召喚する事ができる
*エヴァンテの加護…あらゆることから守る
*は所持者にしか見えない
「えっと、総合戦力?とかは置いといて私、名前ないの?」
そういえばエヴァちゃんがカタカナで自由に名前つけていいって手紙に書いてあった気がする
「じゃあ、私の名前はお母さんに付けて貰ったシオリで!」
名前 シオリ
身分証にもそう書かれた
「それじゃあ置いておいた戦力ってやつみよう」
ゲームも沢山やったしなんとなく意味は分かるけどこの物資召喚ってなんだろう?
「うーん、とりあえず何か…私のマフラー!」
ポンッと目の前に白いマフラーが現れた
「あ、前世のお母さんに買ってもらったマフラー、入院中で外出られなかったけど元気になったらこのマフラーつけて外出ようねって言ってくれた…」
ふと涙が流れてくる
「ううん!悲しんでる場合じゃない!私は今を楽しむんだから!」
とりあえず物資召喚の意味はわかった、ちなみに実物は見てなくてネットで見たものは行けるのかな
「何か、うーん…ダイヤモンド?」
ポンッ
「出てきちゃった…どうしよ、これ」
とりあえず袋に入れておこう…うん
ガサッ
奥の草むらから何か音がする
「ガルルルル」
叫びすぎたのか野生の動物が寄ってきた、よりにもよって獰猛そうな虎
「え、虎?え、え?!」
いきなり絶体絶命!どうしよう!どうしよう!
そう考えている間に虎はシオリに飛びかかろうとする
「あれ?くすぐったい」
思いっきり腕を噛みつかれているのになんともない
「何が起きたの…あっ!エヴァちゃんの加護!」
凄い!こんな鋭そうな牙に噛まれてるのに痛くない
パサッ
また手紙が目の前に落ちてきた
何事にも守るからシオリちゃんは寿命以外で死ぬことは無いよー!ちなみに獣人族は人間より寿命長いよー!
ずっとハムハムと左腕を噛んでいる虎みたいな猛獣を横目に手紙を読む
「エヴァちゃん…やっぱりずっと見ているんだね…」
虎は諦めたのか私を睨みつけてどこかへ行ってしまった、バイバイ
「危なかった…のかな?うへぇーよだれで左腕がベトベトだよぉ」
どうにかして洗いたい…せめて水で流したい
ポンッ
いきなり水の入ったペットボトルが現れた、これもエヴァちゃん?違う、これ私の能力にあった物資召喚かも
とりあえずベトベトになった場所を水で洗い流す、左腕部分がビショビショになってしまったけどベトベトよりはマシかな
自然に乾燥するのを待とう
「便利だなーこの物資召喚」
ゴクゴクゴク
喉が乾いたのでもう一本ペットボトルを出現させて飲む
「こんな勢いよく飲んだのも初めてだなぁ」
少しづつしか喉にものが通らなかったし新鮮な気分!
服が乾くまで木陰で休んだ
「でももし他の動物?魔物?が諦めずに私に攻撃し続けてきたらどうしよう…やっぱりゲームみたいに戦わなきゃいけないのかなぁ、でも私血とか見るの苦手だし…」
パサッ
この世界の生物は血じゃなくて青い半透明な魔力がかわりに流れてるし命が尽きるとキラキラと光みたいになってドロップアイテム残して消えてくから大丈夫だよー!
なんか自然と手紙が落ちてくるね
「そうなんだ!でも戦うってどうやって…ゲームとか使ってた剣は見たことないし動画で刀は見たことあるけどそもそもあんな重そうな剣とか持てないよ、あっ!」
何かの動画で本物の拳銃を撃ってるやつ見た気がする
「試しに召喚してみよう!むむむ、確かこんな形で…」
ガシャン、ドサッ、ジャラジャラ…
「出てきちゃった…弾も…」
「えっと確かここがマガジンで…弾入れて、あれ?セーフティーどこだっけ?あっこのレバーだ!」
これで撃てる状態になったけど実際は怖い
「そういえば銃って反動が酷くて大人でも肩とか外れるって聞いたけど…私大丈夫なの?あとめっちゃ音大きいからさっきみたいな虎とか呼ばない?エヴァちゃん!」
パサッ
魔法の力で音は小さくするし反動は私の加護があるから大丈夫ー!
「本当に返信きた…よし!少し、いやかなり怖いけど撃ってみよう…」
私は引き金に指を置いて目の前の木に銃口を向けた
腕がプルプルして上手く狙いが定まらない、狙いはあの木の変な模様みたいな場所…
「ふぅ…はぁ…深呼吸…」
バンッ
思ってたよりかなり小さい音が鳴り銃弾が飛んでいくが木の模様どころか木にすら当たらなかった
「撃てたけど…こんな近い距離でも外しちゃった、緊急用として持っておくだけであんまり使わないようにしよう」
銃を不思議な袋にしまう
「キューキュー」
「え、何この泣き声?」
近くで何かが鳴く声がする、なんだろう?動物…さっきみたいな怖いのは嫌だなぁ
「怖いけど、様子見てこよう」
さっき閉まったばっかの銃を取り出しプルプルと震えながら鳴き声の先に行ってみる
草むらを手で避けて前へ進むと見たことのない動物?魔物?がいた
手のひらと同じくらいの大きさのトカゲのようなだけど大きな羽が生えている不思議な生き物
「えっと、これがドラゴンってやつ?」
ドラゴン(仮)は目の前に現れた私を一瞬見たがまた鳴いた
いやこれは泣いたと言った方がいいかな
「もしかし無くても多分子供だよね、迷子になっちゃったのかな?あっもしかしてお腹空いてるのかな?」
何食べるんだろう…?お肉かな?
「とりあえず召喚してみたけど食べるかな?」
泣いているドラゴンの目の前にお皿の上に置いたお肉を見せるとさっきまで大泣きだったのが嘘のように泣き止み夢中でお肉を頬張り始めた
「やっぱりお腹空いてたんだね!あー私もなんだかお腹空いてきちゃったなぁ」
うーん、何食べよう…前世だと消化のいい食べ物しか食べれなかったし
…入院する前に一回だけお母さんと作った料理、作ってみようかな
「何年も前でほとんど覚えていないけどなんとなくでやってみよう!」
小さなお鍋にそれを乗せる土台、よく燃える薪を準備して…
「火はライターでいいかな?」
「キュー!」
「あっ食べ終わったの?何?」
ドラゴンさんが薪の前まで歩き口から火を吐いた
「おお!凄い!本当にドラゴンだー!」
「キューキュー!」
ドラゴンは翼を広げて私の頭の上に乗っかった
「どうしたの?私の頭の上なんかに乗って…ここが気に入ったの?」
「キュー!」
「そこまで重くないしまあいいや、火もついたことだし料理やってみよう!」
まず水を入れてキャベツを細かく切る、そしてベーコンも細かく切り最後に鶏ガラスープの素を入れる
「小学生の私でもできた簡単な料理、細かく切ることで消化もしやすい、お母さんと作った料理は楽しかったから簡単でも美味しかった」
程よくキャベツはしなしなになってベーコンもいい色に変わった
鶏ガラスープの素を入れたおかげでとてもいい匂いがする
「キュー!キュー!」
「ドラゴンさんも飲む?」
二つの器を召喚してスープを注ぐ
スプーンを持ってスープを飲んだ
リメイク前ではステータスをかなり高めにしましたがリメイク後では少女らしいステータスにしました。魔力だけは相変わらず高いですが疲れないだけで体力は少なく重いものは持てない身体能力にしました。エヴァンテの加護も痛みを和らげるだけで痛いものは痛いですが部位欠損するほどの攻撃を受けても紙で指を切った程度の痛みです。