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臆病な吐息 200字以内

情けなく喉が震える。


渇望した機会がようやく。

漸く、だ。


丹念に研いだナイフは光を反射し、眩しく刃物であると主張する。

赤く、熱く、染められることに歓喜が抑えられない。


昏倒した獲物表面にぷつりと刃先を当てる。

軽く動かせば描かれる赤い線。

悲鳴がなく残念だが、暴れられたくないので仕方ない。


ゆっくり、静かに、執拗に、解体を楽しませてもらおう。


臆病な吐息とも、絶望の涙ともお別れだ。

お前を葬り世界は生まれ変わる。



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