第六話 契約
!!
暗いけど・・・見えるな。
目の前に居る一人の子供と目が合った。
うわ・・・驚かれた。
すると急に扉が破壊された。
誰か・・・ドア?を壊して入ってきた?
この音、やっぱり鎧か。それにあの格好、どこかの騎士・・・いや、兵士か?
!!
あれは・・・血?・・・この匂いって人間の・・・ってことはこの兵士は人間を殺したのか?!
すると急に機械的な音声が流れてきた。
<恐怖完全耐性を獲得しました。>
そんな音声が聞こえたら恐怖がなくなった。
<神様より言語理解の能力が届いています。>
<受け取りますか?>
え?・・・何? 今の声・・・。
よくわかんないけど貰っとくか。
<言語理解能力を獲得しました。>
その声が聞こえたと同時に今まで聞き取れなかった言葉が聞き取れるようになった。
まずいな・・・このままだとこの子供・・・殺される。
なんとかできないか?と思っているとまた機械のような声が聞こえてくる。
<提案します。>
<契約魔法を使用して下さい。>
契約魔法?・・・ってか俺魔法とか使えるの?
誰かわかんないけど・・・やってやるよ。
<契約魔法は相手が承認しないと発動致しませんのであらかじめご了承下さい。>
すると体が発光しだした。
ドアが壊されて鎧を着た兵士が入ってきた。
この白い獣だけは絶対に殺させない!!
「この白い獣に近づくな!!」
兵士の剣は血がべっとりとついている。
「ッチ・・・まだガキが生きていやがったか」
「まぁいい、すぐにお前も他の奴等と同じ場所に送ってやるよ!」
兵士とは思えない言葉遣い・・・でも・・・まだ、ボクは死にたくない!!
うわ!!
何かが・・・光ってる?
その眩しさに思わず目を閉じてしまう。
すると、聞いたことの無い声が聞こえてきた。
<貴方宛に契約魔法の承認が求められています。>
<許可しますか?>
契約魔法?、聞いたことの無い魔法だ。
でも、誰がこんな・・・。
この部屋に居るのは兵士とボクとそこの白い獣だけ。
「まさか・・・この白い獣?!」
今この状況をなんとかできるのなら・・・ボクは。
「いいよ」
すると急に体が薄っすらと発光する。
何が起こったんだ?
「貴様、今何をした!」
突然兵士が切りかかってきた。
やられる!! そう思ってボクは目を閉じる。
しかし、何時までたっても痛みが来ない。
不思議い思って恐る恐る目を開けると・・・。
兵士が斬りかかる様な体勢で凍り付いていた。
一体、何が起こった?
急なことで理解できずにいると声が聞こえてきた。
『声は・・・聞こえてるか?』
『聞こえてるなら・・・返事をしてくれ』
「え?・・・この声って・・・」
『聞こえてるみたいでよかった』
「え、、えっと・・・さっきの兵士を凍らせたのは貴方ですか?」
『そうだな・・・契約者を守るのは当たり前だろ?』
「あ、そうなんですか」
『敬語じゃなくていいぞ?』
『俺から一方的に契約したみたいなもんだから』
えぇ・・・どうしよう・・・村の人達になんって説明すれば・・・。
『村の住人だけど・・・多分生き残ってるのはお前くらいだと思う』
「え?」
その言葉を聞いたボクは急に頭が真っ白になって何も考えられなくなった。