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転生したら狼になってた  作者: 白黒
第二章
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第二十四話消えたノールを探しに

完全な静寂が訪れたと思っていたら声が聞こえてきた。

「なにをしているのですか!!貴方は!!」


怖ッ!!めっちゃ怒ってる!!まぁ、当り前だけどさ?だってこの方が手っ取り早いと思ったんだよ。ノールを見つけるのには。


「で、説明して頂きましょうか。何故こんなことをしたのかを」

ギルマスの長い長い説教がようやく終わった。


やっべぇ、ずっと座ったままの体制だったらか足がガクガクしてるんだけど…。


『いや、ノールの気配が全く無くなってちょっと焦って……。反省はしてるけど、後悔はしてない』

「……まだ怒られたいですか?」

『いや、契約者の気配が急に消えたら誰だって焦るだろ?実際に俺の気配察知でも感知できなかったし、匂いを追って行こうとしたって、薄すぎて特有能力の超嗅覚まで使ったのに全然見つからなかったし……』

「!!一体…何が起こったんですか!?」

『うん、それは俺が一番知りたいことだな。ギルドを出て、宿に居るはずのノールを探そうと思って気配察知を使ったら何処にも気配がなかったんだよ』

「しかし、特有能力の超嗅覚を使用しても見つけられなかったから凍らせた方が早いと思ったわけですか……」

「うーん、この氷はすぐに解除することは出来ますか?」

『ん?それは大丈夫だ。何なら今すぐにでも解除しようか?』

「いえ、まだ大丈夫です。どうやら、貴方が凍らせた町の中で動ける者は私だけの様ですので」

『そう言えば、何でギルマスは動けてんの?』

「最初会った時に気づいたかもしれませんが、私はエルフです。ですが、そうやらその中でも希少なハイエルフと呼ばれる種のようで、運よく私は凍結の完全耐性のスキルを有していまして」

『エルフだとは思ってたけど、上位種であるハイエルフだったんだな』


凍結への完全耐性って、最初に森で会った最上位悪魔も持ってたよな?

もしかしなくてもこのギルマス…世界序列入りしてるんじゃ?


『なぁギルマス、もしかして世界序列に入ってる?』


ギルマスは一瞬目を見開いたがすぐに元の顔に戻った。


「やはり、貴方にはバレていましたか。えぇ、その通り、私は世界序列に入っています。無論、神獣様と比べるなど出来ない程下位の方ですがね」


あ、やっぱり入ってたんだ。通りであの威圧と凍結を完全無効出来てるわけだよ。


「しかし、困りましたね。ではノール君は一体何処に行ってしまったのでしょうか?」

「人を一人何の準備も無く突然転移や誘拐することなんてほとんど不可能、ましてや神獣と契約している人間を転移させたりするなんて事……」

「しかし、知らずにやったとしても鑑定をすればすぐに分かるはずなんですがねぇ」

『多分、鑑定しても意味ないと思うぞ?神獣と契約した者はギルドに置いてあった水晶の鑑定を誤魔化せたくらいだ』

「なっ!!水晶を欺いたのですか?ギルドに置いてある水晶は全てを鑑定できると言われていたのですよ?」

『いや、実際表示されなかったんだし、ノールのカードにも神獣の契約者なんて称号どこにもないだろ?』

「それは確かにそうですが、しかし、先ほども言いましたが入念な計画をしていなければ神獣様に気配を悟られずに転移や召喚などは不可能なはずです」

『じゃぁ、気配を消す道具とか転移させる道具とかはないのか?』

「あるにはありますが、使用するには莫大な魔力が必要でして、一人では絶対に使うことは出来ません」

「転移の魔道具の場合は宮廷魔導士五十人分くらいの魔力が必要です」

『となると一人ではほぼ不可能に近いな』

「ほぼ、ではなく絶対に不可能です。人一人でそれほどの魔力を持っている人間が居れば間違いなく世界序列に入っていますよ」

『それはあくまで公表していたらの話じゃないか?もし、隠蔽魔法で魔力の保有数値を隠蔽、または偽装が出来ていたとするならどうだ?』

「それは、あり得ませんね」

「そもそも。あの水晶の鑑定機能が欺かれたのだって今回が初めての事例なんですよ?」

「そんなこと、貴方以外には絶対に出来ないと思いますよ?」

「神獣でさえもしっかりと鑑定出来たほどなのですから」

「まぁ?貴方は別としますが」

『あぁ、うん、まぁそれは良いとして、ノールの居場所が分からないことの方が問題だ』

「えぇ、私もノール君を探すのを手伝いましょう。幸い、まだこの町で動けるのはどうやら私一人だけみたいですのでね」

「まぁ、この町には居ないのはほぼ確定でしょう。貴方が発動した絶対零度の箱庭にもノール君らしき反応は無かったのでしょう?」

『あぁ、凍らせることが出来たのはこの町と隣の町の半分までだ。それに、超嗅覚を使ってもノールの匂いが殆ど残ってなかった』

「と、言う事は、一度王都まで行ってしまいましょうか?その方が見つかる確率は上がるかもしれません」

『それもそうだな。王都がどんな場所かも知らないし、でも、ギルマスはギルドの仕事はどうするんだ?』

「あぁ、それなら問題ありません。私が居なくなってもウルが居ますので問題なくギルトは回ります」

「それに、久しぶりに王都のギルドに顔を出したかったですしね」

「さぁ、それでは、解除してくださいますか?絶対零度の箱庭を」

『あぁ、分かった。でも、すぐに動き出すかは分からないからな?』

「えぇ、私の予想ですが、小一時間は動けないと思います。まぁ、副ギルマスなら三十分で動けるようになると思いますが」

「さぁ、ノール君を探しながら王都行きますよ!!」


こうして俺とギルマスは突如姿を消してしまったノールを探しながら王都を目指した。

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