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転生したら狼になってた  作者: 白黒
第二章
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第二十二話 報告

しばらくして、階段を慌ただしく降りてくる音が聞こえ、ギルマスが駆け寄ってきた。


「・・・兎に角、私の部屋まで来てください」


そう言いギルマスを呼びに行った受付嬢に俺をギルマスの部屋まで連れてこさせるように指示を出した。


「えっと、では私の後に付いて来て頂けますか?」


そういうと受付嬢はゆっくりと後ろを気にしながら歩き出した。


入る前に一メートルくらいにまで縮めといて良かったな。もし元の大きさで入ってたら間違えて討伐されてたかも・・・。


「着きました。ここがギルマスの部屋になっております。少し、ここでお待ちください」


考え事をしながら歩いていたら、いつの間にかギルマスの部屋の前にまで来ていた。


「ギルマス、失礼します。さぁ、お入りください」


そう言い受付嬢は扉を開け、中に入るように促した。


俺が部屋に入ると受付嬢も一緒に部屋の中に入ってきた。


そして、俺はギルマスの前に座った。


「では報告を聞きましょう。あ、それと彼女は普段は受付をしていますが、私の助手なので心配しなくても大丈夫ですよ」


『そう言う事なら良いか』


「ご同席させて頂き感謝いたします」


ギルマスの助手がそう言い頭を下げてきた。


『で、報告だけど、どっちから話す?森の調査か、フォレストウルフの討伐についてか』


「では、森の調査からお願いします。私もそこが気になっていたので、フォレストウルフの討伐はただの建前でしかありません」


『分かった。森の調査の結果だけど、妙な気配を感じた。悪いがそれが何の気配なのかは突き止められなかった。ただ、物凄く嫌な気配だったのは間違いない』


「そう、ですか。やはり、私の予感は当たってしまいましたか」


と、ギルマスは神妙な面持ちで言葉を零した。


『じゃ、次だな』


「はい、一応建前ですが、報告をお願いします」


『フォレストウルフは一応は討伐したんだが、別の場所から来たフォレストウルフを討伐させてもらった』


「ん?それは何故そんな面倒な事を?」


あ、やっぱり気になるよな。


『まぁ、まだ話には続きがある。今後、俺とノールがこの町に居る限り、森の調査は不要になった』


「なッ!!それはどういうことですか?!」


『あぁ、今から説明する。実は、フォレストウルフが俺に加護を求めて来てな。その見返りとして、あの森の調査はフォレストウルフが請け負った。だから、調査に行く必要は無くなった。もし万が一のことがあれば、フォレストウルフの長が俺に念話を飛ばしてくるみたいだから』


「か、加護を与えたのですか?貴方様が?!」


ギルマスの目がこれでもかってくらいに見開かれてる。正直、ちょっと怖い・・・。


『最初は与えるつもりはなかったんだけど、成り行きでそうなった』


「そ、そうですか。これでは下手にあの森には入れそうにはありませんね」


『いや、入って依頼をするのは問題ないと思うぞ?』


「それはどういう事でしょうか?あの森は貴方様の加護を持ったフォレストウルフが居るのでしょう?下手に近づいて万が一のことがあれば!!」


『そのことについては俺がフォレストウルフの長に話を通して、問題ないと了承を得ている』


「そ、そうですか。調査だけでそこまで・・・」


『が、しばらくは今日行った森には近づかない方が良いと思う』


「えぇ、それはそのつもりでいます。今下の方で一斉に通達している頃だと思います」


早すぎない?俺が戻って来てからまだ三分くらいじゃない?


「それでは、ノール君のギルドカードを一度私に渡して頂けますか?」


『あぁ、でも、俺が喋れるってことは出来れば秘密にして貰いたい。俺はなるべく面倒な事にはかかわりたくはないから』


「えぇ、それは初めて会った時から薄々感じていました。私から言うことは絶対にありませんので安心してください」


「それでは、先に受付まで行っていてくださいと言いたいところですが、先に私の助手の名前を憶えていただきたいのですか、良いですか?」


『あぁ、それくらいなら大丈夫だ』


「ありがとうございます。さぁ、自分の名前と役職を・・・」


ギルマスに促され、先ほどの受付嬢が一歩ギルマスより前にでて頭を下げ自己紹介を始めた。


「どうも、私はギルマスの助手をしています。ウルと申します。呼び方はお好きにどうぞ。大体は受付に居ますので暇な時は相談に乗りますよ?」


「しかし、まさかノール君の契約獣が人の言葉を理解し話すことが出来たのは驚きですね」


そう、目を輝かせながら俺の方を見てくる。


「それではウル、彼を受け付けまで。ギルドカードは私がランクを書き込みますので十分くらい時間を貰いますが、構いませんか?」


『あぁ、構わない。が、変な胸騒ぎがするなるべく早めに頼む』


「えぇ、承知しました」


「では、行きましょうか」


ウルさんはそういうと扉を開け、俺を受け付けまで連れて行ってくれた。

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