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転生したら狼になってた  作者: 白黒
第二章
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第十一話 VSギルドマスター

手に持ってるのは剣、近接型か。だったら遠距離でチマチマ削っていくか。


「では、先手は私からやらせていただきますよ?」


そういうと、ギルマスは一気に距離を詰めてきた。


「セイッ!!」


そんな声と共に一気に剣を俺の顔に向かって振り下ろしてくる。


『っちょ、まじか』


ギリギリでギルマスの攻撃を回避する。


思ったよりも早い、溜め攻撃はあんまりよくないな。


五メートルくらいあった距離を一気にゼロに縮められた。


「考え事とは、随分余裕そうですね」


少し感がていたらギルマスはもう目の前に居て剣を振り下ろそうとしていた。


このままじゃ不味いな・・・。


あの剣を防げるほど分厚い氷の壁を・・・。


ギルマスの剣が振り下ろされた。が、刃が俺には届かなかった。


「ック・・・氷の壁、しかも私の剣を受け止めるほど分厚い氷とは」


あっぶね~、ギリギリ間に合った。


でも、早くこっちも反撃の準備をしないと・・・。


ほんの少し右前足を上げ素早く地面に下した。


すると、一気にギルマスの顔が真っ青になり、その場から全速力で五メートル程後退した。


「はぁ、はぁ、恐ろしいですね、集中していなかったら見逃した居ましたよ」


「ほんの小さな予備動作だけで地表の温度を一気に下げて氷を私の居た場所まで瞬時に到達させるなんて!!」


避けられた・・・予備動作を最小限に抑えたのに。


それに、さっきから変な匂いがする・・・。


物凄く鉄臭い。


「フレイムウォール!!」


ギルマスの声が聞こえたと思ったら数メートル先に炎でできた壁が俺を閉じ込める様にして形成された。


マジかよ!!ギルマス魔法まで使えるのかよ!


ぱっと見だけど、剣術は上級冒険者以上、近距離も遠距離も出来るか・・・。


って、考えてる場合じゃない。数メートル先に形成されていた炎の壁が約一メートル位まで迫っていた。


このままじゃ間違いなく焼け死ぬ!!何とかして炎を消すかしないと・・・。


さっきと同じ様に右前足を先ほどよりも高く上げ、勢いよく地面に降り下ろした。


パキパキッ


そんな音と共に、炎の壁が一気に凍り付いた。


「そ、そんな!!」


ギルマスの驚きと困惑の声が炎の壁だった氷の奥から聞こえてきた。


凍り付いた壁にそっと右前足で触れると、粉々になって崩れ去った。


あ、やっちゃった・・・。


「ははは、洒落になりませんね。これは」


「魔法を、しかも上級炎魔法であるフレイムウォールをあんな簡単に凍らせてしまうとは・・・」


「しかも、その氷を少し触れただけで粉々にしてしまうなんて・・・はぁ、どうすればいいんでしょう?」


ギルマスが俺を見ながら呆れ目で見てくる。


『いや、そんな目で見られても困るんだけど?!っていうか最初に仕掛けてきたのはギルマスの方だろ?』


「うっ、それはごもっともです。」


「それと、無意識でしょうけどそろそろ観客席の方の氷も解除してはいただけませんか?」


「まぁ、契約者であるノール君は無事みたいですが・・・。」


え?うそぉ!!観客席の方まで被害行っちゃってんの?!


それに、さっきからずっとしてる鉄臭さが消えないし、ものすごい視線を感じる。


兎に角今は、早くこの面倒な戦いを終わらせたい。


『解くのは構わないけど、もう終わりでいいだろ?』


『流石にこれ以上やるとこの建物も、ここに居る人間達の命も危ないかもしれない』


「えぇ、確かにこれ以上やると建物が崩壊する危険性があります。しかし、彼等の命が危ないというのはどう言う事でしょうか?」


『実は、ギルマスと戦い始めた時から妙な鉄臭さがあった。それに、客席を凍らせた辺りから嫌な視線を感じる』


「わかりました。ここまでにしましょう」


「では、氷を解除してください。なるべく早く」


『分かった』


氷が粉々になるイメージをして右前足を軽く上げ、戻すとピキッ!!っというひびが入るような音が闘技場内に反響し氷が砂の様にさらさらと崩れて行った。


「特例でBランクまで上げ居てしまいましょかね?」


『いや、さすがにそれはダメだろDランクのままで構わない』


「シロ君の実力を見れば、Bランクでも全く問題無いと思うんですがねぇ?」


『俺のランクは関係ない、ノールのランクが優先だろ?』


「いえ、そんなことはありませんよ。契約獣のランクも含まれますよ?」


「それに、ノール君の弓術をこっそり見させていただきましたが、Bランクでも十分な程技量がありますよ?」


『まぁ、兎に角、次の依頼を達成するまではDランクのままで構わない』


「わかりました。少し、残念です」


「それと、この町にも王都から妙な噂が流れてきていますよ」


「国王が勇者召喚の儀式をひっそりと進めているとか居ないとか」


勇者召喚、面倒事の予感しかしない・・・。


「それと、先程感じていた複数の視線はもしかするとこの町の町長のお抱え騎士達のものかもしれませんね」


「まぁ、しばらくは人目を警戒しておいた方が良いと思いますよ?」


「それに、万が一勇者が召喚された場合は間違いなく神獣を探すようギルドや町長に王令が出されると思うので」


『なんで神獣を探す必要があるんだ?』


「詳しいことは分かりませんが、おそらく加護が目的かと思います。神獣様の加護は万能ですから」


マジかよ。どうなるんだ?これから。


「さらに、世界序列というものも存在します。神獣様は間違いなく上位に入っている可能性がありますので気を付けた方がいいですね」


世界序列?よくわからないけど面倒事の予感しかしない・・・。

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