表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

2日目とんで3日目

 私が異変に気付いたのは、初めて”ソレ”を見つけてから二日が経った頃だった。

 ”ソレ”が再び現れたのだ。今度はネット掲示板でネットサーフィンをしているときに見かけた。


 マウスのホイールボタンを中指で軽快に転がし、書かれた他愛のないログを上に上にと流していく。その中で一瞬、ある種の悪い寒気が私の背中をそっと撫でた。”ソレ”がまたバナー広告に現れたのだ。


「あと、五日?」


 ”ソレ”が二日進んでいる。ホラーでよくある展開、ゼロになった時に見たものは死ぬ。そんなもう使い古されたキャッチコピーが心の中で反芻し、心の波を大きくしていく。もしかしたら、昨日も気づかなかっただけで目撃しているのではないか? そんな疑問が頭をよぎった。


「いやいやいや、あり得ないって」


 誰もいない部屋で一人ごちる。そんなことはあり得ない。そうだ、あり得ない。そう言い聞かせようとするが、一度沸き上がった不安の泡は消えるどころかぶくぶくと増え、食道を塞ぎ喉の奥を圧迫して息を詰まらせる。

 気づけば、私はスマホで”ソレ”について検索をかけていた。だが、結果は端的に言うと大きな成果を上げることが出来なかった。某掲示板サイトのオカルト板や青い鳥で話題を探してみるものの、それらしい話は一切見つからなかった。


 思い切って、ネットの住人に相談をしてみるが、反応は芳しくない。心配してくれる声もあれば、釣り乙といったはなから創作話としてとらえる声もあった。しかし、誰も”ソレ”の解決方法を知っているどころか、”ソレ”を見たことがある人すらいなかった。軽い絶望を持った眩暈が私を襲う。この日はベッドに入っても一睡もすることが出来なかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ