目が赤いのは少しかっこいいと思った
かすかに視界に入る一筋の光。
俺はその光で目が覚めた。
「んっ、どこだここ....」
目が覚めた俺が見た光景は辺り一面殺風景なところだった。後ろには悪役が座ってそうな大きな椅子に綺麗な球体が乗っている。
「なんだこれ....うわぁ!」
俺がその球に触れた瞬間球が激しく光る。
そして頭に流れ込んでくる何か。
光るが収まる。綺麗な球に反射して自分が見える。
いつも通りの自分の顔だ。だが、いつもと違うところがある。
「片目だけ赤いな。それにしてもまさか死んだと思ったら別の世界とは不思議な事もあるもんだ。」
別の世界。異世界。俺はあの球体に触れた瞬間この世界の事を理解した。
どうやら俺は死んでこの世界に来たようだ。死後の世界を唱えるどこかの宗教がたまげるだろう。
「それにしてもまさか魔王とはな、
普通こういうのって勇者とかじゃないのか?まぁ、勇者よりは魔王の方が自由そうでいいけど。」
自分で言うのもなんだが呑気なもんだ。まぁ、あっちの世界には未練なんてこれっぽっちもないしいいんだが。
きっと他の奴がいたら緊張感を持て、とか言われるだろうか。そんなことを言ってくれる奴なんかここにはいないが。
「とりあえず....外でも出るか。」
そう言って俺は異世界への第一歩を踏み出した。
「おぉ....漫画とかとはだいぶ違うもんだなぁ。」
俺が見た光景は辺り一面の森。異世界第一歩としては何とも拍子抜けだ。
「色々歩いて見たいけどなぁ。 魔物とかいるからなぁ。」
あの球体の記憶によるとこの世界は魔物という、それはそれはゲームにあるような凶悪なものであるらしい。
この世界に来たばかりのオレではスライム1匹にすら勝てないんじゃないだろうか。いや、魔王だからスライムぐらいなら行けるか。
まぁとにかくこの世界には魔物という危険性があるため安全と分からないなら迂闊に動かない方がいいかも知れない。
「まぁ、そんな慌てても無駄だし、1回戻るか。確認したい事もあるし。」
そんな様子で我が家に踵を帰っていく俺を見守るものは誰一人いなかった。
マジで誰もいない。悲しいなぁ。
名 ワタル
種族 魔人
クラス 魔王
レベル 1
HP 3000/3000
MP 1500/1500
筋力 800
耐久力 650
敏捷力 400
魔力 670
器用さ 950
運 25
スキルポイント 0
固有スキル 創造 言語翻訳 ダンジョン操作
スキル アイテムボックス
称号 異世界の住人 ダンジョンマスター 運命に巻き込まれし者