表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/39

突撃!魔族の城

長い旅の末、魔王のいるウィルパ城にたどり着いたルドルフ達勇者一行。

城は高い城壁に囲まれており、さらに城壁の前には大勢の魔族の兵隊が

城を守るように立っていた。その数、ゆうに百は超えているだろう。


城の周辺には、この国の王の姿をかたどった物なのか金色の像が立ち並んでいる。

金色の像はとても大きく、またそのポーズも様々で良くも悪くも目立っていた。

ルドルフ達はその像の陰から魔族たちに気づかれないように城の様子をうかがっていた。


『すごい数だな・・・』

「悪趣味な像ね・・・あら?これ金で作ってあるわ。」

「金でか?なんで大黒鳥に持ってかれないんだ?不公平だろ・・・」

「ぴかぴか・・・の、ひと・・・こわ・・・い・・・」


城の様子をうかがうはずが、気付けば目の前の金色の像に話題が変わり、

ローランは金色の鎧を大黒鳥に持っていかれたのを思い出し理不尽だと言い出した。


『また古い話だな・・・って、覚えてたのか!』

「今思い出した。」

「忘れさせてあげましょうか?」

「いやいい。この戦いが終わったら取り戻しに行く。」


大黒鳥に奪われた鎧のことを思い出し、終わったら取り戻しに行くと言ったローランに、

ルドルフは「それは死亡フラグだ」と発言するゲーム中の主人を思い出した。


『それで、どうやって中に入る気なんだ?』

「突っ込んでもいいが、さすがに数が多いな・・・」

「あぶ・・・ない・・・」

「あんなにいたら、何匹倒したか分からなくなっちまう。」

『なんで数えるの?それ必要なの?』


危険よりも倒した数を重視するローランに、慣れてきたとはいえ呆れるルドルフ。

なにか知恵はないものかとリーティエンドを見ると、彼女はぶつぶつと何かを

考えているようだった。ルドルフが声をかけるとすぐにこちらを向いた。


『なぁ、なんかいい方法はないか?』

「そうねぇ・・・」


城の高い城壁と、そこに立ち並ぶ見るからに屈強な魔族の兵隊、

あの魔族たちを相手にするのは骨が折れるだろう。そう考えたリーティエンドは

ぽつりと「仕方ないわよね」と呟いた。

その言葉を聞き取ったルドルフは意味が分からず首を傾げる。


『どうした?』

「・・・魔王を倒し国を、大陸を取り戻すんですもの、多少の被害は仕方ないわよね。」


そう言いながら笑顔になっていくリーティエンドにルドルフは「あ、やな予感」と

本能的にリーティエンドの後ろに回った。その判断は正しかっただろう。


ルドルフが背後に回ったと同時にリーティエンドは呪文の詠唱を始めた。

それは今までの魔法よりもずっと長いものであった。

やがて上空にに巨大な赤い魔法陣が現れると、それに気づいた魔族たちがどよめき始める。

長かった呪文の詠唱が終わったリーティエンドは、城の城壁を指差して魔法を発動させた。

すると、上空の魔法陣から小さな隕石が流星のように次々と城壁に降り注いだのだ。


隕石の衝突で次々崩れ落ちていく城壁。城壁の前に立ち並んでいた魔族たちは

突然のことに驚き逃げ遅れ、崩れた城壁の下敷きになってしまう。


降り注いだ魔法の隕石は、城壁の壁という壁を破壊し、周囲にあった黄金の像も

全て破壊するとピタリと止み、上空の魔法陣も煙のように消えた。


清々しい青空の下、破壊された城壁と像を眺めながらルドルフ達は呆然としていた。


『・・・すごいな・・・』

「・・・みん、な・・・こわれ・・・ちゃ、・・・た・・・」

「これで城の中に入れるわね。行きましょう。」

「よし!突っ込むぞ!!」


ローランが先陣を切り城内へと走る。運よく下敷きにならなかった魔族が

攻撃を仕掛けてくるが、やはりローランには敵わないのかあっけなく倒されていく。


『・・・なぁ、あの金の像、壊してもよかったのか?』


城内への道を走りながら、ルドルフはリーティエンドに話しかけた。

黄金の像は城壁の周囲にもあったが、大半は城壁から離れていた

しかし、その城壁から離れた像にも隕石は降り注ぎ破壊していったのだ。

壊さなくてもよかったんじゃないか?とルドルフは思い口を開くと

リーティエンドはいい笑顔でルドルフに答えた。


「あら、戦に犠牲はつきものよ。それに、きれいになったでしょう?」

『・・・わざとだ・・・絶対わざと壊した・・・』


リーティエンドの笑顔にすべてを悟ったルドルフは「わうー」と呆れたように鳴くと

象の弁償とか請求されないといいなぁ・・・と、破壊された像を眺めながら思うのだった。


城内に入ると、やはりというべきか魔族の部隊が待ち構えていた。

外にいた部隊より人数は少ないが、それでも50人以上はいるだろう。


広いエントランスホールでの戦い。

魔法が使えるリーティエンドが有利だと思われたが、

彼女はここで魔法は使わないと言い出した。


『どういうことだ?』

「さっきの魔法で疲れたから休みたいのよ。だから、頑張ってちょうだい。」

「ふん、お前の魔法なんか必要ない。俺一人で十分だ。」

「わ・・・わ、たし・・・も・・・がん、ばる・・・」


ローランは剣を構え敵陣に突っ込んでいく。マリアナはどこに入れていたのか

大きな木槌を取り出すと、やってきた魔族にスイングして木槌を当てた。

か弱い少女が大きな木槌を振り回す事にも驚くが、さらに驚くべきはその後だろう。


マリアナの攻撃が当たった魔族は、すごい勢いで飛んでいき壁に激突したのだ。


その衝撃の光景に、ルドルフをはじめ魔族を含むその場にいた全員が度肝を抜かれた。


「・・・まさか・・・俺より強い・・・?」

『え、お前、マリアナだよな?偽物とかじゃ・・・ないよな?』

「あ、あの・・・ほん・・・もの・・・です。」

「驚いたわ。・・・でも、一度見ているわねこの光景。」

『えぇ!?そうだっけ?』


リーティエンドの言葉に「うーんうーん」と記憶を掘り返そうとするルドルフ。

そして「あっ!!」と思い出すのであった。


マリアナが大きな木槌でローランの頭を叩き、地面をへこませ記憶を消したことを。


思い出したルドルフは遠い目をし、「なんでみんなバケモノじみてるんだろ?」と

今更なことを口走るのだった。


ローランとマリアナに強さを見せつけられ、魔族たちは誰を攻撃すべきか考えた。

そして、外の惨事を知らない魔族たちは、後ろで休んでいるルドルフと

リーティエンドに狙いを定めたのだった。


『ぎゃー!!こっちきたー!!』

「あ・・・だめ・・・」

「くっ、間に合わん!!」


魔族たちはローランとマリアナの攻撃をすり抜けこちらにやってくる。

そして魔族がルドルフを攻撃しようとした瞬間、爆発音と共に魔族が吹っ飛んだ。


「・・・いい度胸してるじゃない・・・」


ルドルフを攻撃してきた魔族をリーティエンドが魔法で吹き飛ばしたようだ。

自分たちを狙ってきたことに怒っているのか、それとも全然休めなかったことに

怒っているのか、目が笑ってない笑顔でリーティエンドは魔法を放った。


「滅びなさい!!」


リーティエンドが放ったのは水の魔法。

魔族達に雨が降り注ぐが攻撃という感じではなかった。

しかし直後、彼女は雷の魔法を放った。水は電気をよく通す。

水の魔法ですぶ濡れになった魔族たちに雷が降り注ぐ。

魔族たちの叫び声や断末魔が響き、黒焦げになった彼らは次々と倒れていった。


その中にローランの姿があったのは言うまでもなく、マリアナがそれを回復させる。

この場所での戦闘は、ルドルフ達の完全勝利である。


「くそ!また魔法で倒された・・・俺の魔族討伐数が全然増えねぇ。」

『数えてたの!?』

「・・・援軍が来ても面倒だわ。急いで魔王の所に行きましょう。」

『魔王の所って?』

「おそらく上でしょうね。王様気分で玉座に座ってると思うわよ。」

「・・・え、ほん・・・の、まおう・・・み、たい・・・」

『魔王のイメージって大体それなんだな。』


魔王が城の玉座で待ち構える。

それはルドルフの主であるユキがやっていたゲームでもよく見かけるものであった。


『・・・どんな魔王なんだろうなぁ・・・』


ラスボスと呼ばれる魔王は、一体どんな姿をしているのか

ゲームのように変身したりするのかな?など、色々想像を膨らませながら

ルドルフは魔王が待つであろう玉座を目指した。



サブタイトルは思いつくままに・・・

突撃!なんて、晩御飯を見に行くみたいですねーw


最近よく眠れてないので変なテンションで書いてます・・・

キャラのテンションがおかしかったらそれの影響かとw

でも、そのおかげで投稿できてるのでなんとも言えない・・・。

(変なテンションのせいかイメージがわきやすいみたいですw)


さて、ラストダンジョン突入しました。

そしてマリアナが初の戦闘参加。実はローランよりも強いという裏設定が・・・


黄金像がなぜ大黒鳥に奪われなかったかという話は、あれが悪趣味な形だったからですw

彼ら(?)にも好みがあるので、好みじゃない光物は集めないのです。

(だから増えてったという・・)

イメージとしては、ちっこい小太りのおっさんが偉そうに立ってる金色の像・・・かなー?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ