きゅうりさがし
ある人里に、カッパがいました。
カッパは、この里でとれるきゅうりはおいしいときき、川をおよいでひっこしてきたのです。
すみかをつくったあと、さっそくきゅうりをさがしに川をくだっていきました。
ところが、なかなか見つかりません。前にすんでいた里のはたけは川のちかくにあったのですが、この里のはたけは川から少しとおくにあったのです。そんなところまで行けば、皿がかわいて干からびてしまいます。
ちょうどそのとき、川辺で水をのんでいる犬にあいました。
「はじめまして、ワンくん。ちょっとたずねたいのだけど。」
「はじめまして、カッパくん。なんだい?」
「このあたりで、きゅうりはないかな?」
「きゅうり?なんだい、それは。」
「ながくて、人がつくっているやさいだよ。」
「わかったよ。さがしてきてあげるよ。」
「ありがとう、やさしいワンくん。」
しばらくして、犬がかえってきました。
「これかい?」
犬がくわえていたのは、だいこんでした。
「ちがうちがう。もっとほそいのだよ。」
カッパは、ほかの人にたのむことにしました。
空をみあげると、とりがうつくしい声でうたっていました。
「はじめまして、トリさん。ちょっとたずねたいのだけど。」
「はじめまして、カッパくん。なんでしょう?」
「このあたりで、きゅうりはないかな?」
「きゅうり?なんですか、それは。」
「とてもほそながくて、人がつくっているやさいだよ。これよりもほそいものだよ。」
カッパは、だいこんを見せました。
「わかりました。さがしてきてあげますね。」
「ありがとう、やさしいトリさん。」
しばらくして、とりがかえってきました。
「これでしょう?」
とりがくわえていたのは、ごぼうでした。
「ちがうちがう。ほそすぎるよ。」
カッパは、ほかの人にたのむことにしました。
犬が、しりあいのうさぎをつれてきてくれました。
「はじめまして、ウサギちゃん。ちょっとたずねたいのだけど。」
「はじめまして、カッパくん。なあに?」
「このあたりで、きゅうりはないかな?」
「きゅうり?なあに、それは。」
「ほそながくて、人がつくっているやさいだよ。これよりもほそいものだよ。」
カッパは、だいこんを見せました。
「そして、これよりもふといものだよ。」
カッパは、ごぼうを見せました。
「わかったよ。さがしてきてあげるね。」
「ありがとう、やさしいウサギちゃん。」
しばらくして、うさぎがかえってきました。
「これ?」
うさぎがくわえていたのは、にんじんでした。
「ちがうちがう。もう少しほそながいものだよ。」
だいぶん、きゅうりにちかくはなっています。ですが、カッパはつかれてしまいました。おなかがすいて、はやくきゅうりがたべたいのです。
「そうだ。おさるさんはどうかな?おさるさんなら、色もみわけられるよ」
うさぎが、いいました。
「いいね。よんできてくれるかい?」
カッパはたのみました。
「どうしたんだい、カッパくん。」
よばれたさるがいいました。
「このあたりで、きゅうりはないかな?」
「きゅうり?なにかな、それは。」
「ほそながくて、人がつくっているやさいだよ。これよりもほそいものだよ。」
カッパは、だいこんを見せました。
「そして、これよりもふといものだよ。」
カッパは、ごぼうを見せました。
「そして、ぼくと同じ色をしているよ。」
カッパは、自分を指差しました。
「わかったよ。さがしてきてあげる。」
さるはカッパがおれいをいう前に行ってしまいました。
しばらくして、さるがかえってきました。ところが、やさいはもっていません。かわりに、なにか大きな茶色いものをもってきました。
「ぼくはみどりのやさいをもってきてっていったんだよ?」
「ごめん、ごめん。みつからなかったよ。ぼくじゃ、わからなかった。だからね、ぼくはおもったんだ。きみがとりにいけばいいってね。」
「だけど、ぼくは干からびてしまう!」
さるは、茶色いものに川の水をくみました。
「これはね、人がつかうおけというものだよ。これにたっぷり水をくんで、皿をぬらしながら行けばいい。」
中三のとき、受験勉強の息抜きにつくりました。
絵本のつもりだったんですが、絵かくのが面倒だったのでこうなりました。
テキトーにつくったのでテキトーによんでくださったら結構です。