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友人がいないんです!  作者: 小田梨夏子
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「題名:友人がいないんです!

拝啓、ウェンディ様。

久しぶりに連絡を取りますことをお許しください。新生活に慣れぬ事ばかりで、春がが始まりずいぶん経ってからの連絡になってしまいました。


と、ふざけるのはここまでとして、どうしたらいいのーーーー。

本気で悩んでいるんです。周りに可愛い子しかいないんです。私、この通り可愛いとはかけ離れた性格ですし、可愛いは作れる!なんて嘘八百です。そんな簡単に作れてたら、苦労していません。

女の子が本気で可愛いんですよ。分かりますこの苦しみ?

乱暴な姉と横暴な妹に挟まれ、早18年。今さら、お嬢様学校になんて入れられても、猫さえ被れません。できることと言ったら、必殺技!黙って微笑むです。

女たらしのウェンディ君ならどう女の子を扱えば手管を知りに知りすぎているでしょ!

むしろ、私にいつも周りにいる可愛い女の子を紹介してくれてもいいです。

本気でお便り待っています。一刻も早くです。とやかく言わないで、すぐに私を助けてください。


マリエより」


 俺は呆れた。珍しく手紙などが届いていると両朝が渡してきた手紙には同じ頃、都の学校に押し込まれたマリエからだった。別に手紙を書くなどという今さらの行動をしなくても、連絡さえすれば、いつでも会える距離というのにわざわざ手紙にしたためてくる悩みがまた大したものでもないので、放っておいてもいいかなと思うが、そんなことをすれば、後で何を言われるかわかったものではない。特に同じような手紙をマリエの姉や妹に俺の愚痴とともに書かれでもすれば、シスコン気味の姉妹に攻撃されるのは分かり切っていた。さらには、俺の姉さえ巻き込み責められるのが目に見えている。

 だいたい、この質問を俺にするのは間違っている。可愛い女の子など俺の周りには一人もいない。まさしく俺に対しては横暴な従姉妹と姉たちに囲まれ唯一の跡継ぎ候補というのに下手につくのが習性になっている男など俺だけではないだろうか。

 マリエが言う可愛い女の子とは、よくて地位を狙う猛禽類の女、もしくは俺を足掛かりにさらなる旨味をもった獲物を狙う肉食獣だ。それに気づかないのは、マリエが鈍感としか言えない。

 多分、今頃、微笑の貴公子とか陰で言われていると十中八九言い切れる。

 マリエの容姿はどこをどう弄ったのかわからないが、遺伝子が突然変異を起こしたのではないかというほど親戚一同の系統の顔と違う。

 色彩も柔かい、茶色の髪が多い中で、マリエの髪の色は黒。混じりけのない漆黒の黒。瞳は柔かさの欠片がない冷え切った湖の青。アイスブルーの瞳に、一睨みされるとこちらの肝が縮まる思いがする。

 顔の造りは彫が深い。薄い唇は何故か口紅も塗らないのに真っ赤な紅。ここまでくると、魔女の一人ですかなんて、聞きたくなるほど、周囲と造作が違う。

 だが、それも、肝心のマリエの性格が柔かいので冷たい印象にはならない。何がどうなってそんな性格になったか知らないが、マリエの行動は騎士道にのっとている。悪しきを挫き、弱きを助ける。

 できれば、俺もその保護の対象に入れてほしい。切実に。

 彼女の明後日に向かっている見当違いの悩みについて、彼女の行動をこじらせないように答えておこうと、そもそもどこに仕舞ったかもわからないレターセットを探しに引き出しに向かう。

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