卒業前
見慣れた校舎に見慣れた風景、もうこの歩き慣れた生徒玄関までへのコンクリートともあと少しでさようなら。そこの花壇で生きている名前を知らない花とも、飼育委員が育てているウサギやニワトリとも、正面玄関前に立派に立つ樹齢何千年らしい大きな木とも。
あと少しと思うと、今まで見向きもしなかったものや、興味がなかったものまでちゃんと見ておこうと思う。もう二度と見れないってわけじゃない、私は春から高校生になるけど引越しとかしないし寮生活ってわけでもなく、今までどおり家から通うから来たいときにここに来ればいい。
でもそれはなかなかできない、いくら卒業生といえどそんな簡単にここには来れない、もうここの生徒ではなくって部外者だし。スタバみたいに気軽に来れたら良いのだけれど、いや美味しい飲み物や食べ物がなくってもいいから、後輩の様子をふらっと見に来た先輩って感じで。
生徒玄関には後輩がいっぱいいた、今日は何の授業すのかなと気になる。もう私達三年生には授業がないからちょっと寂しい、最後の授業は苦手な体育だったけど良い汗かけて良かった。
靴箱から上履きを掴む、ちょっと黄色く汚れてるけどあと少し履くだけだしいいよね。こんな上履き見たら消臭剤のコマーシャルに出演してる、元プロテニスプレーヤーが出てきそうで暑苦しいけど。洗うために持って帰るのもめんどくさいし、まあこの汚れも思い出ということで。
三年生の靴箱は上履きが多い、皆もう卒業式までこないのかな、来ない人は何してるんだろう? 遠くの学校に行く人は色々準備で忙しいのかな、進学校に行く人は今まで以上に勉強できないとヤバイし今から勉強してるのかな、受験まだの人は塾行ったりカテキョで受験終わった人はもう遊びまくるよね。
私は受験終わったけどあんまり遊んでないな、やることあるしこうやって学校に来てるんだけどね。これしてなかったら私も遊んでるなー、この時期の休みって卒業生だけに与えられた特別な休みだもんね、一生のうちにそう何回もないよ。
「おはようございます」
その時大きくて元気な声が聞こえてきた、生徒玄関前で朝の挨拶をしてるのは校長先生だ。いつもニコニコしていて親しみやすい校長は好きかな、校長のイメージって堅苦しくて責任もとらなくってただそこにいるだけのオブジェって思ってたけど、うちの学校の校長はそんなんじゃなかった。
生徒をとても大事に思っていて、入学式のときに名刺を渡された。そこには「いつでもメールくださいね」と書いてあって、メールアドレスがのっていた。いくらなんでもそこまでするかと当時は引いた、でも校長は学校のトップだしトップに直接自分の気持ちを伝えられるのは良いんじゃないかなと思った。
実際それでいじめがわかって解決した、最近いじめのニュース多くてそれは校長が何もしないせいだと思った、うちの校長を見習ってほしいと何故か自慢したくなった。そんなわけでうちの学校はいじめがない、いじめられたらトップにすぐに知られるから怖いのだろうか。
「校長先生おはようございます」
私も元気良く、中学生らしく朝の挨拶をした。
「おはようございます、佐藤さん作業ははかどってますか?」
「はい、もっと参加者増えてほしいですが、まだ受験生の人もいるのであんまり声かけられなくって」
「そうですかー、あれは皆さんに参加してもらいたいですがしょうがないですね」
「そうなんですよ、一人でも多いほうがやっぱり良いですし」
「気持ちは伝わっていると思いますよ、参加できない人も実は参加したいのですから」
「はい、その人たちの分まで今から頑張ってきます!」
「応援してますからね」
私も校長先生も笑顔だった、何故だか校長先生の前だと自然に笑顔になる、私も誰かを笑顔にできる大人になれたらな。
作業の存在を知っているのは先生たち皆、でも何の作業をしているのか知っているのは校長先生だけ。とくに担任にはトップシークレットにしなくちゃね、ここでバレたら台無しというか感動がなくなりそうというか。
だから当然担任は気になっている、私たちがいったい何をしているのか。卒業式の練習でもないのに学校に来ていることに、受験に出てきそうな問題だけをピックアップする特別授業を受けるわけでもないから、部活の後輩に卒業前に色々教えたりするわけでもないから。
校長先生だけに言ったのは、こそこそ作業していると何か悪いことでもやっているような気がしたからだ。先生たちに見せられないからメンバーが集まったら鍵を閉める、だから余計気になってしまうのだ、三年生は毎日何をしているのだろうと。
私たちの味方になった校長先生は「内緒にするのはとってもドキドキしますね、先生たちには適当に言っておくので大丈夫ですよ」とノリノリだったな。適当に言っておくって何を言ったのか気になるけど、担任は全く三年生の教室に近づかなくなった。それどころか私や三年生を見ると、すぐに何処かに行ってしまう。校長先生何を言ったの? 教えてよ。
廊下を歩く、私の横を後輩たちが走ってゆく。腕時計を見たらもうすぐ授業開始の危ない時間、だから走っているのか廊下は走っちゃいけないのに。生活指導のアイツに見つかったら走るなーってうるさそうだな、私は走りませんよ歩きますよ。
「佐藤先輩おはようございます!」
後ろから聞こえてきた、振り向こうとしたら追い抜かれて階段を上っていった。今のは部活の後輩、可愛いヤツなんだよほっぺた柔らかくて背も低くて妹にしたくてたまらないの。あまりにも私が好きすぎるから多分、いや絶対迷惑だろう。今度なんか奢ってやろう、私の迷惑に付き合ってくれたご褒美……いやお礼に。
部活も楽しかったな、毎朝家族の誰よりも早く起きて寝ぼけ眼をこすりながら朝レン行ったな。夏に引退したけど未だに家族で一番早起きの座は譲っていない、体があの時間に起きるのを覚えてしまったのだろう。キツイことしかなかった気がするけど皆と頑張っていたのは楽しかった、強豪校を倒すために擦り傷や捻挫や怪我をよくした、それだけ気合入っていたんだよね。
熱中できること、夢中になれること、大好きなものを見つけてそれをとことん極めること、これってとっても素晴らしいと思うとっても良いことだと思う。何も好きなことや趣味がない人は駄目人間って言ってるわけじゃないよ、無かったら探せばいい、この世は色んなものが溢れていてそこから興味があるものを見つければいい――なんてね、偉そうなこと言ってるけど私もそういうのってあんまりない、好きなものはあるけどそれを果たして極められるのかは微妙かな。
私が好きなもの、歌うこと、漫画、イラスト、音楽、どれも趣味レベルって感じで好き。歌うことが好きになったのはサングラスをかけた司会者の音楽番組に出演していた女性シンガーがきっかけ、彼女はただ綺麗な言葉を並べただけの薄っぺらい歌詞とは違って凄く胸に響く、何回聴いても飽きないのは響くからだろうか。それで彼女の歌を試しに歌ってみた、歌うのは難しいけど歌えるとカッコイイから練習した、何回も何回も歌って部活並みに疲れたっけ。
漫画を好きになったのは週間少年誌に連載しているどこにでもいそうな家族の日常を描いている作品がきっかけ、少年漫画っていうと手足が伸びて王を目指したり忍術を使って仲間や里のために戦ったりバトルものが多いけどそういうのは面白くて当然、当然のものを読んでるのが馬鹿らしくなって手足も伸びなくて忍術も使わない地味な漫画を読むようになった。少女漫画も良いのだけど、好きだよ嫌いだよって恋愛ばっかも飽きる、それも読んでてキュンとして良いのだけど。その家族漫画は引っ越してくるところから物語が始まる、家族は都会から田舎に引っ越して新しい生活を初めて都会との違いや田舎ならではのことを経験していく。ホント好きこの漫画、皆も読んだらいいのになー。
イラストが好きになったのはたまたま雑貨屋さんにこの人のイラストのグッズを見つけたのがきっかけ、この人の絵はかっこよかったり可愛かったりでそのどっちもが一度に楽しめるのが素敵。だから私の部屋にはこの人のイラストでいっぱい、ポスターとかタペストリーとかTシャツとかぬいぐるみとか。よく小説の表紙とかにも使われているから気になってしまう、でも小説はまだ苦手で難しそうなやつは読む自信がないから読めない。この人のイラストだったら読めちゃうかなー、と本屋さんで毎回悩んでしまう。いつか読みたいよ。
音楽が好きになったのは歌うことと一緒かな、彼女の音楽が好き、彼女をきっけけに色々聴くようになった。お父さんの部屋からクラシック借りたり、お母さんの部屋から洋楽借りたり、弟の部屋からゲームや映画の音楽を借りたりアニソン借りたり。
そのどれもにきっかけってあるんだよね、きっかけは突然現れて好奇心をそそって新しい世界への扉を開けてくれる。その扉の向こうに進むのも、ドアノブを引いて進まないのもまた人それぞれ。
……中学生の分際で何偉そうに言ってるんだろう、今の好きなものだっていつ興味なくなるかもわからないのに、もっと今以上に好きになったら興味なくなるとかないかな。せっかく好きになったものだから大切にしたい、そう思うのは普通でしょう。
チャイムが鳴った、それは廊下に響く、私以外は誰もいない静かな廊下で鳴り響く。ちょっと怖いよねこういうの不気味というか、自分だけ一人ぼっちになったみたいで寂しくなる、まあこの学校には何百人っていう人がいるから一人じゃないけど。
階段を上がる、足音が響く、どこかの教室から起立という声が聞こえる、おはようございます、着席と続いて朝のホームルームが始まる。三階から聞こえてきたのかな、二階は三年生だから授業ないし。それにしても三階の声が聞こえるなんてどんだけ静かなんだ、お腹の鳴る音を出したら一発で誰か突き止められるな。嫌だなそれは、恥ずかしい顔を隠したい。何故か両手で顔を隠す。
二階はより一層静かな感じがした、作業してるはずだから音はするはずなんだけど、ひょっとしてまだ誰も来てないとか? 私だけだったらどうしよう、一人はキツイよさすがに、寂しさと作業量で帰りたくなる。
教室に行く前に学年職員室へと顔を出そう、一応出席名簿にチェック入れないといけない。誰かはいるだろう体育の先生だったら良いな、あの先生若いしお兄ちゃんって感じするし。学年職員室は電気が点いている、声も聞こえてきた、この声は体育の先生だ! やったーお兄ちゃんだ、そういえば皆お兄ちゃんっ言うからそれで定着したな。
「おはようございます」
職員室に入るさいは失礼しますが普通だけどもういいのだ、というかこの先生だといいのだ色々見逃してくれるから。
「おっ佐藤かー、おはよう、もうチャイム鳴ったから遅刻だぞ」
「おはよう佐藤さん」
体育の岡本先生はジャージ姿で座っていた、その正面にいたのはクラスメイトで作業仲間の男子で中野だ。背が高くて髪も短いから見た目は野球少年だけど、運動はあんまりで料理とか手芸とかそっちに才能がいったみたい。なんか勿体無いというか、中野が野球できたらうちの野球部強かっただろう。
「二人で何してるの? 何かよからぬ事を企んではないよね」
私は勝手にコーヒーメーカーを操作し、砂糖も入れてコーヒーを飲んだ。まだ苦かった、私は甘いのが好きだブラックとか飲めたらかっこいいけど。
「アレだよ、アレ。なあ中野」
「そうですね、アレですアレ」
何だこの二人、アレアレって物の名前を思い出せなくて悩んでいるお年寄りみたい。
「私に言えないようなエロいことでも話してるの?」
少しからかってみた、二人ともそういうイメージはないけど。
「違うよ、生徒とそういう話をするのは色々駄目でしょ」
岡本先生は何言ってんだコイツみたいな反応だ、中野はというと無言で頷いている。何だ残念、これじゃないか。
「じゃあ何なのですか、好きなアイドル誰とか好きな女優さん誰とかですか?」
さっきのが違うならこういうのしかもうないだろうと勝手に決めつける、だって中野はもう受験終わってたしこれといって相談することなんかないはずだから。
「それなら大歓迎だぞ、さっきのよりは色々駄目じゃない、保護者さんにも胸をはれる」
「先生は大人数グループのもゆゆがすきでしたよね? 僕はたかみねです」
「おおったかみねかー、総監督大変そうだよな、あんな人数いたら疲れそう」
「先生も体育の授業で皆をまとめていたじゃないですか、だから時間通りに試合できましたし」
どうやらこれでもないようだ、ではいったい二人は何の話をしていたんだろう。何でもかんでも気になってしまうのはマスコミみたいで嫌だけど、この場面に遭遇したから知りたくなる。こうなったらもう最終手段だ、あんまり使いたくないけど嫌な子に見えるから。
「そうですかー、よからぬ相談してたんですね、叫んだら先生どうなるかな」
コーヒーを飲んで体をあたためて、笑顔でそんな事を言ってみた。
「ちょっとそれは困るよ、別に何も企んでないから見逃してくれ、中野が卒業式で気になってる女子に告白するらしくてそれの相談だ」
ナンダッテ、今何か急にぶっちゃけたぞこの体育の先生、それは秘密にしとかないとかわいそうだよ。まあ私が最終手段を使ったのが原因ですが。
「何で言うんですか! さっき誰にも言わない内緒って約束したじゃないですか! ひどいです先生……」
中野は今にも泣きそうだ、大丈夫だ中野、図体大きいけど女子力高いところが好きって女子は結構いるんだぞ。
「スマン……佐藤が俺を変態だと叫んで刑務所行きにするほどの勢いだったから、恐ろしいやつだよ俺は何もやってないのに」
先生まで今にも泣きそうな勢いだ、どうしようただの冗談で言っただけなのにこんなことになって責任はとれないよ。将来は責任がとれる大人になりたいけど、そんなの今言っても嘘にしか思われないね。
「いやそこまで言ってないですよ私、ていうか先生は皆のお兄ちゃんで、好きな先生ランキングで校長先生とだいぶ差がひらいて二位だけど上位ですよ!」
「なんかサラッと失礼なこと言ったような気がするけど、そのコーヒー飲んだら出席簿にチェックしてね」
「はーい」
「中野すまん、春からはもう少し生徒の気持ちを考えるように努力する」
「後輩によろしくお願いします」
ゆっくりとコーヒーを飲んで出席簿にチェックを入れる、中野には何だか悪いことしたから一緒に教室に行こうと誘った。すると中野は頷いた、そして一緒に学年職員室を出た。
静かな廊下、ひんやりとした空気、二人の足音、物凄く気まずいからどこかに隠れたくなった。何か気の利いたことを話せば楽になるんだろうけど、私はデリカシーがないとよく言われるから気の利いたことは言えるか不安だ。
何を喋っていいやら、ああなったのは私が悪いわけだし謝ったほうがいいよね。中野をちらっと見る、真正面を向いているのかと思いきや目があった。
「あの……さっきはごめんね」
「いいよー、こうなったら逆に頑張ろうって思ってきたから」
えっ今なんと、てっきり佐藤はヒドイやつだよ見損なったよと言われるような気がしたからびっくりした。どうやら背中を押したみたいだ、良かったのか悪かったのか、まああとは中野次第だから私には関係ない。
「因みに好きな子って何組?」
それぐらい聞いても良いだろう、こうなったら頑張るんだから嫌がられることはないはず。
「同じクラス」
うわーマジか、今すぐ呟きたい! 中野D組に好きな子いるって、まあそんなことはしないけど。デリカシーない私でもそれはね、さすがに限度ってものはわかる。
「そっかー、いつから好きだったの?」
「一年のときから片思い」
それで卒業式で告白なんてとってもロマンチック、なんだか少女漫画を見ているようで胸のあたりがキュンとする。
「頑張ってね、私は何もできないけど中野を応援してるから!」
「ありがとう」
ニコっと笑った中野は爽やかだ、まるで県大会で優勝したみたいな、まるでノーヒットノーランを達成したみたいな、とにかく野球少年でピッチャーでエースにしか見えなかった。
D組が見えてきた、電気が点いていて声も聞こえてくる、誰かいて良かったとホッと安心する。教室にいるのは誰だろう、亜由美かな早希かな、それとも優一とか武史とか。
あと少しで彼ら彼女らとも別の学校になる、それはとても寂しくて小学生から九年間も一緒だったのに、別々の道を歩くことになるのは私たちが成長した証なんだろうか。四人も今まで通り家から通うからいつでもワイワイガヤガヤできるだろう、ていうかしたい学校が違うからって崩れるような友情ではない。
少し不安になったのは皆忙しくなって遊べないかなって思ったから、優一は卒業式終わったらすぐにバイトの面接に行くって言ってるし。卒業したけれどまだ高校生じゃないけど大丈夫なのかな、春ぐらいに来てねとか言われそう。進学校に行くんだからバイトより勉強でしょ、とこの前同じ学校に行く女子に言われていたな。
亜由美は家の手伝いもあるし時間は全くないだろう、家は飲食店をやっていて腰を痛めたお父さんにかわってお母さんが厨房に立って頑張ってるから。亜由美は将来この店の厨房を任されるのかな、二代目ってことにるね、それがプレッシャーになってないといいけどそれは先の話しって言ってるし今は大丈夫かな。
武史は背が低くて可愛いけどサッカーが得意でサッカーが強い学校に行くみたい、先輩にはプロの人が何人もいるらしいから強豪なのだろう、レギュラー入りは超むずそうだけど武史なら大丈夫! 中学最後の試合で見事にゴールネットを揺らして、ロスタイムで追いついたもんね、ここぞって時に点数入れてくれるからイレブンには絶対必要。
早希は声優になりたいみたい、専門学校に行って発声練習や演技や歌を学ぶみたい。声優ってただ可愛い声が出せればいいってわけじゃないよね、キャラクターにあった声を作らなくちゃいけないし声だけで演技をするのはなかなかできない、将来有名になるであろうと期待を込めて今からサインを貰っておこうそしてヤフオクで売ったら友達として終わってるよね。いやそんなのしないよ、大事に飾るよ私の部屋に。
皆それぞれ目標があって、それを夢じゃなくて実現するために歩き始める、良いなそういうの私にはそれがないから恥ずかしくなる。学校は普通科で適当に決めた、家から遠くもなければ近くもないちょうどいいところってのが春から行く高校に決めた最大の理由かな。頭が良いわけでも悪いわけでもない、なんだろうな普通なのかな特徴がないともいえるけど、だから春から行くところで何か見つけられたらなって。
適当に決めたところで何様だよと自分でも思う、でもさ自分は何がしたいのかなんてまだわからないし早く見つけたからって偉いとも思わない、ただ皆目標があって歩いていこうとするその姿を見ると何で自分だけ何も無いのだろうと恥ずかしくなって虚しくなって落ち込む。
片方ではこれから見つければいいよと言う、片方では目標ないなんて駄目人間と言う、そのどっちも混ざって目が回ることはある。皆目標あって偉いね、好きのものが多いから決められないだけだよ、皆歩いてるけど私は何で止まっているんだろう、ゆっくり考えようよ焦ってもしょうがないしどうにもならないよ。
「佐藤さん?」
お母さんは言ったよ、目標はあったほうが良いけど最終的に何か自分がやりたいことを見つけてそれを一生懸命頑張ったら一緒に笑おうって。お父さんはこう言ったよ、何もないから自分は最低とは思わないこと自分を傷つけるのが一番ダメだからって。二人の言ってることはわかるよ、じゃあさやりたいこと見つからなかったら笑えないの? 自分を傷つけなきゃずっとモヤモヤしたものは留まるんだよ、それを傷つけちゃダメだったら私っていう人間が壊れてもいいの?
そんなのただの屁理屈だ、それもわかっているわかりすぎているぐらいだ、だけどわからない何もわからない、わかっているけどわからない何も。私はそれでも自分に仮面をつけて元気な子を演じている、そうしなくちゃホントに壊れてしまうから。壊れてしまったらもうコントロールできないよね、そうなるのが一番ダメな気がしてオソロシイ。
好きなものは色々あるのに何もないのは皮肉のような感じがする、私ってホント多趣味なのに何もない子だわ。
「佐藤さん? 大丈夫かー」
中野が私に声をかけている、C組とD組の間で立っている私と心配している中野。
「うん、大丈夫、ありがとう」
笑っておいた、上手くは笑えてないと思うそれは自分でも思う、きっと泣いているような表情だろう。
「それならいいんだけど……」
そう言いながらも私を心配する、中野は心の優しい子で自分より誰かを心配している。おせっかいだと思うことはあるけど、今はそのおせっかいがとてもあたたかい。
色々考えちゃったけど作業だ作業、私にはとりあえずこの作業を頑張るって使命がある、使命って言いすぎかもしれないけどそういっておく。
スライドさせて教室に入った、暖房がきいていて暖かい、皆すでに作業を進めていて真剣だった。教室には十人のクラスメイトがいて、その中には亜由美に早希に優一に武史に皆いた。
おはようと皆に聞こえるように朝の挨拶をした中野は早速作業を始めた、私もおはようと言ったけど皆に聞こえたかはわからない。
「おはよー、今日も寒いよね、ここは暖かいから天国だー」
そう言って笑ったのは早希、ハサミで画用紙を切っている。
「天国は行ったことないからわからないよ、南国みたいに暖かいならわかる」
優一は真面目だから困る、ノリが悪いというかね。絵の具で塗っていた、黒色で髪の毛を塗っている。
「南国良いよなー、行きたいなー、プロになったら時間ないなー」
夢も声も大きいのは武史だ、小さくて可愛いから今日もまた頭を撫でたくなる。
「時間といえばこれ間に合うかな? さあ友妃子もやって、この写真そこに貼る」
亜由美がタブレットと睨めっこしながら写真を私に渡してきた、その写真は担任がスパイダーマンのコスプレをしている写真だった。どうしてこうなったかというと、家庭科の時間で何か好きな物を作って着るというレベルが高い課題を出されたからだ。家庭科が苦手な男子は殆どがブーブーとブーイングだったけど、中野は物凄く楽しそうに作っていった。その時何故かスパイダーマン柄の物を作ったから、どうせならこれ担任に着せようぜと誰かが言って無理やり着せた。
写真の中で担任は笑っている、担任のまわりをD組の私たちが囲んでそれぞれ自分が作ったものを着たり持ったりかぶったりしている。
「なんか良いなー」
思わず声を出してしまった、写真の中で私も笑っている。
「ん? 何が良いの、友妃子もコスプレしたかった?」
「違うよ、授業楽しかったなって」
その写真を貼ってと頼まれたが、そこらじゅうに置いている写真に目がいった。
「まあねー、毎日怠かったけど今思うと」
亜由美も写真に目がいく、二人して作業を止めて思い出にふける。
「これ水泳大会のだ、確かポロリあったよねあれは衝撃だった、女子じゃなくて男子のポロリなんて」
「まあ男子がふざけてやったんでしょ、馬鹿よね男子って子供っぽいし」
「こっちは修学旅行だね、京都で歴史を学んだよね、ツマンネーって男子うるさかったっけ」
「和の心も知らなきゃね、八坂神社行きたかったな」
たった三年だけど思い出はいっぱいある、なんだかんだで充実していた楽しかった。
「この文化祭はバンド対決かっこよかったね、亜由美も興奮してたよね」
「そりゃするわよ、弟がベースやってるんだから」
「体育祭も興奮してたね、ほら亜由美のほうが目立ってる」
「だって弟が我が白組のために走って、見事一位で勝利に貢献したんだから」
あれもこれもそれも、どれもが楽しかった写真に写る私たちは輝いているように見えた。
「おいおい、そこの二人サボるなよー! 思い出にふけるって老けたみたいだぞ」
武史が騒がしい、サッカーできないから元気が有り余ってるんだね。
「別に良いんじゃないかな思い出って大切だし、卒業式までには間に合うと思うしゆっくりやろうよ」
優一は落ち着いていて真面目だ、それに武史が噛み付いて騒がしい。間に合わなかったらどうするんだー、どうもしないよその時は中途半端になっちゃうね、それじゃダメダメだろ台無しだよー、台無しかは担任が決めることで僕らが決めることではないよ。
落ち着いてきた、さっきのモヤモヤは今だけは落ち着ける、また帰ったらしつこいんだろうけど。良いなこのクラス、大好きだなずっとこのままがいいな、卒業してバラバラになるのが勿体無いな。
小学校の卒業式は全然悲しくも寂しくもなかった、皆だいたい同じ中学に行くし一緒だったから。私立に行った子もいたから寂しかったけど、今よりはマシだった今はあの時とは比べ物にならないぐらいキツイ。
出会いや別れを繰り返すのが人生、新しい仲間と出会いそして分かれる、また新たな仲間との出会いがあってまた分かれる。それって果たして意味があるのかな、楽しい時間も一緒に分かれるみたいで虚しくならないかな。そりゃいつまでも一緒ってわけにはいかないけど、私にはこれも難しい問題だ。
中野を見る、彼は黙々と作業をしている、タブレット見たりハサミで画用紙切ったり。皆すっかり思い出に浸っていて作業どころではない、こんなに騒いでいたら上の階の二年生に迷惑じゃないかと思ってくる。
私も作業する気にはなれずに適当に写真を見る。合唱発表会の写真、マラソンの写真、入学式の写真、ディベートの写真、職業体験の写真、様々な写真を見る。
すると一つの写真に目をとめた、その写真は入学式のあとに教室に座って担任から入学おめでとうございますとお祝いの言葉をかけられた時のだ。皆今より可愛い、制服もブカブカだ、緊張しているのか姿勢が皆良いのが笑える。当然私も写っている、写真の中の私は姿勢良く座っていて担任の話を真剣に聞いていた。
あの時何を考えていたんだろう、その目には何が写っていたんだろう? これから新しい学校生活が始まるからドキドキワクワク、そう輝きに満ちていたんだろうか目はキラキラしていて、目にうつるどれもが新鮮に見えたのだろうか。
今は何もドキドキしない、かといってワクワクモなくって、輝いてもなく目は眠そうな感じで。春から新しい学校生活が始まるんだからドキドキするかもしれない、ワクワクするかもしれない、でもそれはもう昔のこと今より幼くてモヤモヤも知らなかったから。
まだ中学生だからそんなに焦らなくてもいい、高校生に行ってから考えればいい、そう思って高校生でもこのモヤモヤが続いたらどうする。また私に襲いかかる、目が回る声が聞こえる、仮面をかぶらなきゃいけない。
せっかく落ち着いたけどまたモヤる、自分が写ってるのはなるべく避けよう写ってても見ないでおこう。そのあとも色々写真を見た、そしてチャイムが鳴った。
「佐藤さんちょっといいかな」
朝のホームルーム終了のチャイムが鳴り終わると同時に中野が声をかけてきた、私に何の用だろうか。
「いいよー」
とくに断る理由もないからね、写真見るのももういいやって感じだし。
「じゃあ行こう」
そう言うと中野は教室から出て行った、どこに行くのだろうか気になる。後ろから武史がお二人さんどちらえーっと騒ぐ、すると早希がプロになったら幾ら貰えるのと突然言い出した、武史はその突然の質問に俺はまだプロになる前だからわからんと言い切った。まあそりゃそうだ、私たちはまだ中学生。
スライドして閉めた、中野は少し前を歩いている、少し後ろに私が歩いてあとを着いて行く。階段を下りた、名前を知らない後輩たちとすれ違う、朝のホームルームが終わってこれから一限目スタートで教室を移動しているのか、手には教科書を持っている。
私たちは手ぶら、授業スタートはしないもう終わったから。可愛いあいつは一限目なんだろう、苦手な英語だと初っ端から嫌な感じね。
中野は職員室の前で失礼しますと声を出した、私はあとに続くだけで声を出さなかった。三年生の先生達が座るエリアに担任がいた、私たちが近づくと読んでいた雑誌を机に置いた。
「中野君と佐藤さん、何か用ですか?」
ちょっと声が震えていた、そんなに怖がらなくていいよD組は先生のおかげでいい子だらけよ、校長先生がとんでもない事を言ったのが原因だよと言いたい。
「家庭科室の鍵を使いたいのですが」
「それなら勝手に使って下さい、今は家庭科の授業はないですからね」
「ありがとうございます」
中野は頭を下げて行儀良かった、私は何も言わなくて行儀悪いかも。
「家庭科室に用事があるの?」
ようやく目的地がわかったので聞いてみる、でもまだ何で家庭科部へ行くのかわからない。
「うん、ちょっと荷物が多いから着いて来てもらった」
荷物ってなんだろう、ていうか荷物運びさせる気なの? それなら男子を連れてきたほうが良かったんじゃないかな、私は役に立たないと思うよ。
職員室を出る前に中野は失礼しましたと言った、私も今回は言っておいた。
チャイムが鳴った、授業開始だ後輩たちにとっては今日が始まる。また静かな廊下だ、グラウンドでは準備運動をしている後輩たちが見える。そこには男子しかいない、女子は体育館だろうか、授業さぼって男子の様子を見に行くとかすればよかったかな。体育は男女別々ってのが多いから、水泳のときは女子も男子もチラチラ見て気になっていたな、筋肉すごーいとかね。
「ちょっと待ってね、鍵開けるから」
中野は慣れた手つきで鍵を開けて、どうぞと私を家庭科室へとエスコートした。
「で何の用事なの、そろそろ教えてよー」
とにかく気になってしょうがない、初めから何の用事か言えばこんなに気にならないのに。
「待ってよ、寒いからドア閉めて暖房いれるね」
「いや暖房はいいよ、そんなにここに長いこといないし」
わかったと中野はドアを閉めて、家庭科部への扉へと歩いていく。家庭科室の中に家庭科部の部室があるのだ、部室には色々家庭科の授業で使うものが置いてあって部室というより倉庫みたいな感じ。
中野は家庭科部と書かれた収納スペースの鍵を開けた、すると何やら探しているようで時間がかかりそうだったから、私は部室を出て家庭科室に飾っている写真を見た。家庭科の先生は授業で作ったものを皆で一緒に撮りたくなってしまうみたいだ、頑張って作った物だから記念に写真に残そうってことらしい。失敗したものでも上手にできたものでも写真に撮りますだって頑張って作ったものだから、それで全クラス全学年の写真があるのだ。
「ゴメン待たせたね、奥の方に隠しておいたから苦労したよ」
中野は段ボールを持っていた、なんだか重そうだ段ボールの中には何があるんだろう。
「中には何が?」
そう私が言うと中野は段ボールからスパイダーマンを取り出した、これはあの時の! でも何でこれがここにあるんだ、自分で作ったものは家に持って帰るように言われていたはずだ。私があの時作ったエプロンはどこにいったかわからない、中野も教えてくれたけど申し訳ない。
「これさ、僕が持っていてもしょうがないから担任にあげようかなって」
その目はキラキラしていた、まるで入学式のあとに教室に座って担任から入学おめでとうございますとお祝いの言葉をかけられた時の私のように。
「これあげて喜ぶかはわからないけどね」
そう言って笑った、中野は作業以外にも担任に渡すものを考えていたんだ。私は何も考えてなかった、あの作業で十分だろうと思っていた。
「これは前に作ったやつだから新しく作ったんだ、今度はスーパーマン」
赤と青が段ボールから見えた、これは前のと比べたらちょっとダサいけど何故このチョイスなんだろう。
「まあこれも喜ぶかわかんないけどね」
そう言ってまた笑った、中野はなんだか眩しくて私には辛い。そのキラキラした目が私を焦らせる、私も中野みたいに輝かせたい。
「喜ぶよ、絶対」
「そうだと良いな、いつも僕たちのことを気にかけてくれた担任に僕は何も返せないけど、せめてものお礼にってことで」
ねえ中野、私にこれを見せるため、いや見せつけるためにここに連れてきたの?
「さあ教室に戻ろうか、ごめんね連れてきて」
ねえ中野、私は担任にも親にも友達にも何も返せないよ、迷惑ばかりかけてきたのにさ。
「僕のかわりに鍵閉めてくれる? 両手ふさがってるから」
ねえ中野、私は背が高くてまるで野球少年のような料理や手芸が得意で女子力が高くて優しい君が好きかもしれない、だからさっきから写真で君のことばっか見てた、背が高いから目立つんだよねわかりやすかった。好きだから輝いている君を見ると余計に焦る、こんな私が好きでいても良いのかなって、それにさっき好きな人がいるって言ってたから……応援するとは言ったけどホントは悔しかった、好きと言えない自分に好きと言ってもらえない自分に。
実はね前から好きなの、私もずっと片思いで苦しんでいた。一年二年とクラス違ったから話しかけることさえできなかった、でも三年生でやっと同じクラスになって嬉しかった。普通の友達としてお話をいっぱいした、友達から恋人にはならなかった、でもそれで満足していた同じクラスでいつも会えたから。
けどさ時間は流れてもう卒業前、あとちょっとしか君と会えない君と話せない、春からは違う高校だからもう会うことも話すこともなくなると思うと胸のあたりが痛い。これもモヤモヤの一つなのかな、今さ好きですと言えたら楽になるのかな、楽になったら体がちょっとは軽くなるかな。
ねえ中野、好きです、私は君のことが好きです、そう口にできたら。
「佐藤さん? またぼーっとしてどうしたんだ、風邪だったらヤバイから保健室行く?」
「……いや、いいよ大丈夫、ホントに大丈夫」
言えないよ、私なんかがそんなことは、仮面を付けるだけで精一杯なのに。片方では言って楽になろう、もう片方では言わないほうがいいよ、仮面の左右で意見が異なる。
「あのさ佐藤さん」
そのとき中野が段ボールを床に置いた、そして私の目を見た。
「なに? 中野」
私と中野は見つめ合っている、誰もいない静かな廊下で、冷たい空気が漂う廊下で。グラウンドでは後輩たちがサッカーをしている、校舎では席に座って真剣に授業を聞いているだろう。
「さっき同じクラスに好きな人いるって言ったじゃん」
「うん」
胸のあたりがドキドキする、これは告白されるのだろうか? それならこのドキドキもわかる。
「あれさ、佐藤さんには言うよ」
「え?」
これはもう確定だ、私は中野に告白される、中野は私に告白する。胸のあたりをおさえる。
「好きな人はね」
「うん」
静かな廊下がより一層静かに感じられた、何も聞こえない聞こえるのは胸の音と中野の言葉だけ、そんな感じがした。私は中野の目を見る、中野は私の目を見る、もう今にもキスしそうな。
その時足音が聞こえてきて、それはこっちに近づいていた、中野はため息をついてそっちを見ている。振り向くとそこには担任がいて、私と目があって目が泳いでいた。なんてタイミングが悪い、もうちょっとだったのに、何でこんな時に校長先生パワーがきかないんだ。
「なんですか?」
私は担任に平常心で聞く、ホントは怒りたいけどもうすぐJKのお姉さんだ大人にならなくては。
「家庭科室に忘れ物をした二年生がいてね、それを取りに来たんです。その二年生は確か佐藤さんの後輩でしたね」
可愛くて妹にしたい後輩だが、今はビシバシ躾けたくなった、何で忘れ物するのよ普段しないのに。
「なら鍵どうぞ、私たちは教室に戻りますので」
頭を下げて先に歩く、後ろから失礼しますという中野の声が聞こえる。大股で急いで歩く、別に怒ってなんかないイライラもしてない、じゃあ何で握りこぶしを作ってるんだろう。
階段が見えてきた、さっさと作業に戻ろうと急ぐ、なんだろうこの気持ちはモヤモヤでもなくってイライラでもなくって。
「ちょっと待ってよ佐藤さん、そんなに急がなくても」
振り向くと中野は私より背が低くなっていた、階段のおかげだ。
「ごめん、勝手に先に歩いて」
「まあタイミング悪かったからね、僕も怒りそうになったよ」
私は階段を一段下りる、まだ私のほうが階段のおかげで背が高い。
「さっき言えなかったけどあの続き言って?」
二段、三段とおりた。
「うん」
四段、五段、背は抜かされた。
「僕は佐藤さんが好きです、ずっと片思いでした」
彼と同じところに立って、私は涙を流した。これが嬉し涙なのかな、気持ちいいね嬉しい涙は。
「私もずっと片思いでした、ずっと好きでした」
私は泣いた、それは静かな廊下に響きわたって皆に聞かれたかもしれない。でもそんなのは別にどうでもいいんだ、嬉しいんだもんスッキリしたんだもん、まだモヤモヤは胸のあたりに居座っているけど仮面はもういらないね、割ってしまおう真っ二つに。
卒業前のこの時この時間、もうすぐ中学から巣立っていく私たちは誰もが輝いているはずだ、皆夢と希望に満ちていて眩しいはずだ。悩みはあるだろう、迷いもあるだろう、それでも進まなくてはいけない前へ前へと、疲れたら休憩するのもいいずっと全速力では体によくない、だから時々空を見よう海を見よう花を見よう。
残り少ない義務教育、長かったようで短かった九年間、春からはピッカピカの一年生、高校デビューしちゃおうかな髪の毛染めてみたりイメチェンして。いやそんなことはしない、普通に新しい場所で何かを見つけようゆっくりでもいいから少しずつ、そして歩き続けようこの道を。
私は中学を卒業します、三年間ありがとうございました――――――――――――
(。・ω・)ノ゛ コンチャ♪
卒業シーズンなのでこういう内容で書いてみました、季節物なのでもっと早く投稿すれば良かったのですがちょっと遅いかもしれませんね。
短編なのに登場人物いすぎてスミマセン、最初はそぞれの話があってそんで卒業まで描こうかなと思ってましたがちょっと無理だったので短編に変更して書きました。
前の三つと比べるとめっちゃ読みやすいと自分では思いますがどうでしょうか、前の三つまだ読んでないかたはどうぞ(宣伝
次回もあったならその時もよろしくおねがいいたします_(._.)_




