第1話~蘇り~5
ヌートリアは
ビクッと反応し
やがてうずくまり
体がブルブルと
震えだした
ドーマンは右手の
人差し指と中指で
手刀を作り
四縦五横を
切りながら
ドーマン
「臨・兵・闘・
者・皆・陣・
烈・在・前!!」
と九字を切り
続けて
ドーマン
「我が力に従いて
その力
聞こし召し給え
急急如律令」
と唱えた
するとヌートリアは
黒い闇に包まれて
大きくなり
やがて人の形になり
立ち上がった
頭には
ピンク色で
フワフワの
耳が付いた帽子
黒いゴークルと
一体化している
全身もピンク色系で
所々にフワフワの毛と
プロテクターのような物がついている
リア
「痛いなぁ〜
コラァ!!てめぇ!!
よくも私の可愛い
お尻に針刺しやがったなぁ!!」
杖の先に
止まっていた
カンスを
わしづかみにして
リア
「オリャ〜!!」
とカンスを
結界の方向に
投げつけた
カンス
「アワワ〜
アワワ〜!!」
カンスは感電したかのようにしびれ
体が大きくなり
結界に
はじき飛ばされた
リア
「このジジイ〜!
お前がアイツに
命令してんの
見てたんだからなぁ〜!
てめぇも同罪だ〜!
これでも食らえ!!」
ドーマンに殴り
かかろうとしたが
あと少しのところで
手が止まり
ドーマンを
殴る事が出来ない
ドーマン
「無駄なことは
やめておけ」
リア
「なに〜?
クソォ〜!」
ドーマン
「お前は今より
私のシモベとなった
あるじに
刃向かう事は出来ん」
リア
「誰がジジイの
シモベなんかになるかよ〜!」
ドーマン
「その与えた体も
不服か…?」
リア
「カラダ?
…え?
あれ?
人間になってる〜!
あ〜!
人間の言葉も
しゃべれてる〜!
イヤ〜ン
それに
私けっこう
ナイスバディや〜ん」
ドーマン
「…現成真姿」
ドーマンは
術を解いた
リアの姿は
ヌートリアに
戻ってしまい
…キョトンとした
元に戻った姿に
気付きあわてた
涙を流し
ひれふし
ドーマンの足に
ほほをすりすりした
ドーマン
「わかればよい」
ドーマンは
九字を切り
呪文を唱えると
またヌートリアは
女の姿に変化した
ドーマン
「努々…
忘るるべからず」
リアは元気に
立ち上がり
リア
「は〜い
承知しました〜!
あなた様の
第1の子分として
頑張りま〜す」