第5話~夜行~1
アイセは邪鬼との
戦いに勝った
勝てたのは
この『爪』の
玉のおかげだと
アイセは思った…
その時
ふと疑問が生まれた
これはじっちゃんに
除霊してもらった
玉にちがいない
これを陵が持っていて
アイセに投げ渡した…
まるで使い方を
知っているかのように
…ということは
アイセ
「正体が…
バレてる?」
振り向くと陵が
ニコニコしながら
立っていた
アイセ
「き…君
さっきはありがとう
助かったよ
…あの〜
この玉は?」
陵
「ルイの
じっちゃんから
頼まれてん」
アイセ
「頼まれた?
な…何を?」
陵
「除霊が終わったから
渡しといてくれって」
アイセ
「だれに?」
陵
「ルイに」
アイセ
「ル…ルル〜ルイ?
ルイって だれ?」
陵
「なにゆうてんの
目の前におる
あんたに
決まってるやん!!」
アイセ
「い…いや
私の名前は
アイセ!!
自然を愛せ
人を愛せ
地元を愛せ
加古川の
地元密着型戦士
その名も
清流戦士AISE
じわっと参上!!」
アイセはあせって
ごまかそうとした…
陵
「…はいはい
『AISE』は
『かつめし』やろ?
じっちゃんに聞いたわ」
アイセ
「え!!じっちゃんが
俺の正体を
ばらしたの!?
なんて事を〜!!」
陵
「いや〜ちゃうで〜
正体はもっと前から
知ってたよ」
アイセ
「え?
なぜ?
誰から聞いたの?」
陵
「あんたや〜
…おぼえてないの?
初めてヒッチハイクで
私の車に乗ったとき
おぼえてる?
あんたは私の顔みて
『アヤ』って
呼んだんよ
この加古川中〜
いや
世界中さがしても
私を『アヤ』って
呼ぶのは
ルイしかおらんし」
アイセはあぜんとした…
ごまかす言葉を
さがしたが…
何も浮かばないくらい
自分のおろかさに
打ちのめされた
陵
「終わったんやろ?
ほな帰ろか」
陵が先に歩き出した
アイセ
「ちょっと待ってぇ
変身とくから」
アイセは
電車の裏で
変身をといた
振り向くとそこに
またあの少女が
立っていた
少女は
ニコニコしながら
赤い玉を差し出した
玉には『弓』の
文字があった
ルイ
「今度は『弓』か…」
ルイが玉に気を
取られている間に
また少女は
姿を消していた




