第1話~蘇り~3
ドーマン
「カンスよ
あれから
何年たつ?」
カンス
「はい
17年になります
いや〜 驚きました
私が寝床を探して
古墳などを
めぐって
いたところ
この洞窟で
封印された
ドーマン様の魂を
見つけたのが
17年前…
それから
エネルギーを
あたえ…
栄養になる
新鮮な血を運び…
い〜や〜
この血を選ぶのは
苦労しました〜
なんせ人間には
4つの血液型が
ありますし
健康的な血を
探すとなると
一苦労で〜
最近の人間は
血液がもう〜
ドロドロでして
あれは
肉の食べ過ぎですね
コレステロールが
あるわあるわで〜
血液型も
健康的な血か
どうかも
吸ってみんと
わからへんし
それにこの姿で
血を吸う
わけにもいかず
小さく変化して
蚊のように
少量吸うしか
手段がなくて
ドーマン様が
復活されるまでの
辛抱と…
このカンス
17年間…
たえて…たえて
まいりました〜」
ドーマン
「そうか
ご苦労であった
カンス
この体が
元に戻るには
まだ少し
時間がかかる…
それまでは
お前だけがたよりだ
よろしくたのんだぞ」
カンス
「たよりだなんて
もったいないお言葉〜
はい
もちろん一生懸命
がんばらさせて
いただきます」
ドーマン
「この体が
元通りに戻れば…
日本征服など
たやすい事…」
カンス
「…いや〜
それがですね〜
ドーマン様〜
ちょっと…
それが〜
ちょっと
難し〜いかと〜」
ドーマン
「なに…?
お前は
私がそのうつわでは
ないと申すのか!!」
カンス
「いやいや!!
めっそうも
ございません
私はドーマン様は
その力のある方だと
ひと目あった
その日から
この肌で
感じておりました
…ただ 」
ドーマン
「…ただ?
なんじゃ?
包み隠さず
もうしてみよ!!」
カンス
「ハイ!!
け…結界が
ありまして…」
ドーマン
「結界?
どこにじゃ?」
カンス
「はい
加古川市の周り
全体に…」
ドーマン
「なに?」
カンス
「はい…
隣の市との境目に
ありましてね
ど〜しても
通れません
他の人間や犬や
車やアリでさえ
行ったり来たり〜
行ったり来たり〜
出来るのに
私は見えない壁に
はばまれて…
上はどうかなぁ〜
と思って
飛んでみましたが…
大気圏の
はずれまで
飛びましたが
無理でした…
海の方もちょっと
沖に行ったあたりに
ありまして…」