第3話~式神~1
ドーマン
「お前のうらみ…
お前の悲しみ…
怒り…
無念…
すべて
わかっておる
今より
そのうらみ…
存分にはらすがよい
ゆけ!!
お前を傷つけた
人間どもに
同じ痛みを
味あわせてやれ!!」
妖猫はコクリと
うなずき
高く飛び上がり
南の方向に
消えて行った…
カンス
「わ!!
あの猫どこに行く
気やろ?
まだ名前も
決めてないのに…」
リア
「赤壁さんだから
レッドクリフで
いいんちゃう?」
カンス
「…ねえさん
クリフの壁は
断崖絶壁の
壁でっせ
それもいうなら
ウォールちゃいます?
レッドウォ〜ル」
(バゴッ)
リアのエルボが
カンスの腹に
めり込んだ
リア
「悪かったね!!
私は英語が
苦手なんだよ!!
私の先祖は
フランス生まれ
なんでね〜
今度から
フランス語に
してくれるかい?」
カンス
「ヴッ…ウィ…」
リア
「カンス!!
私たちも後を追うよ」
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加古川家
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陵に送ってもらい
家に帰ってきたルイ
じっちゃんは
武具の手入れをしていた
ルイ
「ただいま…」
じっちゃん
「おかえりルイ
早かったな
…で
摘は倒せたか?」
ルイ
「いや…
逃げられた」
じっちゃん
「なに?
なぜ追って
行かなかった!!」
ルイ
「だって空飛んで
逃げたんやで
そんなん
どうすればええねん」
じっちゃん
「空か…
ソラ〜困ったなぁ…」
ルイ
「…え?」
じっちゃん
「…いや
…で?
敵はどんな
ヤツやった?」
ルイ
「2人いた
一人は女で
もう一人は
むきむきのデカい
ヤツで
確か…
名前をカンスとか
言ってた
そいつに
羽がはえてて
飛んで逃げて行った
あれは蚊の
バケモノやと思う」
じっちゃん
「そっか…
…で
ルイの武具の
調子はどうや?
動きやすいか?」
ルイ
「うん
かなり軽くて
自分の力の
10倍以上の
パワーが出てる
気がする
攻撃の衝撃も
軽減されてるし
ただ…
空が飛べたらなぁ〜」
じっちゃん
「それは…
まだ無理やなぁ」
ルイ
「まだ無理…?
…って事は
いつかは
飛べるようになるん?」
じっちゃん
「…なるかもしれんし
ならんかもしれん
…この武具には
ある秘密が
あってなぁ…」