表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/72

第2話~変化~7


カンスは

白い板に書かれた

『赤壁さんのはなし』を

読み始めた




カンス

「なになに?


『江戸時代の中ごろ

加古川宿に


徳蔵と言う

腕のよい

油絞りの職人が

おりましたが


サイコロ博打が

何よりも好きで


そのせいで

貧乏ぐらしを

続けておりましたが


タマと言う猫を飼い

とても可愛がって

おりました


ある日のこと

タマを懐に入れて

博打場にでかけたところ


妙なことに

サイコロの目が


丁ならタマは両目を閉じ


半なら片目を閉じる

ではありませんか


徳蔵はタマの合図で

久々に大勝ちをしました


その帰り道 徳蔵に

有り金すべてを

巻き上げられた


梅吉 松吉兄弟の

待ち伏せに合い


金を奪われ殺されてしまいました


講談の続きは

その後タマが

主人徳蔵の仇討ちを

果たしますが


無念にも返り討ちに

合ったタマの血で


真っ赤に染まった

壁を使って


建立された祠が

赤壁大明神の

起こりです


今も赤壁さんと

親しまれて


勝負に強い忠義な

タマの御霊が

祀られています』


なるほど〜」




リア

「塞翁が馬やね…」




カンス

「ねえさん

馬ちゃいますよ

猫ですよ」




リア

「アホ〜


そのネコに能力が

有ったのが

よかったのか

悪かったのか…


返り討ちにあったのが無念なのか


死んで祀られたのが幸せなのか


本人しか

わからんって事や」




ドーマン

「…ならば

猫に直接

聞いてみるか?」




カンス・リア

「ドーマン様!!」



いつの間にか

ドーマンが立っていた

ふところから

小さなビンを

取り出し

カンスに



ドーマン

「カンス

この液体を祠に

吹きかけてみろ」




カンス

「それは…

ねえさんの時にも

使った液体…


ドーマン様

それはいったい

なんなんですか?」




ドーマン

「これは

私の復活のために

お前が集めた

血の中にあった


人の欲・怒・苦

などを集めたものじゃ


これにより

悪の心が増幅し

変化し


我がシモベとなる

秘薬じゃ」




カンス

「わかりました〜

かけてみます〜」


カンスは液体を

口にふくみ勢い良く

祠に吹きかけた


ドーマンが

九字を切り

呪文を唱えた


すると祠全体が

黒い闇に包まれ

その闇がひとかたまりになり


祠から離れ

ドーマンの前で

妖猫となって

姿をあらわした


顔は猫


体は赤く

プロテクターをつけている


手には

長い鉤爪が

ついている




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ